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2限の授業中に地震が来た。最初はおかしな騒音、そして確実に揺れる。怖い。
生徒様に確かめると、「地震ですよ」と答える。おれ地震ダメなんだよ〜とよろけてい
ると彼らは爆笑する。
「おめーら怖くないのかよ?」
と振ってみたらまた爆笑する。ダメだこりゃ。
立て直して早稲田理工学部の過去問演習に入る。今日の単語テストでワースト2(得点
率78%と80%)の2人を指名して答えさせる。10問で正解率2割。まあ、予想した
とおりだ。僕は冷たく言い放つ。
「ま、今年浪人した甲斐がありましたね・・・。来年はがんばってください」
現役N1。テキストにことわざの問題があったので、それに合わせて今年の成蹊大のこ
とわざ問題を用意していった。もちろん時間を区切って演習させる。
事件が起こる。
演習時間に問題に取り組まない生徒様がいた。授業中に単語集を広げていたのは知って
いる。ツカツカと僕は彼に歩み寄り叫ぶ。
「あんだおめえは! そんなことは家でやれ!!」
昔の(と言ってもほんの5年前だけど)僕ならその生徒の単語集を取り上げて破り捨て
ていただろう。実際にそうしたことが1回ある。しかし、僕は寸前のところでそうしなか
った。もう、落ちることは決まっているのであり、どうせ来年教えることになるのだ。今
ここで真剣にキレて真面目にやっている生徒様たちに不安を与える必要はない。
僕個人にとっては、城南はアウェイの予備校だ。しかし、いや正確に言えばだからこそ
、この予備校の弱点を知っているつもりだ。それは「授業を受けることが実力向上につな
がる」という勘違いをしている生徒が多すぎるということである。
大切なのは、意識のレベルで「授業をどこまで入試の本番に近づけるか」ということな
のだ。まとめるべきはノートじゃなくて、自分の頭の中なんだ。
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