予備校講師でわるかったな!





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出る杭は打たれる 7月29日
  授業が終わって「ちょっとまずかったかな?」と思うことがたまにはある。失敗したら善後策を考える。これ、知性の基本。


  The nail that sticks out is hammered down.

  これは今日のBクラスの長文で出た表現だ。僕はここでその和訳だけを言って「日本語言われてもわからない人は辞書でもひいてください」と言った。
  でも考えてみれば日本語でも「ことわざ」なんて使わなくなっている。使われる頻度の低い言葉は定着しにくい、これは僕の教え方のスタンスである。

  目立つ奴は周りから叩かれる(ウザイと思われる)よ、ということである。日本語では「釘は打たれる」とも言うらしいが、これだとちょっと誤解を招くかもしれない。「へっ、釘が出てやがる。生意気だな。引っこ抜いてやるか」という解釈をする人が・・・いるわけないか。でもいるかもね。

  わかりにくいときは例を出す。
「だからさ、今の予備校講師なんて無難に授業をするんだよ。そうしたほうが安定すっから。俺みたいにアンケートのコメントにマジ切れしたり、こんなんできないやつは消えろやとか言ったりしてると回りから叩かれるんだよ。そういう意味のことわざね」


  MARCHゼミの初日アンケートに返事をする。面白いコメントが多くて嬉しかった。

「コンドーム、コンドームって言いすぎですよ。そんな授業が好きです(笑)」

  僕は基本的にコメントを読み上げ、それに返事をすることにしている。コンドームはbirth controlという英語がわかりにくいかなと思って挙げた例なのだ。

「そうか、わかった。言いすぎだったか。じゃあやっぱりもっと違う例が良かったか。コンドーム以外のバースコントロール手段を紹介してひいてもらうべきだったか。きみたち、教えてほしかったか。それはつまり・・・まずいのでやめておく」

  かなりの男子が大笑いしている。一部の女子も震えている。
  杭になるのが僕の人生。
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