一話一膳トップに戻る |
|
京の冬のおばんざい、ってありますよね。 なんだかよくわからないけど、体に良さそうな気がします。お野菜のお煮しめとか、ダイコンさんのお惣菜とか、「お」とか「さん」とか名前をつけて、野菜をからめて、京都で食べればおばんざい、みたいなイメージがあります。冬でなくてもいい気がするんですけど、「京の冬」とつけるから美味しそう、とでもいいますか。 ここで京都の人に質問してみましょう。 おばんざいってどういうものかって。教えておくれやす。 「はぁはぁ、おばんざいねぇ。まいにち食べるおかずですわ。いやいや、たいしたものやぁおまへんわ。でもなぁ、うちら、あんまりおばんざいとは言わへんなあ。よそさんがつけてくれた名前とちゃいますかねえ。ありがたいことですわ。ほな、ぶぶ漬けでも食べてっておくれやす」 ……ほらほら、始まった。 京都名物「いけず」が始まった。「うちら」で京都人が特別であることを示唆。相手の言葉を認めておいて、卑下するようなフリをして、相手を持ち上げておいて、「でもなぁ」で引っくり返す。あげくに、「よそさん」で排他精神を明確にし、なおかつ「つけてくれた」でよそ者にヨイショ。思ってもいないくせに「ありがたいことですわ」。トドメが「ぶぶ漬け食えゆうとるんやから、はよお帰り」ですからね。おそろしいおそろしい。 というのが、我ら非京都人が京都に持つイメージ。 本当に京都人がこんなことを言うかどうは不明だが、 「あの人たち、そういうこと言いそう」 というのは我ら非京都人の本音。 京都人は京都人で、期待に応えなきゃいけないと思っているらしい。 いいかげんにうっとうしいと思いながらも、選りすぐられた良民として 「伝統芸能的いけず」 を披露してくれる。まあ、どっちもどっちなのだ。 さあ、おばんざい風な料理でも作りますか。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1では皮を剥かなくてもいいのだが、お上品に作りたければ剥くべき。 3と4で時差をつけるのは、火の通りを均一にするため。カブの茎は火の通りが早いから、これ以上にタイムラグをつけても良い。 5の調味料は厳密にする必要はないが、6の「仕上げのショウユ」は香りつけの役割もあるので遵守してもらいたい。 京都人に食べさせてみましょう。 「あらあら、おかぶらさんやないの。おいしゅうおますなあ。白と緑がきれいですわ。うちら、こんなお上品なものよう作りませんわ。ほんま、よそさんのお料理にはかないまへん」 本当にこんなこと言うのかしら。 カブのことを「かぶら」、鶏肉のことを「かしわ」と言うらしいとは聞いていますが、今でもそうなのかどうかは不明。イメージって怖いですね。カブは冬が旬だす。ほな、作ってみておくれやす。仕上げにぶぶ漬けでも食べてっておくれやす。さっさと帰っておくれやす・・・。 |
ホームページトップに戻る Copyright (c) 2004 takeshi nobuhara All Rights Reserved. |