予備校講師でわるかったな！

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それでも、耐えたよ。

7月28日

  ５時に起きて掲示板の返事。
  ５時半に再びベッドへ。明け方は扇風機をつけると寒いくらいの暑さ。日本語がヘンあるよ。

  ８時半に本格的起床（日本語、以下同文）。
  昨日と全く同じパターン。言い換えれば、睡眠にリズムができてきたわけで、これは歓迎だ。

  朝食用のパンがない。
  代わりに昨日の残りのご飯をあたためて食べる。キムチ、ラッキョウ、海苔など。いやに旨く感じて２膳くらい食べる。コーヒーを淹れて、のんびりとプリントの準備など。平和だなあ。

  ところが出勤時間前になっても腹が空かない。
  「ところが」ではなく「とうぜん」かもしれない。朝食にご飯を食べる習慣のない僕には、ご飯の腹持ちの良さは迷惑な部分もある。慣れないことはするものではない。もし、慣れていることで不都合がなければ、の条件はつくけど。

  サンドイッチなど買って校舎へ。
  ここでとつぜん、昨日の話題からで恐縮。授業内で以下の問題を演習してもらった。とある皇族御用達の大学の長文空所補充問題の一部から抜粋。

～ immigrants ～ make (     ) way ～
its / many / one's / their

  生徒様の半数は one's を選んだ。
  immigrants は「移民」、make one's way は「苦労して生活する」くらいの意味なのだが、もちろん正解は one's だ。というのはウソで、本当の正解は their である。

  ここで生じている問題は２つある。

１、make one's wayをそのまま使えると思っている生徒様がおわしになる（古語＝オワシニナル＝いらっしゃる）
２、出題者は確信犯であった

  １の解決策（ solution ）は簡単である。
  つまり、熟語集などにある one's というのは「適切に所有格に置き換えよ」という意味なのであるが、ここが生徒様に通じていないということを知らせればいい。所有格の抽象化として one's を使うことを知ればいい。

  ２がかなりの問題である。
  上に記したような誤解が今の生徒様にはあるのだ、と皇族御用達大学は見切っているということである。僕も一応は10年ほど大学の入試問題を研究しているが、この手の「お前ら、文字の意味ってわかる？」という設問はこのレベルの大学にはなかった（ハッキリ言うと、名前も聞いた事のない大学が出す問題だった）。

  こうなってくると、こちら（予備校講師）もどうやって教えることが最善なのか、基本的な部分から再構築する必要が出てくる。
  予備校では英語を教えない。英語で点数を取ることを教えるだけだ。そんなことは自明である。本質？　下らないね。
  しかし我々は、あるいは僕は、ここで「つまり何を教えればいいのか」という本質的な課題に行き当たることになる。だって、こんなことが学習をする院の入試問題になるのだから。悩みの吐露はここまで。

  夏向けの体力維持講座その４（最終回）。
  運動、または汗を出すことです。僕は周知のように汗かきなので授業で発散できます。一昨日紹介した「入浴」も同じことを狙いとしています。
  ５日に１回の休日はプールで汗をかいています。受験生の皆さんは、朝の早足散歩あたりが良いと思います。ただし、起床直後は体が乾いていますので、充分に水分補給をしてから歩いてくださいね。早足なら15分も歩けば汗ダクになります。シャワーを浴びてから朝食、いいですよぉ。

  Ｃクラス。
  いつまでもケータイを机の下でいじくっている講習生殿がいらっしゃる。生徒様を教室で注意しないことにしたから、ジリジリしながらガマンする。なんでこんなことで我慢しなければいけないんだろう。そうだ、商売だからだ、バカですら金を払っているからお客様扱いするべきなんだ、と耐える。

  今の期間のＣクラスは、同じ時間帯で講習生用の下位レベルクラスがある。
  もちろん僕以外の講師が担当している（信原は１人しかいない）。昨日の初日が終わった時点で下位クラスへ変更しなかった講習生殿がいることになる。

  さすがに僕でも、そういう講習生には配慮する。
  同じ時間帯に初心者クラスがあるのに、あえて（比較的）上位クラスに参加するのだから「何とかついていくぞ」という意思表明なんだろうと。
  だから、授業内で１学期の事項の振り返りを多くする。クラス内で最上位レベルにある正会員を退屈させない程度に、講習生の顔色と反応を見ながら進める（市進は座席指定で、僕の手元にある座席表で誰が講習生かわかるようになっている）。

  その講習生殿さまたちの中で、最も頭の悪そうな講習生殿を最大に意識する。
  お前さんに理解させるためにやっているんだよ。

そのボケナスが、授業中にこそこそメールをしているのだ。

  これでも注意してはいけないのか。
  こんな下流以下の人間を相手にしても、商売だから注意してはいけないのか。今の市進は、この程度のボンクラから無駄な授業料を巻き上げるしかないほどに経営が苦しいから、我慢するしかないのか。こんな蛆虫以下の生物と、同じ空気を吸えというのか。ミトコンドリアよりタチが悪い。代わりに人形でも置いといてくれないか。

  どうせ、大学の４割は定員割れを起こしているのだ、自分の名前が漢字で書ければ入れる大学はたくさんあるのだ、冗談じゃなくて。

  授業最後の演習時間中に、その生徒様を廊下に呼び出して（ケータイを隠したバッグを持ち出して）注意申し上げた。
  あなたがどういう入試の結果を迎えようが興味はないけど、周りのマジメにやている生徒たちがどう考えているか、少しは考えてくれと。頭が悪いのは勝手だけど、迷惑をかけないでくれと。怒鳴りはしなかった。

  帰宅途中にスーパーに寄った。ビールや水などの必需品を買うためだ。
  エスカレーターにある鏡で自分の右側頭部を見た。そこにはじめて、白髪を見た。今までは左側頭部にしか白髪はなかったのだ。それでも我慢するしかないのだ。独りビールを飲む。

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