予備校講師でわるかったな!





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小さな努力、小さな変革 8月27日
  なかなか暑い日々が続いてはいるけれど、朝夕は涼しくなってきた。
  窓を開け放したまま目覚めることもなく9時前まで眠る。

  昨晩は予定を変更して飲みにいってしまった。
  夏講もこの時期まで来るとストレスがたまってくるから、どうしても生徒様 につらく当たってしまうことが多くなる。安全弁として同僚に当たるために飲 みに行くのだ。文句あるか。あるよねぇ。

  というわけで冷蔵庫にあるキンメダイが刺身で食えなくなったので、素早く 煮付けにする。ついでにゴーヤの酢の物も作る。授業後に美味しいビールを1 秒でも早く飲みたいのだ。


  1コマ目は頻パタU。次の時間の頻パタTより受講生がとんでもなく少ない 。頻パタはレベルが2つしかないにしても、ひどい格差だ。
  もちろん順調に過ぎる。この時期まで来ると上位クラスは目的意識を持って 受講するので、確実に情報を伝えるスタンスの授業で足りる。

  2コマ目の頻パタTは満席。3・4コマ連続の大学別UBも満席。
  大手予備校ではないので講師の名前で授業を選ぶわけではないだろうから、 必ずしも「ウハウハ」ではないが悪くない気分だ。
  しかし、どちらも昨日の予習状況はひどかった。センター試験まで5ヶ月を 切った現況で、「授業と同時にテキストに折り目をつける」生徒様が3割。ま あ全生徒様の半分は予習なしで受けているんだろう。
  市進予備校の未来も僕の未来も心配だけど、「予習のヨの字も自覚できない 」生徒様の未来は心配じゃない。努力による獲得物や努力しても得られないモ ノの存在を知らずにニートにでもなっていくのだろう。

「まあ、このあたりを考えない人もいるのでしょうが、そういう人は適当な大 学に受かりなさい。どうせ、底辺大学なんて自分の名前を漢字で書ければ受か りますから。それも一つの美しい達成です・・・」


  というわけで昨日は徹底的に予習の重要性と具体的なやり方を刷り込んだ。 ニート候補生に教えていても面白くないからだ。変えるべきなら、そして本人 に変えようとする意欲があるなら、仕掛ける価値はあるからだ。そして何より 、僕が楽しくなければ生徒様が楽しめるわけがないから。

  そして今日。
  どちらのクラスも多少の脱落者は出たが、手ごたえは良くなった。少し気に なるのはマーカーペンを持参していない生徒様が(例によって)多少いたこと 。僕の場合、特に長文の授業では書き込みしてもらう量が異常に多いのでテキ ストはメチャクチャになってしまう。マーカーペン2本だけでぐっと見やすく なるのだが、言ってもわからない生徒様もいるものだ。


  授業後に相談が1件。夏講で「初信原」の生徒様♂。

先生がやっているみたいに解こうとしてもうまくいかないんですよ!
「そりゃそうだ。それでいい。うまくやろうとして、うまくいかないからこそ 、継続してやる価値がある。そのズレがだんだんと埋まってくるんだよ。埋ま るまでは苦しむさ。でも、自転車に乗るのと一緒だぜ。手を離されたら、自力 じゃ漕げない。最初は怖い、でもいつか、きっと自力で2輪で漕げるようにな る。漕げるようになるまでは、多少の時間はかかるに決まってる」

  彼は礼儀正しく挨拶をして帰る。
  世界は、小さな努力から変えることができる。僕にもできるし、君にもでき る。誰でもできる。小さな努力を払う手間を惜しまないことを条件に。
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