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Dクラスはノってきた。平常の授業で教えてきた生徒様よりも新顔の生徒様が多いので運営に苦労していたのだ。未習事項を口頭でモリモリ盛り込んで詰め込み教育。生徒様の「吸い取ろう!」という気迫があるので授業も速く進む。そしてそれだけ多くの情報を与えられるから、ますます伸びる。典型的な「すればするほど構文」状態である。受験生にしかわからない比喩ですね。
5時間目の授業を終えたら腹が減った。しょうがないのでメロンパンの発掘を目指して4階の廊下のゴミ箱をあさる(予備校講師なんてケガレの職業だ)。食い物ないかなぁ。あれ? 単語を練習したメモ用紙を発見する(一部冗談だからな)。
単語の勉強なのか、一つの単語を何回も書きなぐってある。まずはliteratureを7回、literateを6回・・・という調子だ。おいおい。
アドプリにも書いたと思うけど、単語を書いて覚えることそれ自体はイチガイに悪いとは言えない。しかしそれでは入試までの時間が足りなくなるし、書けなければいけない単語はそれほど多くない、英作などの記述が出題されない場合は特にそうだ。正確に言えばほとんどの単語はきちんと意味を覚えれば自然に書けるようになるし、スペルが難しい単語は多くない。それに英語は表意文字(文字そのものに意味がある文字)ではないので、書くことで意味の暗記が促進される可能性はあまり高くない。
まあ、これを書いたのはまだ時間のある高1かもしれない。それにしてもなあ。たとえばlump(コリ、しこり)とかmeasureとか書いてある。うーん。ちょうど5時間目の授業で「lumpという単語を知らなくても読み飛ばす方法」を話してきたばかりだ。さらにmeasure(7回)の次にはmeasurementと5回くらい書いてある。mentがついたらほとんど名詞なんだけどなあ・・・。写経のような精神修養なんだろうか。
あまりに笑えるので飲んだくれ数学講師Bに話す。
ベ「これ、どうよ?」
B「なんすかこれ?」(中略)
ベ「こういうのが勉強だと思ってるんだろうねえ」
B「しかもwithinがwith inになってますよ」
ベ「どうせ意味の理解とかないんだろうけどさ」
B「む、rangeが途中でrang(ringの過去形)になってますね」
ベ「鳴ってどうするんだろうね」
チャイムが鳴った。僕はそのメモ用紙を手に講師室を出ようとする。
B「え、それもってくの?」
ベ「たりめーじゃん、説教だ」
B「その(メモを書いた)生徒がいたらどーすんのよ?」
ベ「だったらなおさら説教する価値がある」
B「あ・・・」
ベ「間違いは直してやるほうが結局お互いにいいんだよ」
B「・・・(汗)」
ねえ、だって、その紙にはmudpieとか書いてあるんだよ。しかも4回。俺も知らなかったよ。だから辞書引いたさ。和訳は「ドロまんじゅう」。ままごとで幼児が作るやつ。覚えてどうするとは言わないけど、覚えて何かの役にたつのかなあ。立たなくはないけど、俺の言うことっておかしい? |
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