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積極的にリスクを負うこと |
3月11日 |
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土曜日は唯一の4コマなので慌しい。
10時前に起きてウリャウリャと洗濯物を干す。昨日よりとても暖かい。こん
な日は仕事などせずに将棋の棋王戦(羽生VS森内)のネット中継を楽しみた
いッ! さらに心ゆくまで布団干しを楽しみたいッ! などとは言っていられ
ず(わりに当然だ)行きつけの中華料理店で遅めのランチ。
隣のテーブルはうざい系のギャル2人組。
「えーあたしたち22歳だしぃ」
「ちょう寒い」
「きょう早く帰れるかなあ」
「なんかぁ、っていうかあ」
お前らはその歳でちゃんと会話もできないのか。
しかも食後に2人でエンエンと煙草を吸っていて、灰皿を覗くと8本ほどの
吸殻。夜の飲み屋じゃねーんだぞ。「ランチ食後の喫煙は2本以内で退店」の
社会規範があることも知らないようだ。「そんな不文律があったか?」などの
批判は無視。
校舎へ。
とりあえず今日のクラスで「初日」は終わる。この「初回の仕込み」が合否
のカギを握るのはマチガイないし、授業の効果そのものをも決める価値がある
。例によって理由付けの徹底をはかる。クラスレベルに関係なく、生徒様をバ
リバリ指名する。市進で働き始めてから、やったことがあるだろうか。思い出
せない。
He lived ( ) Chiba.
僕「カッコに何が入る?」
生「 in 」
僕「なんで?」
生「 live が自動詞だから」
He arrived ( ) Chiba.
僕「これなら?」
生「 at 」
僕「なんで?」
生「 arrive が自動詞だから」
僕「え。自動詞が根拠なのに、解答が違うの?」
生「あれ?」
僕「オレの言っている意味わかる?」
生「・・・」
僕「わかるか、わからないか。わからないならわからないと言って、説明する
から」
生「わかりません」
僕「自動詞だから、っていう同じ理由なのに答えが違うじゃない。じゃあ、パターンは2
つだね。まず、答が間違っている。つぎに、理由が間違っている。どっちだ?
」
生「ええと」
僕「答えは両方ともあってるよ。だから、違う理由があるんじゃないの」
生「あ、 live だから in です」
僕「ほう。じゃあ下は?」
生「・・・ arrive だから at です」
注:この問答では、 at と in の本質的な違いを説明しているわけではない。live
at も arrive in もないとは言えないが、それ以前の段階の話(自動詞の考え方
の1つ)をしている。
まず、勉強の初歩段階ではこのアイマイさを直す。
多くの問題で、理由になっていないことを「理由」にして、解答が正解に「
なってしまう」ことをふせぐわけだ。論理的ということばを使うにはあまりに
レベルが低いが、こういう問答を常に確認するのが大切なのだ。この手の問答
が自分の中でできないから、先のような「会話のキャッチボールすらできない
うざい系ギャル」が増えるのである。
ちなみに、予備校講師が生徒様を指名することは、人気の確保ということか
ら考えると絶対に近い禁じ手である。
指名されることに喜びや楽しみを見つける生徒様はゼロではないが少数であ
る。つまり大多数は指名されることを嫌う。ゆえに大多数に嫌われれば人気を
落とす。だから予備校講師は指名をするべきではない。
しかし、タブーだからこそやってみる。
この数年の僕は人気が下がり時給も上がらない人生の局面が続いているから
、新しいことを試してみる。同じことを繰り返していれば、少しずつ力が落ち
て行き詰るからだ。というのはまぁ強がりで(弱ッ!)、1年間続けるわけじ
ゃないので生徒様は安心するように(^_^.)(さらに弱ッ!)
チラホラと合否報告をいただく。
いい結果ばかりであるはずもない。まだサンプル数が少ないが、受験勉強の
スタート時点が早い生徒様は好結果、というところだ。もちろん当然といえば
そうなんだけど。これに関しては他の要素もたくさんあるはずなので、引き続
き報告をお待ちしております。
帰宅して、将棋の棋王戦の結果を観る。
羽生棋王が負けて失冠。これで3冠に後退。タイトル戦が続くここに来て調
子がハッキリと下降している。2年前に続いて、タイトルを失い続ける可能性
も出てきた。残念だ。
それでも。
>自分自身を守りたいとか、大事にしたいという気持ちも大切ですが、プロに
なってからはできるだけ、そういう思いを頭の中から取り払うようにしていま
した。
そうすることによって、悪い結果が出る時期もあるかもしれないし、「この一
局に関しては負けてしまうかもしれない」と思うこともありました。しかし、
プロとはいえ、やはりまだ学ぶ時期にはかわりないので、挑戦する姿勢、心構
えを維持していこうと・・・。
(『挑戦する勇気』羽生善治)
そんなにカンタンなことじゃない。
こうやって指名しまくったことがウワサになり、「あの先生は怖い」という
悪い評判を呼びかねない。僕だって、それは怖い。
プロとはいえ、まだ学ぶ時期。それを羽生は今でも感じているだろうし、卑
小な予備校講師の僕も見習っていきたい。道は遠いんだけど、すごくつらいん
だけど。
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