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珍しいことがいくつか。 |
6月17日 |
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8時17分起床。
いつもなら外が明るくなるにつれて眠りが浅くなり、ついでに夢を堪能して目
覚めるのだけど、目をキッチリ閉じようとしている自分に気がついて目が覚めた
。部屋の灯りをつけたまま寝ていたのだ。午前中に来客があるので起床するしかない。
来客といっても来るのはTV屋さん。
今のマンションへのTVの供給方式が変わったのでチェックがどうとかこうと
か。ケーブルテレビがどうとかこうとか。ハッキリ言って何の検査だかよくわか
らない。もうすぐこのマンションとはオサラバだから無視しても良かったのだが
、まあ集合住宅なのでこのくらいの協力はしなければいけないだろう。
それにしても、来訪予定が「9〜12時」とはずいぶんアバウトだ。
朝食を食べて「眠いなあでも寝ちゃまずいよな」とウダウダする。幸いなこと
に今日もよく晴れているので各種干し物。TVで将棋を観ていたら電話が鳴った
。新聞屋さんの最後の集金。転居でドタバタするから早めに来てくださいと頼ん
でおいたのだ。
ずいぶん長い付き合いだった。
集金のトラブルが1回あった。店の若い人がお金に困ったらしく、店の集金票
を勝手に持ち出し、それで集金し、そのまま逃げてしまったのだ。「いつもと違
う人だな」と思いながらお金を渡したら、数日後にいつものおじさんがやってき
た。
調べがついているらしく、その若い人の写真を見せて「こいつが集金に来まし
たよね?」と言質を取られた。
たぶん後ろに手が回ったのだろう(後ろに手が回る=警察に捕まること)。あの兄ちゃんはちゃんと更生できただろうか。金に困って新聞配達という仕事を手にして、それでも困って魔が差してしまったのだろう。新聞代なんて10軒まわっても5万円くらいにしかならないだろうに、どうせ足がつくとわかっているだろうに、生活に追われて判断力をなくしてしまったのだろう。弁護の余地はないけど同情の余地はなくもない。
お金がないというのは本当につらいことなんだ。
続いてTV屋さんがやってきた。
やはりケーブルTVがどうとかこうとか説明されるが、興味もないので理解で
きず。インターネットも電話も利用できるようになってどうとかこうとか。「あ
あそうざんすか」みたいな適当な対応でごまかす。つまんねー客だなと思われた
かもしれない。スッパリと「すぐ引っ越すからイラネ」と言えば良かったかな。
将棋は11時20分に終局してしまった。
内容の悪い将棋で1時間での決着。残り放送時間は40分も残っている(いつもは長くても20分くらい)。えーまじかよ、これから40分も感想戦やるのかよというシラケかたである。白けていてもしょうがないので昼食。キツネそば。
スーパーへ買出し。
父の日ということで枝豆とかメロンとか手巻き寿司セットだとか、それっぽい
ものが安売りされている。初物ということでメロンを買う。たまにはゼイタクし
ないと。
帰宅してヒミツの花園。
2時間くらいやったところで休憩してオヤツ。カップ焼きそば『俺の塩』とメ
ロン。どっちもなかなか美味しかった。さらに1時間。夕方になったので読書。
『南極面白料理人』西村淳を読了。
著者は海上保安官。南極観測隊の一員(料理担当)として、南極で1年間を過
ごす。隊員はたったの9人で、1年間をむさい男9人で過ごさなければならない
。おもしろ本。
「南極にこもるのか」と思えば、誰でも昭和基地を想像するだろう。
しかし著者を含めた9人が1年間を過ごすのは、昭和基地よりもはるかに生活
環境の良くない「ドーム基地」。1日1,000リットルの水を確保するために9人が
総出で雪を溶かすなど、生活は非常に切迫している。「外気温マイナス50℃」な
んていう記述が日常的に出てくる。
著者は料理を作るために参加している。
誰かの誕生日だ結婚記念日だ週末だストレスがたまったなどという理由で、毎
週のように宴会が開かれる。そのメニューが素晴しい。ある日のテーマは「蟹」
。
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・タラバ蟹・花咲蟹、毛蟹・ずわい蟹のスチーム
・わたり蟹の海草包み塩釜
・蟹みそのクリームスープ
・毛蟹の甲羅詰めグラタン
・たらばかにの爪肉梅シソ和え
・蟹肉混ぜライスケーキのキャビアと雲丹のトッピング
・酒 ウイスキー 山崎、ブランデー ヘネシー、日本酒 八海山
食材だけは豊富なようで、しかも本格的。
記述は日記的エッセイで、毒舌お笑い系。ちょっとクセがある文章だが、そこ
に描かれる人間関係や生活環境がおもしろい。多少は読者を選ぶにせよ、文庫本
として長く残す価値のある好著と言える。
ところで、僕が本書を買ったのは2005年の初秋だった。
新古書店ではなく普通の書店で定価で買った。そして読み終わったのが今日、
つまり読み終えるのに1年9ヶ月ほどかかった。トイレ読書として使用(という
のかね)したためだ。以下、ややキレイな話。
トイレ読書に向く本がある。
深刻でなく、文学でなく、人生を考えさせるものでなく、気軽に読め、短い時
間で読め、ストーリーを忘れても問題なく、排便を忘れるほど面白くてはいけな
い本。しかも本書は食べ物の話ということで、まさに出る場所には入る本がピッ
タリくる、というわけだ。
僕はトイレに長居をしない。
まあ、3分もいることはまずありえない。本書は全360ページ。トイレには1日
平均2回強程度いくので、「1回」の読書ペースはざっと1ページの30%くらい
か。詳しい計算はしていないのでツッコミは禁止。およそ文庫本で10行づつ読ん
できたことになる。それだけ、程よく面白いということである。キレイな話題こ
こまで。
夕飯のメインは「白えび」。
富山県の名産で珍しいものである。今まで2回くらいしか食べたことがなく、スーパーで見かけたのは今日が初めてだった。桜えびより大きくて体長4〜5センチ。白く透き通った魚体・・・魚じゃないか。もちろん白い。白えびで赤かったら説明がつかない。
食べ方がわからないので、そのままワサビしょう油で。
カラとヒゲがバリバリしていて食べにくい。カラをはずして食べるものなんだろうか。でも、剥き身にすると2センチくらいしか残らないしとバリバリ食べる。身の部分は甘くて美味しいが、いかんせんバリバリ感が不愉快だ。ノドにひっかかりそう。全体に旨いとは言えないなあ、高かったんだけど。
富山のことばに「キトキト」というものがある。
魚の活きがいいことを示すらしい。富山湾は春の甘エビや冬の寒ブリで知られるように魚介類の宝庫として有名だ。湾と立山連峰の距離が近く、山の雪解け水がながれこむこの時期に魚がうまくなるとも聞く。その代表格がこの白えびであるはずだが、ご当地でないから今ひとつだったのかも。
ヌル燗は『富久娘 明治五十間蔵 山廃純米』。
常温ではそうでもないが、ヌル燗にすると強い辛みを感じる。やや琥珀がかった色をしているというイメージもあるのか、古き良き時代の名酒という雰囲気がある。日常呑みというよりも、お客さんが来たときに「ちょっと珍しいけど、どう?」というノリで呑んでもらう酒、といったところ。おかしな比喩で申し訳ない。
明日は朝から重要な用事アリ。
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