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ヒマのある生き方 5月31日
  9時15分起床。
  02年度に卒業した生徒様に不幸があって、06年度に卒業した生徒様がそれを手 紙で連絡してくる、という夢だった。どうやって連絡を取り合ったのだろうと不思 議に思いながら見ていた。不謹慎だが夢なので苦情を持ち込まないように。手紙 というのもすごい。
  時間記述が正確なのは将棋のTV放送が9時から始まるため。

  名人戦7番勝負は2勝2敗。
  2日制の2日目が僕の休日に重なることは珍しい。勝てばリーチがかかる第5 局。ピザトーストが朝食。ふだんはスライスチーズ(とろけるタイプ)を使うが 、今日はカットされたチーズで作ったら食感が良かった。保存や料理作業が面倒 なのがデメリット。今日はくもり。


  午前中は読書。
  『「閑」のある生き方』中野孝次を読了。
  タイトルの「閑」はヒマではなく「かん」と読ませる。老年を迎えるにあたっ て、「閑」のある生き方を40代・50代のうちに見つけておきなさい、という人生 読本。

>一人きりになって、他に気を紛らわせる何もなく、「閑」という状態に身を置 くときだけ、人は全体としての自分を取り戻す。
>セネカは「閑」の中でだけ人はその本来の自分を取り戻し、よく生きることが できる、といろんな所で言っている。
>だからこの本ではもっぱら、早く閑のある生活を得よ、社会で働いているとき から少しずつ軸足を社会から私生活へ、外から内へ移していけ、とすすめること になった。

  要約が難しいが、これらの引用でイメージはつかんでもらえると思う。
  具体的には習字をおさめ、碁を打ち、酒を楽しみ、犬とたわむれ、読書をせよ 、それが老年期にふさわしい「閑」のある生活だ、という教えである。

  よくわかる話だ。
  僕も今年は仕事の都合で(泣く泣く、だが)のんびりとした生活をおくってい る。今のお前が関心のあることは何かと問われれば、食事、家事、酒、クラシッ ク音楽、本と答えるだろう。閑のある、閑けさ(当て字=しずけさ)のある生活 はすばらしい。これで死ぬまで食べていければ、これほど幸せなこともあるまい とすら思う。

  しかしまた一方で思うこともある。
  この本が述べることを実践するほど、僕はまだ老いていない。著者は77歳のと きに本書をものし、その1年後(2004年)に亡くなったようだ。1992年に刊行さ れたベストセラー『清貧の思想』で知られる作家・文学者の最期の叫びのように 聴こえる。内容が良くないというのではない。老子やセネカや吉田兼好やエピク テートスと言った、悟りを得たような人々の文章からの引用が多くそれがうるさ い部分はあるが、静かな生活の良さが伝わってくる。大人の文章だ。

  もしできれば、もう少し、たとえば50歳くらいになってから読めればよかった かなと思う。
  そういう意味で、ここで高校生や大学生の読者はご両親の生活を想像してほし い。自分の生活を持つ余裕もなく、たとえて言えばワーカホリックのような状態 になっているご両親の姿を見つけたら、彼らにちょっと薦めてあげて欲しい良書 である。僕が若すぎただけ。


  お昼ごはんにチャーシュー麺を作る。
  意外に晴れ間が見えてきたので洗濯をしてから、ちょろり外出。床屋、じゃな くて理髪店へ。前回は4月6日だった。この1週間「どうしようかな?」と悩ん でいた。行きつけにしていたトコ、いや理髪店は切った。切るというのは見捨て ること。理髪師があまりにも下らない話ばかりする人だったため。

  悩んでいたのは、引越し先で行きつけを作りたかったからだ。
  と、理髪店は行きつけで、しかも同じ人にカットしてもらわないと意味がない 。通い続けることで理髪師は客の髪の生え方を知るはずだし、客の好みもわかる はずだからだ。でも引っ越す前にわざわざ行くのもなあとグズグズしていたのだ 。結局、2回目の1,000円カットへ。安くて、程よく悪い。


  書店経由で整骨院へ。
  先生が2人、見習いらしい青年が1人。先生が1人休みであるらしく、足のマ ッサージだけ見習い青年にやってもらう。見習いらしく、非常にヘタくそ。マッ サージというのは施術能力と相性がハッキリしやすいものである。上手い人にあ たると、

「ああ・・・そこ・・・」

という気分になるのだが、今日のところは

「やだ・・・ちがう・・・」

という気分。好きな抑揚・声音で読んでください。俺の人生、こんなこと書いて ていいのかなあ。
  直接に患者の体に触れる職業なので、経験を積むまでが大変だろう。患者も先 生を育てると思って少しは我慢しないとね。


  帰宅して4時から再び将棋。
  女流棋士の聴き手は矢内女流名人。遠写しだと美人なのだが、なんて書いては いけない。今年度から女流棋士になった熊倉紫野(くまくらしの)女流2級も登 場。現役早大生とのこと。彼女も女流棋士としてはなかなか可愛くて良かった、 などと書いてもまずいのだが。

  持ち時間が長いので、6時までの2時間で進んだのは3手だけ。
  解説者が入れ替わり立ち代り登場するが、間が持たない。渋好みというか、時 間がこれほどゆっくり流れるTV番組も珍しいだろう。お前らさっさと指せよと 思うが、5時過ぎの段階でお互いに持ち時間が2時間以上も残っている(各9時 間持ち)。


  6時から昼寝。
  7時17分起床。10年以上前の生徒様から愛を告白するハガキをもらったが、文 字が小さくて最期まで読めないという夢を見た。しかも「当時の愛」だったよう な。そういうのは当時に言わないとダメだろ。ハガキに本音を書くのもどうか。

  8時から夕食。
  サワラの西京焼。ネギとブナピーのヌタ。後者は茹で過ぎて失敗。火を通すの は「通しすぎない」ことが大切なのだが、なかなか難しい。その他もろもろ。木 曜日は休日なので、この程度で良いのだ。

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