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たまたま同じ日 6月23日
  朝の8時過ぎにクルマを借りる。
  まずは某駅で老母をピックアップする。
  地元で(つまり僕の実家近くで)買ったらしい花束を手にしている。雨なの で荷物が多いときは車がラクだ。

  30分ほど走って伯母さん(つまり僕の母の姉)2人をピックアップする。
  当然ながらケッコウな高齢なので、やっぱりクルマが便利だ。

  高速道路に入るまで30分、乗って40分、高速から降りて30分、やっと のことで千葉県中央部の目的地に到着する。「千葉県中央部」って震源地の呼 称みたいだけど。


  そこには僕の祖父と祖母の墓がある。彼女たちにとっては両親が眠っている ということだ。今日6月23日は僕の誕生日であり、同時に祖父の命日(めいにち= 亡くなった日のこと)なのだ。
  情けない話だが僕はそのことを忘れていたし、今日で10年が経ったことも 気がつかなかった。クルマを出すように頼まれて、
「なんでよりによってオレ の誕生日なんだよッ」
と思ったがこういうことだったんだ。去るものは日々に 疎しとは言うけれど、そのくらいの偶然の一致は覚えていてもいいような気が する。墓参りの瞬間だけ少し晴れる。わるくない。


  昼飯を食べるために、そこから鴨川へ1時間足らずのドライブ。彼女たちは自動車免許を持たないので、「何かの機会がないと」行けない場 所に行こうということだ。

  そして、当たり前のことだが、鴨川から千葉県北西部まで戻って来なければ ならない。特別に観光地があるわけでもないので、ひたすら走るしかない。ハ ンドルを握れるのは僕だけで、早起きのために睡眠不足だ。
  行きは途中で何度か止まるから良かったけど、鴨川からの「直線一気」はな かなかしんどい。3時間半ほどかかってクルマを返す。

  食事と酒をおごってもらう。誕生日だし、まあいいか。
  彼女たちはほとんど酒を飲まないので(年齢的にも当然だ)、僕が一人でガ バガバと呑むことになる(当然だが愚かだ)。帰宅する。


  この日記を書く前にソファでうたた寝してしまう。長い1日でもあったし、 珍しく酔ってしまったようだ。
  走破距離は250キロほどだったか。誕生日まで爆走!という35歳のスタ ートだ。
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