予備校講師でわるかったな!





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あこがれる文体 6月10日
  新聞の集金で起こされて起床。9時過ぎ。
  外は雨。ときどき激しく降り、午前中は雷も鳴る。ふつう、こういう天気は梅 雨明け直前に見られるものなんだけど、とりあえず今のところは梅雨入り宣言も 出ていない。ふしぎ。

  何となく眠いなと思いながら今日もTVで将棋観戦。
  対局者も解説者もしょぼい組み合わせで、結果も内容もしょぼかった。名局ば かりのはずもない。朝飯はバターロールにチーズとケチャップと玉ねぎを挟んで 。3週間ほどで冷蔵庫が使えなくなるので、冷蔵保存食品をどうやって使い切る か・買い過ぎないかを考えている。ケチャップが数日で終わりそうだけど、買い 足すと使いきれないかも。


  早い午後に昼食。
  昨晩の豚バラチャーシューはフライパンで炙って脂を出させた。やはり脂が多 少落ちたほうが旨いようで、こいつでチャーシュー麺。博多ラーメンなのでスー プはトンコツ、チャーシューとワケギというシンプルな具がぴたり決まってなか なかのお味。脂で洗い物が面倒になるのは避けられない欠点。いつも小さな喜び と、小さいけどたくさんの面倒がある。


  食後に読書。

  『ボブ・グリーンの父親日記』ボブ・グリーン(訳;西野薫)を読了。
  著者は1980年代を中心に活躍したコラムニスト。初めての娘アマンダの誕生か ら1年にわたる日記。文句なしの名作。

  ちょうど僕が大学受験をした時代と重ねるせいか、またあるいは習っていた予 備校の英語の先生がボブ・グリーンを好んでいたせいか、彼の文章のふわりとし た感覚をよく覚えている。
  それほど数は多くなかったが、入試問題の題材として出題されたこともあった はず。もちろん受験生の英語力で、そのまま英文の良さをきちんと理解したとは 言えない(そんなことは今でも変わらないだろうし、むしろそんなことはどうで も良い)。でも、その当時でも「読みやすくて、しっとりしていていいな」と思 ったことは間違いない。

  詳しくは後日のエッセイに譲る。
  いまここで、この日記に感想文を残すために某予備校のテキス トを取り出してきた。やはり、あった。全10講のテキストの第3講。5月の連休 明けくらいだろうか。19歳の僕はこの文章を予備校生として読んでいたのだ。

  本書の正式なタイトルは Good Morning, Merry Sunshine である。
  結婚して11年目に生まれた愛娘のアマンダに、父親のボブ・グリーンが呼びか ける挨拶だ。おはよう、いい朝だね。

  多忙な著者が出張でロスアンゼルスにいる。
  ホテルの部屋で、ボブ・グリーンは生まれて2ヶ月足らずのアマンダを想いだ す。どんな父親だって、家族から離れてほっとできる出張を嬉しく思う日が来る んだとボブ・グリーンは知っている。出張旅行なんて、すぐに日常になってしま うんだと知っている。でも。
  7月28日の日記の最後から引用。

>But, sitting on this balcony on a warm Los Angeles night, I think of the way Amanda looks up to the ceiling and opens her mouth, and part pf me wishes I was back there already.

(でも、こうして暖かなロスの夜にバルコニーで座っていると、アマンダが天井 を見上げて口をあけている姿が目に浮かんでくる。ぼくは心のどこかで、早くア マンダのいる我が家に戻りたいと思いはじめている)

  正確な意味での「父親による育児日記」ではない。
  父親になるというのがどういうことかわからない、すでに父親であることに万 全の自信も持てない、そういう母親とは違った切ない愛情や苦しさや喜びが軽い 筆致で描かれている。古い本なので入手が難しいかもしれないけれど、全ての父 親とその予備軍に自信をもって薦めたい。


  遅い午後にエッセイ書き。
  最近は1週間に1本のアップというペースにしている。実際には3週間で4本 ちょっとくらい書いているので、アップが遅れている。デキ良しとデキワル、面 白系とシリアス系、読書ネタと下ネタ、いろいろと組み合わせてアップするよう にしている。前回はあれだったから今回はどうしようかな、と考えているわけだ 。今日のところは「これをアップしよう」というのが思い当たらず。たぶん明日 アップだろう。楽しみにしている人は指をくわえて待つように。本当にくわえな いように。

  4時半から昼寝。
  雨は止んで少しだけ陽が差している。XY座標でXが0のときYが+1から− 2になる場合の式を立てようとしたらうまくいかない。変数がどうとか定数がど うとかではなかったかと考えるが、そもそもこの定義だけで式が書けるのかわか らなくなって教壇で恥をかく、という夢だった。たぶん、数学を絡めた余談を捜 していたんだろう。


  ぐっといーぶにんぐ、めりーさんしゃいん。
  6時前に起床。まさか朝まで寝てしまったかと焦った。まだ明るいんだもの。

  オヤツにソーメン50グラム。
  1時間ちょっとだけ勉強。夏期講習に向けた仕込みの一貫。毎日コツコツと量 を重ねていくだけなので、サボらないでやるようにしないと。

  夕飯前に風呂。
  1ヶ月前から換気扇が唸り声を上げている。典型的な経年劣化で、どこかのネ ジでもゆるんでいるのだろう。修理依頼をする予定はない。入浴中に回すわけで はないから気にならないというのもある。もうすぐここを出て行くのだ。未練は ないけれど、出る瞬間にはきっといろいろなことを想いだすだろう。


  8時過ぎから夕飯。
  鳥ひき肉を炒めて、エリンギ焼きにかけたものがメイン。料理名はない。ひき 肉には塩・しょう油・砂糖・だし汁・酒・ミリンで味をつけてある。たくさんの 調味料を使うときは、とにかく薄味にするといい(特に初心者は塩を使いすぎる 傾向がある)。エリンギはさっと炒めて、ソボロ風のひき肉をかけるようにして 食べる。おいしい。名前をつけてあげたい。

  ヌル燗は長野の黒澤酒造『まると 生もと造り純米』。
  冷やで呑むと甘みを感じる。ビンにある「やや辛口」とはいえないだろう。野 球で言えば素直なストレートで勝負するタイプの投手みたいだ。往年の桑田のよ うで、いい酒だ。
  ヌル燗にすると辛味が出る。これもまたいい。赤ワインがデキャンタ(ビンか ら移し変えて空気にさらすこと)で味を変えるように、日本酒も温めると味が変 わることがわかってきた。


  ワインとチーズでこの日記。
  ゆるやかな酔いを感じながら、ピアノ曲を聴く。でも洗濯機の音も聴こえてい る。いつも小さな雑事をこなしながら、人生は前に進んでいく。たとえ特別なこ とがなくても、誰もがそうであるように。

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