予備校講師でわるかったな!





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岡崎玲子ならば? 1月30日
前記:「センター速報」アップ中


  早起きして、昨日もらった愛しのメロンパンをあたためる。

  HPリニューアルのためまたまたPCに向かう。
  「100箇所以上のリンク張りなおし」という地味な作業でウンザリする。 なんか大変なことになってるナ、おれ。
  そうは言っても作業というのは片付ければいいだけのこと。大変だと思うの ではなくて、「とにかく続ければいつかは終わる」と念じてやれば晴れた日の 雪かきに似ているのだ。


  スキをついて『9・11ジェネレーション』読了。
  題名でわかるように、あのテロとそれを取り巻くアメリカの環境について1 8歳の女子高生である岡崎玲子が語る。彼女は先日紹介した『チョムスキー、 民意と人権を語る』でもインタビュアーを務めている。すごいなおい。
  この本に関しては、その内容というよりも岡崎さんという才媛(さいえん= 学問のできる女性)に関して語りたいことがある。それは国際情勢について論 を展開する彼女の思考力である。しかし日記では長くなりすぎてキリがないの で後日にエッセイで。またかよおい。


  城南予備校は僕にとっての年度最終日。
  いくつかの質問や相談が相次ぐ。

1、S女子大を受けてきた♀

「なんかちょー緊張しちゃって、わーとかなっちゃって・・・」
「・・・(それで?)」
「いつも自習室であかぼんやってるときとか平気なのに・・・」
「・・・(あかほん、だろ)」
「どうやったら、アガらないですかね?!」
「あのさ、お前さ、誰だって緊張はするだろ」
「でもー」
「そりゃ、個人差はあるとは思うがねぇ」

・人という字を手のひらに書いてなめる(人を飲む)
・周りはジャガイモやニンジンばかりだと自分に暗示をかける

などの対応策が考えるが・・・。

「だからさぁ、↑みたいなこと、高校生なんて大人に言ったってしょうがない だろ!」
「だってぇ・・・」
「お前はお受験を控えた5歳児かッ!」
「ひどーい」

  帰宅したら公式アドレスにメールが来ていた。

>帰り道に本当にバカな質問をしたなと恥ずかしく後悔しました。

  わかったならよろしい(^^)


2、初めて僕の授業を受けた♀

  背景を説明すると、「IMファイナル」という1回完成講座である。
  IMというレベルにいても僕のクラスにはいなかった生徒も(時間割の都合 で)受けることがある。つまり受験人生の最後の授業が初めての講師で、それ が俺様こと信原・アマデウス・健志ということだ。

「もうどうすればいいかわからなくなって・・・」

  半べそである。うーむ。
  事情を聞いてみると「(信原を)初めて受けてみたら、理論構築があまりに もキッチリしていて、今まで受けてきた授業というか自分の勉強が何だったの か不安でたまらなくなった」ということである。そのパターンか・・・。


  以前にも書いたように、常識的にも僕個人の考え方としても、現役生が自分 の習う講師を変更するのはどんなに遅くても夏が最後である。
  まともな講師であれば通年を意識して授業を進めるし(どの時期までに何を 終わらせ、どこまで理解させ、どこまで勉強させるか)、秋になれば「今まで の流れ」をいかに利用して合格に近づけるかを考える。

  そういう意味で、秋や冬に初めて受講してもらうのは「嬉しくもあるが悲し い」ことでもある。
  もちろんホスト同然のケガレの職業・予備校講師であるから「去るものは追 わず・来るものは拒まず」ではある。しかし、冬になって自分の持ち生徒が他 の講師で受けていたり、他の講師の持ち生徒が僕の講座を受けていたりすると 「じゃあ、今まで俺が(あるいは他の講師が)積み上げてきたものは何だった の?」と悲しくなる。

  大手予備校に顕著(けんちょ=よくあること)だと思われるが、「あっちの 講師、こっちの講師」と浮気ばかりしてロクな結果を出せない生徒様はいまだ にいる。
  生徒様本人に一貫性がないのか、講師に一貫性がないのかは検証できないの でどちらを責めるつもりもないが、講師をコロコロ変える生徒がひどい結末を 迎えるのは全ての予備校講師が(口にはしなくても)信じていることであろう 。
  たしかに、時間割の都合で初めての講師に習わざるをえないという状況があ りがちだとわかってはいるのだけど。

  こんな書き方は不遜かもしれないし、またこれもあるいは書いたことがある かもしれないが、予備校で教えるということは自動車教習所でハンコをもらう こととは明らかに一線を画すはずだ。
  点がたくさん集まって線と「みなす」のが自動車免許であるとするなら、点 がたくさん集まって線と「なす」のが予備校講師のするべきことである。この 視点の善悪は別として、この視点なくして予備校講師の存在事由を語ることは できないはずだ。それは逆に言えば、その存在事由を支えてくれるのが、良い 意味での信者=生徒様であるということだ。


  受験まで1週間程度となった今となっては、もうアドバイスはできない。
  半べその彼女にアドバイスをしたのは「まずは今日の80分で扱ったことを 自分のものにするようにきっちり復習するだけだ」という、当然で平凡な事実 だけだった。申し訳ないけど、80分で何とかできるならば、1年間も継続し て授業を展開するはずがないのだ。

  あるいはこの日記を読んだ人の中に、「これは自分に当てはまるかもしれな い」と危惧を覚えた人がいるかもしれない。それでも今は自分なりに努力をす る以外に現状を打破する方法はない。
  世の中には、世界の仕組みをきちんと 考えることが求められる場面がいくつかある。人は大人になるまでに(あるい は大人になってからも)それを自覚しなければならない。ここだけはハッキリ させておきたい。

  岡崎玲子ならば、どういう「説得」の論を展開するだろうか。


追記:エッセイ179「予備校講師の実情その21」をアップしました。エッ セイ中最長のシリーズ、ついに涙の完結です!
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