予備校講師でわるかったな！

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１０年一昔（ひとむかし）

11月29日

  ６時に目が覚めてしまった。

１０年前にタイムスリップしたら、ケータイ電話がつながらないんだ、すごいよなオイ。やっぱ９５年だからさ、アンテナの数が少なかったんだぜ、

という夢のせいだ。うーむ。
  ここは気持ちよく２度寝だッと布団に入ればタイムスリップして１１時前。これって、ただの寝坊じゃん(-_-;)

  午後になってヒマなので洗面所の整理をしていたら「男性用顔パック」の試供品が出てきた。

「精悍な顔を目指す男に！」

などと書いてあるので、ダラーケ・ド・モードの予備校講師は精悍な顔を目指すことにした。ヘンな脱脂綿みたいなものにヘンなエッセンス（だっけ）というものを振りかけて・・・。

  目鼻がくりぬかれたプロレスのマスクみたいものが発生した。うーむ。
  「乾くまで顔に張っておけ」とあるが、これでは眼鏡がかけられないじゃないか。だいたい、乾くってどの程度まで待てばいいんだ？

  文字が読めないから家事をする。２０分くらいで「乾いた」ようだ。
  ムリムリムリと剥がしてみるとそこに精悍な顔が・・・じゃなくてツルツルの顔が出てきた。昔は僕もこういうツルツルぶりだったのかね。ヘンなの。

  なんとなくスーツを着て市川校へ。
  なぜか校舎の中に書店員のような人が来ていて、大学の入学願書を販売している。校内放送によれば、今日だけの販売だとか。
  売っているのは早、慶、上智、立教の４大学だけ。今や有料で願書を「売る」大学は超人気大学と言える時代である（社会人へ注：現在では、ほとんどの大学は願書を無料配布している）。

  笑ってしまったのは校内放送。

＞・・・ソーケイジョーチ大学などの願書を扱っています・・・

  あのさ、「早慶上智大学」なんてナイですから（笑）。

  Ｃクラスの当日演習は毎度おなじみ並べ換え。たまたま立教の文学部。

I think I just (            ).

  away / carry / imagination / let / me / my

  事前の予想。

１、まあどうせ２割くらいは let me carry とか書くやつがいるんだろう。根拠は「レットミイ～って聞いたことがあるから」くらいなんだろうなあ。主語が I だから目的語に me はありえないのに。
  軽い説教くらいは必要だな。

２、で、残りの半分（＝全体の４割）が最後を carry away me って書くんでしょ。ＭＡＲＣＨに足りると思って足りない典型パターンだよなあ。他動詞＋副詞＋名詞のイディオムは、他動詞＋代名詞＋副詞の語順になる。これはＣクラスでは夏に話したっけな。整序問題の大切なポイントになるんだって。
  これは「もう一息頑張ろう！」の偽善系トークだな。

  演習中に解答を覗く。え。３割の生徒様が・・・

I think I just ( my imagination 以下略).

  なるほど、今年の僕が人気落ちだったのは、僕がゆとり教育新世代生徒様の学力レベルを偏差値２０くらい高く見積もったからなんだ。これは僕のミスだ。

「はあい、いいですか？　意味から考えるんじゃなくて、英語はカタチ。私の想像力が、なんて勝手に決めない。想像は布団の中だけにしてね、男子のみなさーん。はあい。２つめの I は主語。 just は副詞。丸いカッコでーす。で、主語の次は動詞。名詞じゃなくて動詞。主語、次に動詞。 imagination は名詞。とつぜん名詞が２つ続くことはないでーす。ね、主語、次に動詞。１００回くらい言いましょう。主語、動詞」

と癒しのトークをするつもりだったが、実際はブチキレトーク。
  しかしホントーのことをバクロすれば、以下のように言いたかった。

「ね、まずは来年の春は中学校をうけましょう。アイ、マイ、ミー。アイは主語。でもね、本当に行くべきは病院。びょーいん。大学の前に、びょーいん」

  こんな発言をしたら保護者から電話がかかってくるのでやめておいた。
  しかしね、やっぱ限度ってものもあるんじゃないですか。間違えた生徒様じゃなくて、「ゆとり教育」って。

追記：もちろん、このような「超難問」を出題した立教大学を責めるべき部分もあるのかもしれない。ちなみにこの出題は０４年文学部。来春は０６年度入試になるわけだが、立教に限らず「ゆとり教育世代」の学力を考慮した問題が中心になるのかは観察する必要がある。もし、このままの問題レベルで受験を続けるなら、それは選抜試験である大学入試の存在意義が危うくなる。

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