予備校講師でわるかったな!





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ヒマ人はいろいろ考える 10月15日
  9時起床。曖昧な晴れ方。
  買い物にいっていないから今日も食パンがない。しかし残飯がある。残飯と書 くとヘンだが、残り飯。同じか。

  レタスチャーハン。
  レタスの水気をよく切ること。イメージよりはシャッキリした歯切れのいい食 感になる。


  TVで将棋を観ながらHPの作業。
  「語る」シリーズの初級編。この1ヶ月にわたって執筆(大げさ)は停滞して いる。中級編は説明さえすればいいけれど、初級の場合は「関係ないようで実は リンクしている」文章が必要になる。それがどうしても自分の中から出てこない 。
  今年もかなりの量を書き継いできたから、残り3本アップしたら初級編に関し てはとりあえず年度打ち止めにするつもり。
  脳の使い方を違う方向に持っていかないと、書くのがイヤになってしまうから だ。そもそも効率が悪い。だから早いところで脱稿して、全体の整理統合の検討 を始めたい。

  正午過ぎにスーパーへ。
  昨晩からぐっと寒くなった。半ズボンで愛車にまたがるのもそろそろ終わりか 。帰宅して予習。


  城南予備校から封書が来たのは火曜日。
  担当する3クラスのうちの2クラスのテキストマニュアルである。なんと、第 6〜8講分。

  読者様は業界関係者ばかりでないので説明すると、2学期テキスト1冊は12講 立て。業界の慣例としては、初講1週間ちょっと前にテキストと全てのマニュア ルが郵送される。
  マニュアルはつまり解答と和訳。これは講師の予習負担を減らすという意味も あるし、予備校としての「公式解答」を示す意味もある。まあそのヘンはエッセ イ「予備校講師の実情・外伝」にでも書くとして(予定はないが)、問題は第6 〜8講分ということだ。

  この2学期の授業を始めるにあたって、城南予備校から郵送されてきたものを 列挙しよう。はい、そこの関係者は笑わない準備をしなさい(*^_^*)

・1〜3講分のテキストコピーとマニュアル(開講1週間前)
・テキスト本体と1〜3講分のマニュアル(開講4日前)
・4〜5講分のマニュアル(開講後)
・6〜8講分のマニュアル(5講実施6日前)

  1回で送れるものが、すでに4通目である。
  この他にも2学期実施の単語テストが数回(見てないのでよくわからんが、1 回ではなかった)郵送されてきた。そのうち9〜12講分のマニュアルが郵送され るのだろうから、全部で5回。森博嗣は以下のように書いている。

>もう少し合理的な方法で進められないものか、と理系の人間は考えてしまうが 、どんな場合にも努力を重ねることが重要であり、それが最も大事である、とい う信念を文系の人は持っているようだ。つまり、少ない労力で確実な成果を目指 そうとしているのではなく、労力を投じることに意義がある、という思想なのだ ろう。これは、スポーツみたいな感覚だ。結果が問題ではない、「全力を尽くし たのだから良いじゃないか」となる。

  僕はカチコチな文系人間だが、職業上は基本的に理系思考で物事を進めるよう にしている。
  受験生へのアドバイスに例をとれば、「同じ文法問題集を解くのは3回まで( 3回目で解けないのは思考できないからで、思考できないということは自分のレ ベルを超えているからだ)」とか公言している。一所懸命にやるのは大切だが、 全てではない。時と場合によっては、勉強のレベルやサイズを落とすのは必要な ことである。

  城南のテキスト郵送問題に戻れば、このペースでやるならテキストを新規作成 してはいけない。
  郵送料金がムダなのは言うまでもないが、それにかける人件費がムダになりす ぎる。たぶん50人以上の講師に同じ文書の束を送ることになり、それをチェック するための作業量が増えすぎる。紙や金がムダになるのは百歩譲ってやむをない としても(譲りたくもないし、その権利もないのだが)、その無意味な作業で失 われた労働者の時間は取り返せない。大学受験という、残り時間からの逆算が全 てである事業をメシの種にしているのだから、改める必要がある。

  「入試問題の現状に合わせてテキストを改訂するんだ!」という意気込みは大 いに結構だが、現実ラインに作業ラインをあわせなければ無意味。
  「神奈川に城南あり」で予備校業界に勢力を拡大させてきた90年代後半はそれ で良かっただろうが、首都圏全てに手を伸ばそうとする21世紀に入れば、そんな 体育会的マッチョリズムは通用しない。
  補給線が追いつかないほどのスピードで 満州を侵略した旧日本軍は負けたし、単騎千里を走りすぎて兵士を磨耗させた項 羽も劉邦に負けた。多くの政治家が愛読書として歴史書を挙げるのは当然のこと である。城南予備校も早くそれに気づいてほしい。理系的な冷静さを持つべきだ 。

