予備校講師でわるかったな!





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リズム刻もう 8月27日
  なんや、今日は日曜やないか。
  なんでわいは日曜まで仕事なんや。キリストはんもゆうてるやないか、日曜日は寝て曜日やって。え。そんなんゆうとらんて? おやじギャグとチカンはアカンって? まあええわ。


  慣れない関西弁は疲れるので元に戻す。
  不愉快になるために朝食は本八幡のドトールコーヒー。不愉快を楽しむのにこれほどの場所はない。予想を裏切らず、今日も不快な接客を楽しむことができた。

  何とかというセットメニューが「Sサイズ」という記述になっていた。
  おそらく飲み物がSサイズという値段設定なのであろう。日曜なのでゆっくりできるかとMサイズにしたい。そこで

「このセットはMサイズにできますか?」

と店員♀に訊いてみたら、完全に無視された。目を合わせることすらしない。
  ふふふ、予想をはずさない不愉快さ。


  サンドイッチをカウンターで待つ。

「何とかサンド、お待ちのお客さまぁぁ」

と別の店員♂が叫ぶ。
  僕はその目の前にいたのだが、やはりこいつも全く目を合わさず。この店舗はコミュニケーション障害ヒキコモリニートを積極的に採用する特殊学級のようなものなのであろう。
  ここまで期待を裏切らないサービス業も珍しい。怒りよりも笑いがこみあげてくる。


  校舎に着けばスタッフが余談をふってくる。
  夏休みはあったのかと訊かれたので

「青森激走っす。津軽半島と下北半島を制覇したっす。十和田湖ではムダに広い部屋を独りで使ったっす。どこに行っても魚介類が旨かったっす。でも東北新幹線の盛岡以北はイマイチだったっす。テツとしては納得いかないっす。でも津軽海峡冬景色を現地で絶叫できたから満足っす」

と答える(一部脚色)。
  すると彼も今月初旬に激走したという。恐山と下風呂温泉を堪能したという。偶然ですなあ。

「(講師の)先生は、そういう夏休みが必要ですよねえ」

と仰る。
  僕はやんわりと否定する。全ての労働者が夏に限らず休みをじっくり取るべきだと。そもそも、リーマンももっと休むべきである。ロクに休みを取らないからダラダラと仕事をすることになり、だからなおさらロクに休みを取れないのである。まさに悪循環。


  授業後に講習生♂の質問。

「単語って、復習では辞書つかっていいんですよね?」

  もちろんである。
  予習で使えば時間の無駄になるが、復習で使えば実力になる。

「あの、テキストの単語ってどこまで覚えるんすか」

  答えは易しい。

・覚えるべきものは指摘する
・知っていて当たり前の単語は言及しない
・覚えなくていいものも指摘する


  訊いてみると今日の授業では pollution (汚染)を知らなかったという。
  うーん。本人も「そりゃあマズイかな?」という顔色。

「そうかぁ。まあそのレベルの単語だと、春ならともかく、この時期だと何も言わない、つまり知っていて当たり前とみなすなあ」


  単語に意味を説明する授業はしない。
  もちろん多義語や盲点となる意味は指摘するが、単純に「この単語の意味はぁ〜」という授業はしない。それはプロの仕事ではない。

  僕は高校時代にこの手の「単語の意味ばかり説明する教師」に出会いすぎて英語がイヤになったというトラウマを持つ。
  単語の知識は絶対に必要なものだが、それを闇雲に教わることは英語力を伸ばすことにならない。暗記という作業を自分でやらなくなるもとだし、考えるという作業を手抜きして、単語が全てだとするレベルの低い勉強で終わってしまう致命傷を与えることになるからだ。少なくとも、高いお金をもらって生活する予備校講師という下僕がやるべきことではない。これは僕の矜持(きょうじ=プライドのこと)の1つでもある。


  昼食は独りパスタ。
  日曜日ということもあり、周りの客はカップルばかり。ふん、初期中年はイタ飯を食うなということか。キノコのクリームソース。まあまあ。胃が締め付けられるような孤独を覚える。


  帰宅してシャワーを浴びて読書。
  『ついていったら、こうなった』読了。
  青森県の八戸駅構内の書店で見つけたオモシロ本である。詳しくは後日のエッ セイに譲るとして概略。

  書名から内容が推測しにくいかもしれないが、副題は「キャッチセールス潜入 ルポ」である。
  あの、街頭でやっているやつね。手相を見せろとか、募金してくれとか、アン ケートに答えてくれとか。その1つ1つに著者は付き合ってあげて、実情がどう いうものかを覗いてくるわけである。

  20件の事例についての具体的な報告。
  事例ごとに「強引さ」「金額」「出没場所」などの一覧表があるために読みや すい。「だから、何?」という批判もあるだろうが、ついていかない人が知るこ とのない世界がここにある。問題点は彩図社という無名の出版社が出しているこ とで、店頭で見つけるのが難しいことかもしれない。


  旅行のあとなので文章が書きたくてしょうがない。
  コーヒーを淹れて2時間近くかけてエッセイ書き。取り込んだものを外に出して消化していかないと、新しい取り込みができない。しかし、書きたいことが多すぎるというのはかえって障害になる。書いては削り、削っては書く。この日記も倍近く書いて削っている(ここまで15分で書いた)。


  倉木麻衣の新譜『DIAMOND WAVE』をじっくり聴く。
  旅行前日に買って、旅行中に20回くらい聴いた。何しろ車内にいる時間が長いからねえ(^_^;)
  前作の『FUSE OF LOVE』が長野激走とリンクするなら、このアルバムは青森激走とリンクする。あくまで個人的に、ではあるけれど。

  この感想もエッセイにしてみたいが、難しいかもしれない。
  要約すれば、決して売れる曲は歌えないし、新境地を見つけることもなさそうだけど、ある一定のレベルで唄い続けることはできそうだな、というところ。
  掲示板に投稿を頂いたように、売れる売れないは別として、きっちりと定期的に新曲を発表してもらいたいと僕も思う。


  夕食。
  肉豆腐(我ながらしつこいなあ)、ナスの酢の物、ダシ巻き卵、青森みやげのウニの瓶詰めなど。
  ウニの瓶詰めってヘンな食い物だなあと子どもの頃は思っていたけど、確実に酒肴として秀逸なものだ。意外に値段が高いもので、100グラムで安物は1500円から、高いと4000円近いものまである。ただし、ちょっと塩辛いのでキュウリなどと合わせて食べるべきなんだろう。

  和食ばかりなので珍しく日本酒など少々。
  家事を済ませてワインに切り替える。忙しくはないけれど暇ともいえないハンパな日々も残りは3日。
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