予備校講師でわるかったな!





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雨のウェンズディ 4月11日
  If で始まる副詞節が非常に長く、「早く副詞節が終わって主節が始まらないか な」と思っていたら副詞節が終わった。
  そこは崖の上で行き止まり。飛び降りるかどうかの選択を迫られ、「今さら引 き返せるかッ!」と飛び降りたら目が覚めた。


  9時半。
  寝坊だよとあわててTVをつけて将棋の名人戦の2日目を観戦する。幸いなこ とに、9時に再開された時点(封じ手を開けたところ)から1手も進んでいない 。

  挑戦者の郷田は通算タイトル3期。
  名人戦は初挑戦。森内・羽生と同い年。少し遅れてきた大器というところ。正 統派の居飛車党。居飛車は飛車を動かさないで戦う方法。がっぷり4つの勝負に 期待。あれ、今日は扇子を持参していないのか・・・。

  10時の放送終了まで、森内の封じ手の1手しか進まなかった。
  1時間近く郷田が考えているシーンだけで番組が終わったのだ。ずいぶんと時間の流れが遅い話である。マニアしか観ないんじゃないか。


  10時半から予習こりこり。
  Lクラスのテキストは今年から全面改訂。いわゆる説明型テキストで、例文や 例題やその解説がえんえんと続いてから(B5で8ページくらい)演習問題が1 ページちょっと、というもの。

  テキストは分厚ければいいのか、という議論がある。
  あんまり薄いとあっけないとする向きもあるし、あんまり分厚いと面倒で読ん でいられないという意見もある。どちらの道を選んでも長所と短所があるわけで 、結論は出ないだろう。どちらか1つを選べなんていう究極の選択を迫られても 困るわけだ。

  面白かったのは時制で扱う「不変の真理」の説明。

>「不変の真理(理科的・社会的な法則)」

  うーむ。
  すごい説明だな。理科的というのは、水は地球上ならおおよそ100℃で沸騰す るとか太陽は東から昇るとか、そういうものだろう。社会的ってのは何だろう?

Honesty does not always pay.
(正直は報われるとは限らない)

  こういうやつかな。
  これはやはり社会ではなく「世の中」にカテゴライズするべきだろう。もちろ ん問題はテキストにあるのではなく、「不変の真理って言葉が今の高校生には通 じない」(と少なくともテキスト作成者は思っている)ことだろう。これに限ら ず予備校講師に限らず、「言葉が通じない」ことで教育が成立しないと悩んでい る人は多いだろう。テキストの予習は、5月までの分の半分くらいは終わったか な。


  お昼ごはん。
  ホウボウのアラで味噌汁。さらに親子丼を作る。では3行レシピ。

1、市販のすき焼きのタレに鶏肉を入れて煮る。
2、1にシイタケの千切り、玉ねぎ、長ネギの順番で加えて煮る。
3、適当なところで溶き卵を入れて好きなタイミングでできあがり。

  市販のすき焼きのタレは少し甘いので、今日の場合は塩と酒を少々足して味を 調えた。
  「少々」というのは主観で良い。料理が苦手な人はそれがわからないわけで、 だからこそ「一膳」シリーズでは執拗な(シツヨウナ=しつこいさま)ほどに分 量を明記している。逆に言えば、この3行レシピのシリーズは「まあ適当に」と いう位置づけなので、アバウトにファジーにクッキングしちゃってください。分 量は、数回ほど失敗すれば何となくわかるので。数回?


  午後はヒミツの花園1時間と読書とプール。
  水泳は本格的復帰から3日目だが筋肉痛はなかった。3日目に筋肉痛を心配す るのが中年という生き物である。問題なく800メートル。


  1週間ぶりくらいの市川校へ。
  ちょうど出勤時間を狙って雨が降り出す。Qクラスは遅刻者が多すぎることを のぞけば順調。部活が活発になる季節だから、ある程度はしょうがないだろう。 予習の状況もいいし(正解率のことではない)授業への集中力もあった。授業の 方針を少々改訂したこともあるので、この調子でうまく進めなければ。

  授業後は質問が数名。
  いいことだ。授業で全てを説明することはありえない。もし授業の説明で100%わかったと思ったなら、自分の勉強のどこかに甘さがある。いつも質問に来るべきだと言っているのではない。常に自問しながら勉強してくれと言っているのである。自問したことにヒントを与えるのが「教えること」である。たぶん。帰宅の道も小雨。けっこう寒い。


  熱燗は新潟の『天恵楽 特別純米』。
  なかなか旨い。冷やも良ければヌル燗もいい。やや辛口で、かつ微妙な苦味が ある。農薬などをできるだけ使わない農法(永田農法だっけ?)で作られた酒米 「五百万石」で作られているとか。

  味盲(みもう)という言葉がある。
  一般的には「味がわからない」人、俗には「味オンチ」のことを指す。しかし 辞書的には苦味がわからない人を指すそうだ。たしかに苦味というのはよほどの 苦さがないと感じないし、普通に食べている場合は知覚できない(気がつかない というのかな)ことが多い。まして「苦味が旨い」と感じるのは非常に難しいだ ろう。
  僕は喫煙者なので微妙な味の違いはわからないけど、この酒の苦味を旨く感じ た。しかも「体に悪いから避けよう」という忌避本能としてではなく、「苦くて 旨い」と思ったから味盲ではないのだろう。世の中講座終わり。


  新しいことを日記に盛り込むことは難しい。
  色々な読者様がいるだろうから、それぞれの世代が「あ、これ知ってる」と引 っかかってくれそうな情報を入れようとしている。機微に触れる、という奴だ。だから、上記の件名になる。もしこの日記をご覧になって

「ふっ・・・大瀧詠一・・・♪海が見たいわって言い出したのは君のほうさ・・ ・降る雨はすみれ色Tシャツも濡れたまま・・・俺たちの熱い80年代をもう1度 !」

と思った読者様がいれば、あなたは1960年代の生まれですよね? で、この雨っ て、アレの暗示ですよね?

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