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考+攻=幸福(または不幸) |
6月18日 |
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退職が近いアルバイトの中年女性と授業前に話す。
予備校自体の雰囲気も変わってきましたね、という話題である。
以前は講師が生徒(様)を叱るというのは当たり前だった。もちろん僕自身
もそうなのだが、講師室で生徒を叱りつける様子は日常的に見られた。彼女は
言う、「今はそういうわけにもいかないんですよね」。
付加疑問文である。それはダメなんですよね、と念押しをしているのと同じ
だ。僕もうなづく。
僕も、この数年は軟弱な路線になってきていると思う。組織に属す人間であ
ることは否定できず、組織の方針に合わせるのも大切なことだ思う(そして実
行する)くらいの社会性はある。
でもしかし、と思って今日はちょっと試してみる。いつも以上に激しい辛口
トークだ。今日は1学期アンケートの最後のクラスが2つ。比較的人数の多い
クラスなので、失敗すれば予備校の僕への評価は落ちるだろう。それでも、攻
めてみる。
「この問題で who を選ぶこと自体がオメデタイんだよッ。空所の後ろに主語が
なければとにかく主格なのか? 脳みそ使えや」
「 clear が訳せないからって、 them の指すものがわからないってことになんの
か? 代名詞はパラグラフを超えないって何度も言ってるだろうが。その程度
のなめた予習があんたらの定例(試験)の結果なんだよ。どうせ同じノリでテ
キトーに読んでんだろうが」
3コマ終わって休み時間、講師室の僕の机の上に「カントリーマアム」とい
うクッキーが置いてある。誰かがくれたのかもしれないが、ついウッカリ食べ
たりはしない。職務上、毒が盛ってある可能性もある、冗談じゃなくて。まし
て、まだ1コマ授業がある。何かのトラブルがあれば責任は不用意に食べた僕
にある。
あるいは、「神経質すぎるだろう」と思う人もいるだろう。それでも、リス
クを減らすのはプロなら当然のことだ。
女子3人が現れて、誕生日のプレゼントとのこと。ありがとう。でも明日食
べるからね。
最後の1コマへ。厳しい流れだからこそ、冗談も言う。
「ああ、休み時間にクッキーをくれた生徒様がいました。ダイエッターの俺は
クッキーなんか食わないんだよッ! え、じゃあ何を食うのかって? 日記を
よく読め。カルビージャガリコだ。あ、ポテトチップスも可。いや、カールも
いいな。歯にこびりつくけど、あの食感、最高。誕生日は23日。プレゼント
は前後1ヶ月以内ユーコー。よろしく」
授業後、アンケートを取るバイトの兄ちゃんが枚数を数えながら用紙を配っ
ている。帰宅したい生徒様を待たせているんだから、適当に配って後ろで調整
すればいいのだが、そのあたりの機転がきかないらしい。プチギレ。
「おい兄ちゃん、数えなくていいから、まず(用紙を)回せよっ! あなたが
(生徒様の座席の)後ろに回って調整すればいいだろ。後ろ(の生徒様)が待
ってんだろ」
考えて動かない奴になったら、年収300万で苦労しち
ゃうんだぞ。
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