予備校講師でわるかったな!





各ページのご案内はコチラ 

proflile 自己紹介

diary 日記

essay エッセイ

bbs 掲示板
  

Copyright (c) 2004 
takeshi nobuhara All Rights Reserved. 

全ては逆算 4月24日
  湘南新宿ラインに遅延・運休が出ているとか。
  総武線→横須賀線快速を利用しているので、念のため少しだけ早く家を出る。快速停車駅にたどり着いたら、案の定おくれている。定時の電車が遅れているために「後発の電車が先に出る」というパラドックスの出現だ。

  電車が遅れているときは、とにかく先に来た電車に乗るのが鉄則。
  そして代替路線があるなら素早く切り替える。今日の僕の場合は、とりあえず東京行き(ふだんは横須賀線直通電車を使う)に乗る。降りてみたら、さきほどの先発の電車が乗り換えになるということ。たぶん、6分から8分待つことになるだろう。どうするか。

  ダイヤの混乱時、東京駅の「横須賀・総武線快速地下ホーム」は混乱しやすい。
  なぜなら、成田エクスプレスや特急「しおさい」など、かなり多くの種類の電車が利用するからだ。さらに、東京折り返し快速や直通快速など電車の「交通量」が多いため、「ホームが空かない」という状況が発生しやすい。つまり、駅まで100メートルのところに電車が来ているのに、ホームに入れないという事態が生まれる危険性が高いのだ。


  今日の場合は、見込みだけで最低6分から8分。
  上述のようなことになれば、さらに到着が遅れて、ついでに出発が遅れることもある。東海道線各駅停車は10分おきに発車しているはず。地下ホームからの乗換えが最低でも6分かかるが、この状況ならむしろ早いかもしれない。なぜかって?

東京→横浜
  横須賀線  30分
  東海道線  25分

ということだ。
  乗り換えリスクはあるが、直通でなければ、そして今のようにダイヤが乱れているなら、地上まで出て東海道線を使うほうがかえって速いこともある。よし、駅弁買って東海道線へダッシュ!


  グリーン車スイカシステムは東海道線にもある。
  この場合は乗り換えなので、東京駅で降りるときにタッチ、乗るときにもタッチでOKのはずだ。そして現実にそうだった。駅弁が高かった(しかもあんまり旨くなかった)けど、東京→品川間で地上を走れるのはまた楽しからずや。テツで良かった。


  いつもと同じ時間に横浜駅に到着。
  横浜校に向かう道路では、ツツジが咲き出している。我が家のフリージアと同じで、花が咲くときだけはいい香りがする

  質問が長蛇の列。
  さばくのに授業後50分というのはちょっとひどい。説明のリズムがあっていないのかもしれない。もう一度検討しよう。

  さて多かった質問を再掲する。


1、I (         ) back and got on the train.
    A/hurried     B/had hurried

  正解はA/hurried だ。
  これは、なまじっかな知識のあるやつが「へへーん大過去!」と言ってBを選びやがるだろうという設問。戻ってはいないけど、さっきの僕の状況を考えてみてほしい。ホームに「行った」ことと、電車に「乗った」ことに時差をつけて説明する必要はない。
  みなさんの生活なら、「マックに行って、ビックマック食べた」という例文になる。もちろん、went と ate で足りるに決まっている。


2、The flowers are smelling sweetly, and the girls are smelling them.(誤りを直す)

  正解は sweetly を sweet にする。
  解答自体は納得してもらえたようだが、質問が多いのは「最初の are smelling を smell にするんじゃないのか(状態動詞だから)」というもの。

  この問題はそこがヒッカケだ。
  「状態動詞は進行形にしない」。これは極めて例外の多い規則だという理解のない受験生を間違えさせるための設問なのだ。さらに笑えたのが、ある生徒様が受けた春期講習でのノート。

>香るという意味では進行形にしないが、においを嗅ぐという意味では進行形にできる

  あまりヒト様の批判はしたくないが、ド素人の説明にもほどがある。
  誤解のないように言うと、そういう間違った教え方を身につけた生徒様がこういう問題で正解できないのだ。よっぽど「これ、誰の授業?」と質問したかったが、個人攻撃は趣味じゃない。ノートをまとめるための授業ばっかり意識している講師がこういうヘボをやる。被害を受けるのは生徒様なのに。


  「状態動詞はフツーは進行形にしない」というのが正しい事実である。
  さて問題に戻ると、英文の後半で「女の子たちはそのニオイを嗅いでいる」のは何故だろうか?

  それは、その花が今まさに(今だけ)香っているからである。
  「一時的=進行形」の原則に綺麗にあてはまるパターンである。その証拠をあげよう。一般論として、「バラは香りがいい」と言ってみよう。

Roses smell sweet.

  これは不変(だと話し手が考えている)ことだから現在形
  では、ツツジやフリージアが咲いていて、そのとき香りを出しているのは時制は何か?

  もちろん、進行形。花が今だけ香っているから、彼女たちはニオイを嗅いでいるのよ。無駄に長文の日記を書いているんじゃないのよ、ウフッ。


追記:入試の正誤問題は「間違いが1箇所」が原則。2の設問も「2箇所誤り」でいいなら、最初の動詞を smell にすることもあるだろう(辞書では通例進行形不可とされている)。僕は入試の現場から逆算した説明以外はしない方針であることをお断りしておきます。
diary 日記  
これまでの日記はコチラ