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たまには失敗 4月27日
  英語のことわざ(?)にYou cannot be too careful in choosing your friends.というのがある。「友達を選ぶときには注意してもしすぎることはない」と訳すらしい。

  あろうことか、久しぶりに授業で使うテキストを自宅に忘れてしまった。市進のDクラスの長文の授業だ。同志社大学の問題で、決して難しくはないが小手先でごまかせるレベルではない。確か、時間配分がギリギリの教材のはずだ。
  しかもそれに気がついたのは授業が始まる5分前。その前の授業後に質問が来て(お願いだから授業後の教卓で質問しないでくれ)、お茶も煙草も飲む時間がない。今年から始まった英作文中心のゼミのことで頭がイッパイだったのだ。単純に間違えてCクラスのテキストを持参したことに気がついたのだ。あわてて生徒用のテキストでコピーを取る。去年も扱った教材だ。一昨年もやっている。数日前に読み直した。出てくる項目を意識して先週の授業をやった。準備は万端なんだ・・・テキストさえあれば!

  僕は自分のテキストの中に解答と文構造以外は一切書き込みをしない。たまにマイナーな単語の意味をメモすることはあるが、板書計画などを書いたことは11年間で一度もない。参考例文のたぐいも書かない。自分の頭から取り出せないことは教えるべきではないからだ。自分がテキストを見ながらしか書けない項目を黒板に書くなんて素人だ。自分で考えることができないことを人様に教えられるかってんだ。
  それにしても・・・。覚悟を決めた。何も書いてないコピーを教室に持参する。そしてそれを生徒に宣言する。
  「俺はこれから白紙のコピーで授業をする。お前らと同じ条件だ。書き込みがあるだけ、お前らのほうがマシだ」

  千葉校のDクラスは非常に人数が少ない。少ないがゆえに全員を指名してゴリゴリに厳しい授業をしている。耐えられない生徒は他のクラスに消えてしまった。毎年恒例の「信原の千葉Dクラス」の状況だ。
  生徒に助けられる。3月当初はAクラスに近い状況だったが、指名してうまく間違えたり、うまく正解を答えたりしてくれる。おかげで、いつもより授業進行が早いほどだ。

  頑張る生徒を支えたいと改めて思う。そしてまた、厳しい忠告を与えたいと傲慢にも思う。注意してもしすぎることはないんだぞって。
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