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剽窃、盗作、ハム談義 |
4月21日 |
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美少女だった。
しかし性格に問題があるのか、他人の心を刺すような発言が多すぎた。よく言
えば天真爛漫(てんしんらんまん)とも言える。ただ、彼女の発言の厳しさに世
間は反感を覚え始め、彼女の性格を矯正するプロジェクトが立ち上がる・・・と
いうマンガを描いている夢だった。
「夢をみる夢」というのはよくあるけれど、「創作をする夢」というのは珍し
いねえ。昨日のCクラスで見事な自動車の絵を描いたためだろう。9時半起床。
本日のお題目は「鶏ハム」作り。
先日、とある同僚に以下のように言われた。
>「鶏ハム」って、作ったことあります? なんか、ネットで流行になったみた
いですよ。ないんですか? (信原)先生ならありそうだと思ったんだけど。私
は作ってないけど、こんど試してみて下さいよ? おいしいらしいですよ。
僕はネット世界に限らず流行に疎いのである。
「モーニング娘。」が個別のユニットを作って、その1つに「プッチモニ(?
)」というのがあると知ったのは、ほんの2年前である。
とまあこれはウソだが(4年くらい前かな?)、ネットなんかで流行を追いか
けるはずもない。流行に疎いではなく、流行が嫌いなのである。しかしねえ、ナ
ンだって俺が作らなきゃならんのだ?
レシピは発見できた。
というイキサツで仕込みを始めたのは一昨日のこと。今日は漬け込んだ鶏肉の
塩抜き(1時間w)をしてから茹で上げるのだ。タコ糸で縛って・・・以下詳細
略す。茹でる温度は70℃くらいで、約40分なんだって。時間は計れるが、70℃っ
てどうやって計るんだよ?
手に触れたときに、「あつっ」と言って手を引っ込めるくらいが50〜60℃くら
いだろう。
つまり70℃は手で触れてはいけない温度だろう。沸騰からは遠く離れるから、
なべ底に気泡が付きはじめるあたりか・・・。極弱火にして、ときどき冷水を注
ぎ足す。しかしワシ、昼間から何をやっとるんだかのう(-_-メ)
「あら熱」が取れるまで冷ます。
定義は何だ定義は、「あら熱」の定義は? 1時間くらい放置してから冷蔵庫
へ。あとは夕飯で切って食べるだけ。
読書の話を書いておかないと。
まさかずっと「ハムを見ていますので」というわけにはいかない。
『だから、あなたも生きぬいて』大平光代を読了。
14歳で自殺未遂、16歳で暴力団組長の妻、22歳で現在の養父に出会い更生して
弁護士になった著者の半生記。
本書がベストセラーになったのは5年以上前。
そのときに上記のストーリーを知っていたので「パターンが読めているものを
読んでもねえ」と購入を見送った。しかし最近になって新古書店で見かけたので
買ってみた。
「抑制」という漢字が読めない地点からの猛勉強。
漢和辞典も部首引きができないため、総画数で引くレベルから。そんなレベル
から宅地建物取引主任者、司法書士、司法試験合格にいたるまでたったの6年。
第七章で英語の勉強を始めるくだりが出てくる。
なんと「 I は私が、answer は
答えるという意味で・・・」と辞書を引きながら勉強している。いいですか。 I を辞書で引くレベルからやってるんですよ?
確かにストーリーは感動的というか、すごい話だと思う。
でもやはり「そうなるのだろうな」と思って読んでいるためか、平凡という印
象しかなかった。いやもちろん、彼女が更生にいたる過程は本当に素晴しいもの
なんだけど、書物としての面白さとストーリーの意外性は別に扱いたいというこ
とです。
ヒミツの花園2時間、第1回昼飯「冷しタンタン麺」、第2回昼飯「カルボナ
ーラ(レトルト)のパスタ」とこなして校舎へ。
Lクラス。カギカッコとマルカッコの区別をしていない生徒様が散見されたの
で、全員に向かってきつめに注意する。おい、大平光代を見習えよな。とは言わ
なかったけど。
急ぎ帰宅して急ぎ入浴し急ぎ夕食の準備。
そんなにハムが気になるのかと言われそうだが、気になるに決まっるだろうが
ッ! 手塩にかけた俺のハム、気にならずに一日を過ごせるかッ!
「他に心配することないのか?」
お行儀が悪くて申し訳ないが、夕飯を食べながら呑みながら本を読む習慣がある。
もちろん独り暮らしだからというのが一番大きな理由で、二番目は夜にTVを観ないことで、最後の理由はゆっくり食べるための工夫だ。独りメシはどうしても早食いになるし、早食いは消化に悪いからね。
いま読んでいる本に、昨日の日記で書いた「元号と西暦の混在使用をやめてくれないか」という記述があってビックリした。
著者は「前にも書いた」と書いていて、たぶんそれを僕も以前に読んだことがあるのだろう。このように他人が書いたことを意図的にパクることを剽窃(ひょうせつ)と言う。一般的には盗作という。昨日の僕の日記の場合はたまたまだったのでそうは呼ばれない。意図的なものだったり、営利目的だったりすると問題がある。
何が言いたいのかというと、自分の考えは基本的に他人から得たパクリに過ぎないということだ。
オリジナルの思考や発想というものはオリジナルに見えるだけで、実際は他者からの借用に過ぎない。もし本当にオリジナルな思考なり発想なりができるとしたら、その人は天才と呼ばれる。まあ、これだけ情報(の安易入手)化が進んだ現代となれば、本当の天才は世界全体で10年に1人くらいしかいないだろう。ただし、スポーツや芸術の世界はのぞく。
さて、手作り鶏ハムの試食。
「ほどほどに旨い」と「旨い」の中間くらい。初めて作った料理としては上出来だろう。薄味の塩コショウが利いている。ハムというよりバンバンジーの濃厚なもの、というくらい。絶賛されることは絶対にないだろう。
しかし、ほのぼのとした手作りならではの美味しさがある。
たとえば、仕事で疲れた嫁が夜の9時に帰宅して、風呂あがりにビールの一杯でも飲みたいなと言ったとする。今は夜の10時過ぎで、本当に一杯だけ飲んで明日のために活力を養いたいと嫁は願っている。もしそこでちょっとしたオツマミを出すなら、この鶏ハムが旨いだろう。鶏ムネ肉は100グラムで50円足らずだった。たしかに手間はかかったし、それほど美味なものではない。でも、僕は「今日、これを作ってみたんだ」と遠慮がちに鶏ハムを数切れだけ出してみる。
そういう瞬間に、「あ、おいしいね」と言ってもらうために料理をしている。
それが孤独な初期中年の土曜日の過ごし方。これでいいのか?!
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