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夏が終われば焦燥の秋 |
8月30日 |
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設問: but の品詞は何か?
The situation for all but the richest tenth of the global population
will be far worse than it has ever been.
僕の夏講98コマの最終回。
もちろん実際には「 but の品詞は何か?」なんていう設問ではなく、「同じ用
法の but が使われている英文を選べ」という設問だった。
日記を少し離れて解説しておく。
こういうしょうもない問題が入試でなぜ出題されるのか?
・和訳させると採点が大変
・和訳させると全員が0点になる
これが実情であろう。
ちなみにT大学の長文問題の1部である。もちろん本郷にあるそれではなく、
白山(だっけ?)にあるT洋大学のほうである。
日記に戻ると、失礼ながらLクラスの生徒様が「 but には前置詞がある」なん
て知りっこナイ。
悪く言っているのではなく、時期的にそれが自然である。まあ「 but ってしか
し、だろ?!」なんていうレベルが半分くらいかね、という授業説明レベル設定
である(注:しかしと訳す場合があるだけで、内容的に逆説の共通関係を作る接
続詞ということ)。
つまり問題は「butには前置詞がある」という知識の有無ではない。
その知識があったとして、この but をどうやって前置詞と判断するか、という
ことが問題点。またまた失礼なことを言っておくと、tenth なんていう単語を知
っているはずがないという前提で説明するわけだ。
・ for all が譲歩の前置詞ではない理由
・冠詞→形容詞→名詞の原則
・名詞=S、O、C、前置詞のOになる
この3つの既習ルールを使って、この but を前置詞と判断しようという大切な
お話。そこでまた、集中力の切れた生徒様発見。
「・・・で tenth が名詞とわかったから、この but の品詞は?」
ここで本人を名指しして指名。
当然答えられない。そりゃそうだ、考えてないんだもの。ハク×だ学習×害だ
頭おかしい蝶々が頭の中飛んでヨダレ流してろヤギの色は青緑〜だ、ありとあらゆる罵詈雑言を入
れてから説教。
「誰も名前を知らない、定員割れの大学にいって、それでお前らの人生はいいの
か?」
これはナカナカの名説教であったのだが(自画自賛かよっ)、詳しくはまたそ
のうち。
ところで稚内の16歳による依頼殺人について。
「俺の母親を殺してくれ」と頼んだ坊や。依頼された友人は「30万ならいいよ
」と答えたらしい。自分で殺せない坊やも坊やだが(肯定しているんじゃないよ
w)、たかが30万で殺人を請け負う友人もどうなのか。
まさに広い世界を知らないからこその承諾。
30万なんていうのは26歳になればちょっとした金、36歳になればハシタ金であ
る。とりあえず依頼殺人を引き受ける金額には程遠い。80歳くらいになればかえ
って大金かもしれないが、16歳の想像力の欠如はいかなるものか。
この手の16歳が2年後に予備校に通って、大学なんて入れればそれでいいやな
んていうガキの思考をするのであろうなあ。
いや、違うか。市進のLクラスから成蹊だ日大だなんてのが楽勝だとでも思っ
ているのか。過剰な想像力は人生を困難なものにするが、足りない想像力が人生
をダメにすることも知らないのであろう。
5日間をまとめておくと、全ての授業に出席し続けた人は、初歩の初歩の段階
を抜けられたのではないだろうか。
授業の最後に「内容一致の一致箇所」を指名して答えてもらったが、とりあえ
ず「ここに書いてあるよな」という把握をきちんとやっている人がほとんどだっ
た。もちろん英文そのものが読めていなかったから正解率は良くなかっただろう
が、「何となく」でやっている勉強を脱却したから一致箇所を答えられたのだし
、それは大きな前進だと評価したい。
また一方で、前述の生徒様のような例ももちろんいらっしゃった。
まあこのページを読んでいるわけもないから冷たく切り捨てておくと、確実に
名前もない大学に行くことになるだろう。あ、名前くらいはあるか(^_^;)
ちなみに、この講座の受講生の志望大学を順不同に列挙してみよう。
・東京理科(工)
・成蹊(経済)
・千葉工業(工)
・立教(経営)
・日本(生産工)
などなど。なるほど。僕の授業レベル設定にハズシはなかった(逆算してたわけ
だけど・・・)。
どこも有名な大学であり、それなりに難しい。どこからどう見ても「誰も名前
を知らない、定員割れの大学」では決してない。
たとえば千葉工業大学は偏差値こそ高くないが、入りにくいことで有名。ロボ
ットの研究や高校との提携授業など、意欲的な大学の1つである(津田沼駅徒歩
1分というのも人気の秘密だろう)。英語の問題はLクラスのレベルで80%以上
確実に取れるものなので、数学など他の教科もしっかりやるように。「英語は抑
え科目・切り札科目が数学」となればベスト。がんばってください。
昼食は天ぷら屋。
「何とか膳」という天ぷらと茶そばのセット。やはり旨くはない。行きつけの
昼食用の店を持っておくのがいかに大切かよくわかった5日間であった。新しい
ことを試すばかりはガキのやることで、慣れたことだけ試すのはジーサンのやる
こと。そういう意味で、「程よくチャレンジしながらも保守的」というペースを
作らなければと思った36歳の夏の終わり。
帰宅して読書。
『地球の裏のマヨネーズ』椎名誠を読了。
あいかわらずの日記的なエッセイだが、さすがの筆力を感じる。本書が「赤マ
ントシリーズ」の文庫版15冊目とか。僕はたぶんその全てを文庫で持っているの
だが、蔵書が増えすぎてわけがわからない。来夏に引っ越したら整理をしたい。
江東区深川の祭りに関する記述から。
>そこで初めて祭りの掛け声の「ワッショイ」が「和一緒」からきている、とい
うことを知った。
ふーむ、そうなのか。
「わいっしょ」が「ワッショイ」に転じたのか。ちり紙コーカンの「毎度おさ
がわせします」みたいなもんかね。ヒマな人はどうぞ。
プール→夕飯。
今日のメインは「黒ソイ」の刺身。北海道産のそれが珍しく売られていたのだ
。タイに似た食感で旨い。ひょっとしたら人生で初めてかもしれない。
ビールはキリン『秋味』。
夏講が終わるまで我慢していたのだ。はー、うめえ。生きてた甲斐があった。
今年もここまで来たんだなあ。
長すぎる日記はこれまで。生徒様は夏休みの宿題の絵日記をがんばって完成さ
せるように(@^^)/~~~
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