  2時半に昼食。
  チャンポン。「キャベツを切って炒めるだけ!」と書いてあったので作ってみた。ちょうどイカゲソ(げそ=足のこと)とモヤシもあったので投入。味はまずまず。
  しかし、具入りをうたっているわりには、具はニンジンやキクラゲやタケノコ程度。魚介や肉は入っていない(あるいは入っていたのに気がつかない?)。なんとなくサギっぽいよな。しかしよく考えれば「具入り」だけでは何も保証していないことにはなる。


  予習に戻る。
  昨年度踏襲分は全て終了。直前の「うるし塗り」チェックと、各種プリントの 準備は残っているが、これは前倒ししすぎると良くない。残りは全て長文で、城 南予備校の8回分と市進予備校の5回分。順番に片付けよう。

  もちろん読書もする。
  『若者はなぜ3年で辞めるのか?』を読了。

  文句なしの良書。詳しくは後日のエッセイに譲る。
  タイトルからすると、最近流行の『下流社会』系つまり「最近の若造はなって なーんだゴルぁ!」系なのかなと思うけど、本書は年功序列の現状と問題点を語 る。日本企業における年功序列はほぼ崩壊し、少なくとも10年程度で完全に崩壊 することが見込まれるから、3年で辞めるのは当たり前だ、という指摘。

  そもそも年功序列は、その組織が半永久的に事業拡大していく(より多くの利 益を上げる)ことを前提にしており、80年代後半のバブル経済(好景気)までは 望ましいシステムだった。
  しかし、バブル経済崩壊後の不景気で企業は新規雇用を減らし、人材不足は非 正規雇用(契約社員やアルバイト)でまかなってきた。その味(低賃金で労働力 を確保できる)を覚えた企業は、景気が回復しつつある今になれば年功序列を捨 てたい。だが、今のところは年功序列をよりどころとして雇ってしまった40代・ 50代の正社員がたくさんいる。たとえばリストラに関して。

>年功序列は、「一度上にあがったら、あがったもん勝ち」の面が強く、ふつう は下の序列にさがることはない。(中略)だがそれゆえに、中高年はまるで出荷 前の果物のように選別され、一度いらないと判断されれば、容赦なく放り捨てら れることになる。

  今の20代30代は、以前のように年功序列のレールに乗っても高い賃金や地位を 得られるはずがない。
  そりゃあ、3年で辞めるに決まっている。ではどうすればいいのか・・・が本 書のテーマ。

  僕は一般の企業に勤めた(つまりサラリーマンであった)ことがないので詳し いことはわからない。
  だから想像するしかないのだけどれど、年功序列とは意外に優れたシステムな のかなと思う。本書にも書かれているように、自分の労働意欲を正確に把握して いる人は少ないと思われるからだ。つまり、

「これがやりたい、だからこの仕事を選ぶ」

という明確な意思を持ちうる人はあんまりいないということであり、言い換えれ ば

「別に面白い仕事じゃないけど、(年功序列の)レールに乗っていけば人生ひど いことにならないよな」

と考える人も多いだろうということだ。
  それは決して悪いことではない。労働とは生活の糧という代価を得るためのも のだ、と考える人がいるのは自然な感じすらある。世の中の全ての人が自分のや りたい仕事だけを追いかけると社会が回らない気がする。僕はそうではないとい うだけのことだ。

  労働観に関しては今までもこのHPのあちこちで書いてきたし、日記としては 長くなりすぎるので以下は省略する。
  就職活動を控えた大学生や転職に悩む社会人はぜひ立ち読みしてほしい。ただ し、「30代半ばでは転職には遅すぎる」なんていう残酷な記述もあるので覚悟し てくださいね(^^ゞ


  夕飯。
  メインは「メロの西京焼」。すこぶる旨い。1切れ300円というのはいかにも高いが、事情があって購入した。
  アジの刺身や湯豆腐は定番メニュー。後者は薬味にミツバを使う。香草好きにはたまらない魅力がある。
  ジャガイモとピーマンとハムの炒め物。どっかで聞いたことがある組み合わせだが、ベーコンを切らしていたのだ。

  イロイロと考え事をしていたら休日が終わった。
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