予備校講師でわるかったな!





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加齢とか結婚とか春開幕とか。 3月28日
  8時起床。
  いい天気。まだ時間が早いけど(湿度が高い)9時前から布団を干す。講習期 間なので午前中しか家事をする時間がない。朝食、部屋の掃除など雑用をこなし てから朝風呂。肩の強烈な痛みは治まらない。痛む患部をあたためるのは一時し のぎにしかならないんだけど、やむなし。


  昨晩の読書の話をチラリ。
  『阿川佐和子のお見合い放浪記』阿川佐和子を読了。
  この本の存在は前から知っていたけれど、「買うほどでもないか」と思ってい た。しかし先日、新古書店で発見したので買ってみた。読者を限定すれば良書と いうところか。

  結婚できない。
  色々な問題があって、36歳の今になるまで結婚したことがない。これはひょっ として自分に問題があるんじゃないかと考えてみた(今さらかよw)。問題点は 2つ。1つは自分に本当は結婚する気がないんじゃないかということ。もう1つ は出会いが単純にないだけ(またはあっても気がつかない)なんじゃないかとい うこと。後者の解決手段はお見合いか?

  本書の末尾にアベマリコさんとの対談がある。


アベ:(お見合いだと)大学を卒業して、(あなたのように)お勤めしないで、 二十代の、まだなにもわからないうちに人生のほとんどを決めるわけでしょう。
阿川:でも、わからないうちに決めたほうがいいんじゃないの? わかったら決 められないわよ。私はそこが中途半端だったんだけど。
アベ:何もわからないうちか、さもなくばよほど達観してからか?
阿川:若いうちに決めるのは、確かに難しいよね。それは今だから言えることで すけど。(後略)

  4つの章に分かれ、その中には阿川のお見合いの実情や感想が整理されている 。
  どうやって育ったか、お見合いに恋を求めていたこと、自分なりの結婚適齢期 (をどうして逃したか)、これからお見合いする人に向けて。それぞれに悔恨や 反省の思いが出てくる一方で、これでよかったんだという諦観や、あるいは未来 への希望も出てくる。

  1953年生まれの阿川が本書を書いたのは41歳ころ。
  三十回以上に及んだお見合い遍歴が終わってからのことだ。僕はまもなく37歳 。結婚したいという思いはあるし、その手段が何であろうと構わないという気持 ちもなくもない。そもそも、システムとしてのお見合いには子どものころから興 味を持っていた。

  またかたわらで、もう結婚なんかしなくてもいいやという気持ちもある。
  同時に、不確実な未来に期待したくない年頃でもあり、いやまだそこまで達観 していないという気持ちもある。だから本書を読んでどう思ったこう思ったとい うことは明言できないけれど、そのあたりのビミョーなことに悩む人には読む価 値があるんじゃないかな、と思ったわけだ。ま、30過ぎて独身という負け♀犬と 負け♂犬のかたは立ち読みで試してみてください。


  講習初日なので授業衣装はスーツ。
  かなり暖かくて悩んだが、念のため薄手のコートを持っていく。さくらの咲く時期の夜はけっこう寒いし、そういう「うすら寒い」感じが嫌いなので。

  本八幡駅近くの「2番亭」で昼食。
  定食は5つのおかずから選べる。僕が選んだのは和風チキンカレーと焼き鮭。相変わらず客あしらいは良くないが、味は相変わらず良い。味噌汁が加熱のし過ぎでドロドロになっていないのも良い。サラリーマンで混雑し始めたあたりのタイミングで店を出て市進予備校市川校へ。


  講習なのでふだんは会わない先生方とのアイサツ大会、例のごとし。
  まずはQクラス。少し丁寧に進める。と言っても、「時と条件の副詞節〜」の ような基礎レベルは説明略で。反応はそれなり。とりあえずノートは持ってきて いませんなんていう生徒様もいたけど、無視。最近は「注意される=注目しても らっている」ではなく、「注意される=攻撃される」と考えるらしい。年寄りの 僕からするとよくわからない話なんだが。

  植木等さんが逝去とのニュース。
  「世界一(日本一?)の無責任男」とか『シャボン玉ホリデー』とかで大人気だった俳優さんとのこと。いくら僕が年寄りだと言っても、このあたりは知識だけで実感はない。もう、今の高校生の親御さんでも知っているかどうかギリギリなんじゃないか。年寄りが若者を理解できないように、若者も年寄りの話題を理解できないものだ。夏川純の年齢詐称疑惑とか言われても、40歳を過ぎれば

「ってか、夏川純って、誰?」

だろう。


  休憩をはさんでLクラス。
  生徒様の様子を見ていると、僕がトークに入ると(と言っても1〜2分だが) 目が泳いでしまう生徒様が目に付く。僕の授業にも、TV同様に字幕をつけたほ うがいいかもしれない。字幕があれば、観てくれるだろう。『シャボン玉ホリデ ー』に字幕はあったのだろうか?


