予備校講師でわるかったな!





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才能の枯渇 6月16日
  8時半起床。
  異様にものわかりの悪い生徒様がいて、まあそれはいいとして(しょうがない よな)我慢強く説明を続けていたら、

「そんなこと言ったって俺がわからなきゃ意味はない。僕が主役の予備校の授業 なんだ」

などと言いやがるので(失礼)ブチキレ。ここには書けない呪詛(じゅそ=おお まかに呪いの意味)の罵声を浴びさせてやった。1分くらい。寝言で怒鳴るのは 非常に快適である。やっぱりみるなら悪夢だよ、キミ。わりに短い夢だった。


  昨晩のニュースのせいで、宮崎あおいの夢を見るのかなと予想していた。

「あおい、帰ってきてくれぇぇぇ!」

みたいなものだ(そもそも、こっちには来ていないが)。しかしもちろん、夢は もっとフクザツな形を取る。我々の深層意識に潜り込み、予想もしないときに我 々をとらえる。そして、我々を放さない。夢の呪縛から逃れることはできないと いうのが、今のところの僕の考え方。


  ところで「僕が主役の予備校の授業」というのは、某大学の広告を見たからだ ろう。
  オープンキャンパスの宣伝で、以下のような感じ。よく覚えてないので要旨。


そこのキミ、いい才能してるね!
キミが主役のオープンキャンパス!

  時代をうまくとらえた良い広告だと思う。
  しかし、受験生がオープンキャンパスの主役になってどうするんだよ。多くの 大学が少子化で経営難になっていることはよくわかるけど、だからってそこまで 卑屈になることもないんじゃないか。「こういう教育をやってるから、闘いに勝 って参加してみろ!」くらいのノリがあってもいいだろう。

  しかし、教育をするためには生き残ることが優先され、生き残るためには手段 を選ぶ余裕がない、というのが現状だろう。
  潰れてしまったらそもそも教育が成 り立たないからだ。予備校も苦しいが大学も苦しいんだよなあ。


  ピカピカの晴天。
  この時期には珍しく富士山まで見えている。湿度がかなり低くないと富士山が 見えるほどの好天にはならない。今年はカラ梅雨なのかも。梅雨入り3日目で布 団を干せるとは思わなかった。

  午前中は読書。

  『となりのクレーマー』関根眞一を読了。
  著者は百貨店のお客様相談室(つまりクレーム処理係)室長だったそうな。苦 情やらクレームやらをどう処理するかという内容。まあまあ面白いくらい。

  予備校にも様々な苦情やクレームが来るそうだ。
  当然のように僕つまり講師サイドにその話題が下りてくることはないが、なか なか対処に困るものであるらしい。さらに、最近の報道に「学校へのクレームが ひどすぎて教師がノイローゼになるから、弁護士を雇った」なんていうものもあ った。このあたり「クレーマー」が流行なのかなという思い込みと、恐いもの見 たさというのが購入の動機。

  全3章の第1章が実情シリーズ。
  さまざまなクレーマーの姿と対処を描いている。ここが読ませどころで、「そ うかあ、こういうクレームが来るもんなのかあ」と感心して読むばかり。ところ が第2章「苦情社会がやってきた!」と第3章「クレーム対応の技法」が極めて 平凡で、量もほんのわずか。あとがきによれば、どうやら『苦情学』という前著 をうけて新書で一般の人にもわかりやすく、というスタンスで書かれたものらし い。

  それにしても、この程度でそれなりに売れてしまうのが今の新書ブームなのか というところ。
  つまらなくもないし、新古書店でとはいえ「買ってよかったな」という部類に は入るが、「だから、何?」という読後感もある。面白いのだけど、720円払う価 値があるのかと言われると返事に困るくらい。


  昼食はうどん。
  ネギと卵を入れて。卵は半熟の一歩手前がいい。突き崩して、なよっと崩れる ようなそうでもないような感じが、いい。池波正太郎風に描写したつもりだけど 、なんか変にエッチな記述だなあ。

  午後はこつこつと勉強。
  あまりにも地味な内容なのでここに書くまでもなく、出勤。あれあれ、またま た電車内の某大学のオープンキャンパス広告。これもよく覚えていないので要旨 で失礼。


小室哲哉に音楽を習える!
SAMとダンスを踊れる!

  だったかな、そういう感じ。
  なんだかすごいことになってきてますな。


  大学というアカデミズムの場所は消えたのだろうか。
  僕は大学でほとんど・全く勉強しなかったから偉そうなことは言えないが、ど うなってしまったのだろうと思うことがある。大学生だったころ、田嶋陽子とい う人がゼミを持っていて、そこに参加を希望する人としない人に分かれた。前者 は「これこそアカデミズムの新時代なんだ」と思っていたようだし、後者は「バ カか。テレビに出ているような奴が大学で何をやれるか」と思っていたはずだ。

  もちろん実際には、前者も後者もバカばっかりで、本当にそんなことを考えて いた学生はいなかったであろう(レベルの低い大学だし)。
  しかし、そういう気運というか雰囲気があったことは間違いない。だから今の 大学事情をこうして目の当たりにしてみると、「そういうもんかね?」とネガテ ィブな感情を持つしかない。もっとも、僕より10歳くらい年上の世代は、僕の世 代に対して同じように思っていたはずだ。時代に何かしらの反感を覚えるのは、 その人が年をとった証拠である。あらゆる意味で悪いことではない。良いことで もないが。


  授業は無事に終える。
  仮定法はわりに退屈な項目なので息抜きの余談など。

「あおい、僕はあきらめない。結婚したくらいで僕の恋は終わらない」

  妙に受けたので珍しく僕が笑ってしまった。
  「恋は終わらない」ということを信じたいのが若さであろう。生徒様の心の機 微に触れようと、戦略的に使ってみただけのこと。まあ本当は、その後の

「別れるまで俺は待つ」

というのが受けたんだけどね(^_^;)


  帰宅。
  今日のメインは西京焼き。今回はギンダラを使ってみた。これまた旨い。ほろ ほろと身が崩れる旨さと切なさ。次はレベルを下げたところでサワラ、上げたと ころでキンメダイやスズキに挑戦してみたい。

  酒は宮城の地酒『鳴瀬川 特別純米』。
  初体験。たまたまカップ酒で見つけたもの。中口から、あるいは甘口かもしれ ない。甘みや辛みよりも滋味が沁みだす。旨い。あなどれない。暑かったことも あるが、ヌル燗にする間もなく1本(カップ酒は1合入りが普通)を呑み終えた 。悪くない一日。

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