一話一膳
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本日のお品書き
まだらな焼き加減も悪くない
フレンチトースト
  あなたが少しだけ寝坊して起きたとします。
  特別な用事のない、休日の遅い朝。まだまだ寒いけど、真冬のしんけんな寒さじゃない。寝坊しても、「まあいいや、きょうは休みなんだから」と思ったとき。

  あなたは考える。
  今日は何をしようかなと。入れていた用事はないし、疲れているわけでもない。だからと言って、このまま「ちょっと寝坊」というペースを引きずりたくもない。そうだ、まずはご飯を食べなきゃ。

  でも、とあなたは着替えながら考える。
  本格的な朝ごはんを食べる時間じゃない。寝坊したんだし、軽い朝食ですませればそれでいい。お昼になればお腹が空いてくるくらいでかまわない。ちょっとしたものを、でもちゃんと準備がいるだけの朝ごはんを食べたい。そんなに忙しくないけど、そんなにダラダラしたくもない、冬の終わりの朝の9時過ぎ。

◆材料(1人前)
食パン
(少々厚手がベスト)
1枚
生卵 1個
牛乳
(コーヒーカップに3分の1くらい)
50ml
ハチミツ
(これは少し甘め)
大さじ2杯
バター
(大さじに軽く1杯)
1かけら
◆手順
1.   生卵をトレーか深皿でほぐす
2.   1に牛乳とハチミツを入れて混ぜる
3.   2に食パンをつけて、両面を5分程度漬ける
4.   フライパンを熱してバターを入れる
5.   バターが焦げだす前に3を入れて弱火にする
6.   1分程度で焦げ目(好きなタイミング)を見て裏返す
7.   逆の面でも6と同じことをする

  食パンは6枚切りがベスト。
  ハチミツは砂糖でも代用できるし、高価でもメイプルシロップがあればグレードアップ。牛乳の量の増減で仕上がりのウエットさを加減できる。


  君は手順2まで済ませてから飲み物を用意するかもしれない。
  紅茶もコーヒーもいい。もしコンロが2つあれば、どちらもそのタイミングで用意を始めれば同じタイミングに仕上がる。

  必ずしもベストのできばえでなくてもいい。
  君は9時半ごろ、飲み物と一緒にフレンチトーストを食べる。甘さが身にしみる。砂糖を入れない飲み物が中和してくれる。
  ベストとも言い切れない朝食は、今日の君に似ている。
  ゆっくりと遅めの朝は流れていく。まだ昼というには早すぎる。でも、もう朝の気配は消えつつある。そして君は思う。

そうだ、ちょっと街に出てみよう。
ちょっとだけ、おめかしして。
今日の休日はこのままで終わらせない。




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