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バカラのビアグラス |
7月15日 |
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昨晩の話を少しだけ。
結局、頂き物は仕事に関する道具だけだった。ネットを通してマイクとイヤホ
ンで会話できる道具。まああれば便利なものだろうし自分で買うこともないだろ
う。しかしそれにしたって、カメラ付きにするとか、もう少し気を使うか金を使
えよな(-_-メ)
2時就寝、7時に起きる。
今日は台風デーということでニュースを見ると、なかなか盛り上がっているよ
うだ。毎年書いているように、安全な場所で危険なニュースを見るのは人をゾク
ゾクさせる。災害の犠牲者には申し訳ないけれど。
夕方に神奈川県に行く用事がある。
7時の予報ではちょうど夕方に神奈川県あたりに最接近するらしい。用事はキ
ャンセルになるかどうか。考えていてもしょうがないのでウーロン茶を作り、7
時半から2度寝。8時半に用事の相手からケータイメールが届くが眠いので無視
(友だちを減らす18の法則第7項)。外は大雨。
10時に起床。
まだ大雨。急ぎ朝食を取って将棋を観ながらダラダラと予習。略してダラ予。
もう少しで目鼻がついた状態になりそう。市進予備校は今日から夏期講習で、僕
は次のタームのB期からスタート。サイトを見ると3限までは休講になった様子
。
お昼頃に電話が鳴る。
旧居の管理をしていた不動産屋さんからだ。転居して2週間、ついに「敷金を
いくら戻すか」という通知と交渉がスタート。
詳細を聞くのに20分もかかった。
不動産屋さんは丁寧に説明してくれる。貸借人(客=僕のこと)と賃貸者(大
家のこと)の仲介をする業務なので、バランスのとり方に気を使っているようだ
。しかし、予想よりも現況修復費が高い(=敷金の戻りが少ない)のでマジキレ
。
「ざっけんじゃねーよ!(キッズウォー風) このボケナス不動産屋がッ。おま
えらがやってんこたぁヤクザと同じなんだよッ。おどれ予備校講師をなめとるん
か。大阪南港に沈めたろか。××にチクってつるし上げられたいんか?」
と吠える(実際の発話:申し訳ないんですけど、ここんとこだけ譲歩してくれた
ら嬉しいと大家様にお伝え願えれば敬服の至りなんですが)。電話を切る。
30分後にまた電話が鳴る。
また20分も話して交渉成立。ちょっと多めに払うことになったけど、なかなか
面白かった。そのうち詳細をエッセイにします。大家さん不動産屋さん今まであ
りがとう。偽善者もつらいぜ。
午後もダラ予。
スキを見て隣室と下階の住人にアイサツに行く。どちらも在宅。5軒くらい先
の部屋に貢物を持っていくのを除けば、これでアイサツは全部終わった。とにか
くトラブルだけは起こさないように気をつけよう。住人は僕と同じ世代の人が多
い感じ。マンション全体の入居数はまだ半分程度と思われるので平均値は不明。
4時に家を出る。
千葉から神奈川は本当に遠い。電車は京葉線をのぞけばほぼ平常運行のようだ
。東京から東海道線に乗る。久しぶりだな。車中があまりにも長い。いくらテツ
と言えども、日常生活でこれはしんどい。そもそも腰が痛い。しかしそれだけ本
が読めるとも言える。
飲み会はかつての同僚たち(♂1♀2)とイタリアン。
今は業界を離れた人もいるので、ある種の異業種交流会なのかも。たくさん食
べて、たくさん呑んだ。料理は4人で10皿ちょっとかな。お酒は乾杯のビール1
杯ずつと、赤ワインを4人で3本。シメにはデザート(僕はバニラのジェラート
)。ひたすら陽気にばくばくと食べた。イタリア人みたいだ。これで1人6,000円
を切るなんてウソみたいだ。しかもとても美味しい。お店を紹介できないのが残
念。
3時間くらいで解散。
彼らは神奈川県民で2次会だけど、千葉県民の僕は終電を気にしたくないので
お先に失礼する。ドアからドアで2時間はかからないくらい。小旅行に近いかも
。気持ちよく酔っていたので、気持ちよく眠って帰る。眠ればそれほどは遠くも
ない。
転居祝いを頂いた。
3人の連名で、バカラのビアグラス。オノロジーという種類らしい。すごく嬉
しい。食器のことは良く知らないが、バカラくらいは知っている。このメーカー
が最高級かどうかは確信がないにせよ、かなりのハイレベル、偏差値で言えば76
くらいはあるだろう。
しかも、ものすごく高価である。
実は7年くらいに渡って、バカラでビアグラスかウイスキーグラスを買いたい
と思っていた。何度も手にとって、「ああこれは良いグラスだな、買おうかなど
うしようかな、でも高すぎるな」と諦めてきた。彼らにその話をしたことはない
から偶然の一致だろうけど、こんな形で入手できるとは考えてもいなかった。あ
まりにも申し訳ないプレゼントなので、
「オトナ3人が連名にしても高すぎるだろ」
と言ってしまう。いやホントに、こんなの自分で買うことは考えられないほど高
価なのだ。1個1万円ではとてもじゃないが買えないはず。
帰宅して、いてもたってもいらず、脱がす。
ビアグラスの包装を、ね。さっと洗って乾かし、禁じ手だが軽く拭いて(油が
つくから自然乾燥させるのが原則)冷蔵庫へ。シャワーなどの雑用をこなして日
記をここまで書いて30分くらいか。そろそろ程よく冷えているはず。大ぶりなグ
ラスなので350ML缶が1回でキッチリ入る。試飲。
・・・旨いよ・・・。
重さがいい。
口当たりがいい。飲み口の湾曲ぐあいと、微妙な厚さがいいからだ。本当のグ
ラスでビールを飲んでいるんだなとついつい思ってしまう。
これを選ぶのに、どれだけの時間をかけてくれたのだろう。
お金の問題ではないし、デパートで購入するまでの時間のことでもない。僕が
ビール好きであることを知って、高級な品物でも普段遣いすることが好きなこと
を知って、モノを大事に使うことを重要視していることを知るために使った時間
のことだ。そして、頂いた僕ではなく、これを使って喜ぶ僕を想像するために使
った時間のことである。
間柄にもよるけれども、こういうことが(ものではない)本当の贈り物だ。
冗談のつもりで余り物をくれる人もいれば、相手のことを考えて悩んでくれる
人もいる。前者は貰った人の気持ちを考えもしない下種(げす)で、後者は本当
に大切に付き合うべき友人である。たとえ少なくても、後者を持っている自分を
幸せに思う。繰りかえすが、値段の問題ではないのだ。
この日記をアップしながら、僕は2杯目のビールを飲む。
台風は去って、吹き返しの風が強い。
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