  下位クラスということで、頭がよくなるコツを話す。
  急に頭が良くなる方法はない。急に頭が悪くなる方法がないのと同じだ。つま り「下らない日常」をどうやって1つずつ改善していくかがカギになる。今日の コツ伝授は3つ。

1、授業中にヒジをつかない
2、筆箱に15本以上もペンを入れない
3、テキストの英文はノートに写さない

  たまにはヒジをついてもいいのである。
  ただ、文字を書くときにいつもヒジをついている生徒は成績が悪い。予備校は どこに行ってもクラスレベルが分けられているから、教壇から見ているとすぐわ かる。たとえば、クラスレベルを伏せられて、最上位クラスと最下位クラスの教 室の様子を見ただけで、which is which ? (どちらがどちらか?)は即答できる 。それほど、身体能力は偏差値能力と比例する(ごくマレに例外的な天才または 凡才もいるが)。

  筆記用具の種類が多いのは、それだけペンを選ぶのに時間がかかるということ 。
  その時間で聞き逃したり集中力がそれたりして実力アップのチャンスを失いや すくなる。さらに大切なのは、その余計な時間は1年間(10ヶ月)にわたって積 み重なっていくということ。まあ個人の好みではあるが、通常使用のペンはせい ぜい5本程度に絞ったほうがいいと思う。

  ノートに英文を写すのは時間の無駄。
  短文問題は1年に1,000〜2,000問以上解くのだから、そのトータル時間を考え れば明らかなこと。中学時代に教科書を写すように言われたのは、彼らが中学生 だったからだ(あれは英文とスペルを覚えるための指導法)。残り時間から逆算 する大学入試では、問題を写す時間を他科目に使わないと意味がないのだ。


  検見川浜校へ移動。
  制限時間は115分。この移動が非常に便利で快適なのだが、これは皮肉。どの ように不便で不快なのかはまた明日以降の日記で。何しろ8日間連続でこの移動 をしなければならないのだ。


  8連続JR風俗レポその1。
  ハイ、読み飛ばさないように(-_-;)

  車内吊り広告のネスカフェ。
  将棋棋士の羽生善治が登場している。「香り」を売りにする缶コーヒーらしい 。香り→将棋駒の香車ということらしい。全体に意味がわからない広告ではある 。棋士がCMに登場するのは珍しい(内藤九段の「おーいお茶」はあまりにも有 名だけど)。しかし、羽生もさすがにちょっと老けてきたな。


  検見川浜駅着。
  駅前のドトールでオヤツを食べようとしたら大混雑。やむをえずテイクアウト で教室へ。ここでも久しぶりにお目にかかる講師の先生が多い。もっとも古かっ たのは6年ぶりにあった某講師。「さすがに老けましたね」とドカんと一発カマ してみる。さすがに虚をつかれたのか、苦笑いして

「疲れているもので」

というお返事。
  6年ぶりにあった人にそんなこと言うかお前、と思われただろう。でも、「相変わらずお若いですね」なんていうと、それはかえって慇懃無礼(インギンブレイ=丁寧な物腰の度が過ぎて失礼なこと)になるだろう。

  予備校講師の昔の会話は、もっとキツイというかキワドイ内容が多かったと思う。
  昔と言ってもまだ10年足らずである。非常識で、「えーそんなこと普通は言わないだろ」という会話が標準だったような気がする。そういう異常性があるところに予備校の魅力があるのかなと思ったこともある。このあたりも時代が変わったのか、僕が変わって欲しくないのか、僕が年をとったのか、ちょっと考えてしまうところ。


  2年生の授業は無難に終わる。
  respectful / respectable / respective の意味の違いの話など。もちろん動詞 respect (〜を尊敬する)の派生語だよとして説明していくが、もちろんこの中に1つだけ例外がある。生徒様と質疑応答。

僕「で、どうして×××が『尊敬する』の派生語なんだと思うよね?」
生「思いますね、ぜんぜん違う意味ですね」
僕「それがだねえ、respect には名詞もあってだね・・・」

  こんな感じ。
  ハッキリ言ってハイレベルとしては基礎すぎて関係者爆笑なわけだが、これは高2の授業なので。「げっ」と思った受験生はたまには辞書で引いてください。


  移動つき3コマを終えて帰宅。
  たいした労働量ではないが、老齢化が進んでいるために疲れた。

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