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人様の料理はパクるべきである。 オリジナルの料理なんてものは存在しない。 ゆえに、今度は千葉県市川市本八幡にある飲み屋「キヨハラ」で味わった肉豆腐に挑戦してみる。 ひとことで肉豆腐といっても種類はたくさんある。 肉が少ないもの、緑野菜(サヤインゲンやグリーンピースが多い)が入っているもの、肉豆腐なのか肉じゃがなのか安上がりのスキヤキなのか、区別のつきにくいものなどがある。 今回は「パクる」ことを主眼にするので、「キヨハラ」で食べられるそれを観察してみる。 まず、具はシンプルに肉、タマネギ、豆腐である。 余談になるが、この「キヨハラ」たる店は主人が頑固なので、メニューが一切変化しない。創意工夫という概念がないのか、今出している料理は全てカンペキな状態にあると考えているのか不明ではある。 個々のメニューに関しても、注文すると前回と少しも変わらないコピー料理が出てくる。「味が落ちた」と評されることはないが、「味が上がった」と評されることも絶対にない。僕が通うようになっただけでも11年、100%不動のメニューと味なのである。これはこれで一つの達成である。 さぁ、どこまでキヨハラに近づけるものか。 |
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カンペキに同じ、というまではいかない。 「キヨハラ」では、肉が10センチほどである。それがワザなのか、手間を考えたものであるかは、わからない。 さらに、味付けはもっと濃い。上記のレシピよりも、醤油や砂糖を多くしているのではないか。酒のツマミとしては、これが上限であろうと僕は考える。ご飯のおかずにするなら、砂糖をもう少し減らしてもいいのではないか。 なお、味を沁みこませようとして長く煮るのは禁物。 豆腐は熱を入れすぎると硬くなる。濃厚な汁にからむ豆腐の外側が、味の足りない豆腐の内側で中和される、それくらいが、いい。 カンペキなパクリ料理は、たぶんない。 誰もがカンペキな自分の料理を目指し、それは万人にとってカンペキなものではない。そのような微妙な差異から、オリジナルの料理が生まれていくのだろう。それを変化と呼ぶか進化と呼ぶか退化と呼ぶかは、誰にもわからない。 |
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