予備校講師でわるかったな!





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burn one's fingers 9月18日
  6時間も寝ないで起きる。今日は10時から授業なので言い訳してはいられない。熱い風呂に漬かりながら歯を磨く。ちょっと品がないけど、気持ちが高揚し眠気が消える。3連休初日の電車は少し混雑している。

  9時半に校舎に着いて軽い食事。本八幡のドトールはサーブが遅いのでイラついた。名簿を見る。告知期間が短かったせいもあって「攻略センター講座」の生徒は少なかった。
  件名は「痛い目にあう」という意味だ。演習講座の200点満点で最高は156点、最低は71点である。平均は111点である。時間制限とマークシートを塗る緊張感の中で実力を発揮するチャンスはひどく下がる。解説を聞いて(あるいは答えを見て)これはできたはずだ・・・と思ったところも多いだろう。しかし、それが入試の結果というものなのだ。

  痛い目にあった生徒たちは真剣に授業を受けてくれる。文法が大切とか、時間配分が大切とか、小説の感情を問う設問は行間を読めとか、そういうオバカな誤解を解く方法を説明する。いくつかの基本理論があるがここでは書かない。僕が練りに練った秘伝があり、それは(申し訳ないが)受講料という代価を要求するに値するものだ。僕が普段の授業を大切にすることを死ぬほど強調することの意味がわかってもらえたと思う。真面目に聞くことだろ? なんて思うタコがドつぼにハマるのが入試の現場なのだ。

  遅い午後に食事をしてから本屋を2軒回る。これは読みたい本を見つけるための基本姿勢。将棋の羽生先生の新刊をゲット。どちらの店も近くにCD屋があり、宇多田ヒッキーの「EASY BREEZY」がかかっている。なんだ、シングルカットの曲だったのか。こうやってヒット曲は意図的に作られる(それはそれとしていい曲だと思うけどね)。

  いつもの平常授業を4コマ。演習で1コマ「試験監督」をしていたので(死にそうなほどヒマだった)授業への気持ちが高まっていた。睡眠不足なんて関係ない。教壇に立てる喜びがあった。俺が主役になれる。生徒のために俺がいて、俺のために生徒がいる。図々しいのにも程があるが、それが予備校講師のメンタリティ。
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