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あべひろし |
6月9日 |
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春期講習の講師室だった。
僕のタイムカードに、他の講師の先生のタイムカードが重ねられている。なん
じゃあこりゃあと打刻してから自分の席に着くと、隣にこの予備校を大昔にやめ
た講師がいた。どうしたのかと問えば「春期講習だけのピンチヒッターなんです
よ」とのこと。ヘンな夢だなあと思いながら9時起床。どちらかと言うと「これ
は夢であると自覚できる夢」をみることが多い。
今日から将棋の棋聖戦。
4月からは名人戦で「ああ春だなあ」と思い、6月からはこの棋聖戦で「ああ
梅雨だなあ」と思う。わりに、シェアされることの少ない季節感だとは思う。棋
聖は二冠の佐藤康光、挑戦者は竜王の渡辺明。タイトル戦でのこの組み合わせは
昨年の竜王戦以来。20代前半の渡辺が最強世代の30代半ばに割って入れるかの5
番勝負。終日、ネット観戦。
今日も原稿仕事。
午前と午後で2時間半。これでトータル960分。パソコンでこちこちと入力する
作業をやっていると、ワープロに比べて本当にパソコンはダメな奴だと思わされ
る。僕の技術にも問題があるし、カスタマイズをちゃんとやっていないことは認
めるが、パソコンは文字入力が本当に苦手である。
たとえば、千葉県の地名の1つ「なりた」を入力したい。
「なりた」と打ち込んで変換すると
「ナ利他」
と出るのだ。どういうことなんだ。昭和末期のワープロもビックリである。
そのくせ「なりたし」と入力すると、
「成田市」
と出る。どうかしているんじゃないか。アタマにきて「佐倉」「四街道」「市川
」「八千代」「柏」「船橋」「習志野」「館山」「木更津」「匝瑳(そうさ)」
「銚子」などを試してみると、全部正しく変換される。どうして「なりた」だけ
ダメなんだ。
しかも時と場合によって「成田」と出ることがある。
時と場合に法則性もない。パソコンの機嫌の問題なのか。パソコンの中にイタ
ズラ好きな小人でもいるのか。しかしだからと言ってワープロだとメールで送れ
ないから、ブツクサ言いつつ作業を続けるしかない。
昼飯は焼ウドン。
昨夜のイカゲソを利用。食後に読書。
『わからなくなってきました』宮沢章夫を読了。
著者の本業は劇作家だが、エッセイも数多く書いているようだ。
この著者の本を読むのは2冊目。わけのわからないシュールな面白さを求めて
挑戦。不気味に面白いエッセイ集。
>ほんとうに不愉快な気分になると言えば、図書館の本に傍線を引くやつのこと
です。
読者は「ふむ、よくある話題だな」と思って読み続ける。
>(前略)といった常識的批判も成り立つが、それよりなにより、あとで借りて
読む者がそれを見てどう思うか想像できないのかと私は言いたい。
自分より前の読者が「ここはポイントだ」と思ったところに線を引くのはわか
る。ところが。
>「どうしてこんなところに」と思わせる場所に線が引かれていることもあり、
「すると」
という、意外な言葉にだけ傍線があったりする。
このあとはどうなるのだろう。不安だ。僕はページをめくる。
>わけのわからない書き込みをしているやつもいる。もうこうなると無法状態で
ある。
「6:00 北欧」
なんなんだよ。
このあともエスカレートするんだろうなあと僕は思う。
>あいたスペースに、詩なのか、それとも何か警句なのか、ともかく人を悩ます
言葉を書いているやつもいる。
「青空が、青く見えるのは、たんに私の錯覚である」
残りは5行ほどになった。しおりの代わりに写真を挟んだままにしておくやつ
さえいるという。なんでもない風景の写真だったら許せたかもしれないと著者は
先に断る。残り2行。
>「ブロック塀のまえで暗い表情をした、学生服姿の青年」
誰なんだおまえは?
本書の不思議な面白さを引用で示すのは難しい。それはもちろん、こういう書
名になるだろうなあ。
整骨院だ風呂だとなんのかのこなして出勤。
雨が降りそうで降らない。今日も単語熟語の暗記について説教的指導。ところ
で、どのクラスでも話さなかったのは「どの程度の単語まで書ける必要があるの
か」である。
いちがいには言えないことだ。
たとえば、今年の某大学で「液体」をスペルで書く必要のある問題があった。
だいたい、今の段階では以下のような受験生が多いのではないか。
液体→ええと、リキッド→ riki 、違うな
→ liki 、ええと、 likid ??
→あれ・・・ q が入ってたような・・・。
アールとエルの話はここでは置いておく。
正解は liquid 。カタカナの音からスペルを類推するのはちょっとやりにくい単
語だろう(個人差は相当ある)。むしろ今の時期は、まして「単語ってどうやっ
て覚えれば?」などと言っている段階なら、
liquid →液体
がサラッと出てくれば充分ではないか。まさか
液体→ liquid
なんていう暗記をする人はいないだろうが・・・いるのかな。念のために書いて
おこう。
単語集は、英単語の意味を日本語でスラスラ言えるようにする
これが最初の目標。
日本語から英語は後回しでいいし、英語から日本語がスラスラ(←ここポイン
ト)出てくればそれほどしんどい作業ではない。過去問を解く夏から秋にかけて
「あ、スペルが書けなくて失点した!」という時点になってから、数回程度スペ
ルを練習すればいいわけだ。
あ、このへん、一般の読者が読んでないな。
ではここで、「よびわる」読者向けにクイズでも行きますか。
Q:以下は日本における歴史上の人物の姓をカタカナで記したものである。この
うち、姓を漢字で書いた場合に1つだけ異なるものはどれか? 記号で答えよ。
1、アベ内麻呂
2、アベ仲麻呂
3、アベ寛
4、アベ比羅夫
こんなん、覚えるしかないですよね?
あるのかなあ。唐に行った人もいれば、大化の改新関係の人もいるし、北海道
関係の人もいる。ひょっとして、覚え方があるのだろうか? 内麻呂と仲麻呂、
どう違うのか?
では正解いきますよ。
自分の回答は準備しましたね?
ズルしてスクロールしちゃだめよ。
正解は、3「阿部寛」です。
2以外は、全て「阿倍」なのです。え。
>アベヒロシが歴史上の人物なのかよッ!
まあ、クイズなんだからいいじゃないすか(^^ゞ
つまり、英語では固有名詞を覚えることはほとんどないから、暗記勉強の初期
の段階で「書けるようになる」必要性は極めて低いのだ。
夕飯のメインは豚バラチャーシュー。
チューシューは練習中のメニューで、ときどき「豚バラ」の文字を見かけるの
で試してみた。デキは今ひとつ。チャーシューなのか豚の角煮なのか判然としな
い仕上がり。バラ肉は脂身が多いので、「茹でこぼし」→「長時間煮込み」をし
ないと美味しくできないのかも。まだ残りがあるので、明日以降に「炙り(脂身
を落とす)」などをしながら育てていきたい。
他には各種の生野菜。
レタス、キュウリ、ミョウガ、アスパラ、ワケギなど。事情があって冷蔵庫の
整理をしなければならないのだが、この話題はまた後日。定例試験休みで明日か
ら5連休。
追記:安倍晋三、阿部信行なども紛らわしい。たぶん漢字はあってると思います
が、日本史受験者は自分で確認してみましょう。
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