予備校講師でわるかったな!





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壊れた信号を待つ 6月19日
  ぼくは授業の開始時間から逆算して行動する。それは1時間単位である。
  目覚めたときは授業の11時間前だった。今日の体験授業は夜の7時からだ。1時間で刻むには長すぎるが、起きた時点から開始時間に気持ちをもっていく。それにしても長いなあ。

  TVを観ていたらなんとかという男性(顔は知っているけど、双子の一人、なんとかケイタ君という感じの悪くない男の子だ)がTBSの女子アナとデートするという企画をやっている。実はこの3週間観ていたのだが、お相手は竹内、小林、海保とみんな僕の知り合いでありお気に入りばかりだ(画面を通してだが)。納得がいかない。分けてほしいものだ。

  体験授業は完全な一発勝負だ。内容ではなくて雰囲気が大切だ。いいかげんにこなせる仕事ではない。技術ではなく気持ちでひきつける必要がある。我々予備校講師はテクニカルな面に秀で過ぎている。
  11時間もあるなら恒例の独りデートにでもいけるだろうと思うかもしれない。確かに物理的にはそうだ。箱根に行って温泉日帰りくらいは可能である。授業も昨日の再放送である。
  でもそうじゃない。僕にとって仕事はこなすものじゃない。バイトとは違う。僕は授業の中で自分を見せるだけではなく、自分がこの授業の中に持ち込もうとした空気を見せるんだ。

  「冬ソナ」を今日も観る。

>信号が壊れていたとしても、ここを待たなければいけないんです。そうしないと迷ってしまうから。

  たとえ僕が壊れていたとしても。
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