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胃も疲れる日々は続く |
7月17日 |
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昨晩の焼肉は旨かった。
一応は引越し手伝いのお礼ということで店選びに気を使った。焼肉業界の値段
というのは、引越し業者の見積もりやメガネ店やカーテン屋さんや賃貸住居の敷金
戻しの計算書と同様に(比喩が長いナ)、品質を保証するものではない。1人1
万円くらい出せばそれほどマズイことはないけれど、ずいぶん昔に新宿の某JJ
苑で痛い目にあったこともある。だから昨晩のようにそれなりの値段でなかなか
美味しい店を見つけるのはココロ嬉しいことだ。
昨晩は2時前就寝、9時過ぎ起床。
人様を家に泊めるのは好きなほうである。もちろん面倒ではあるにしても、自
分がくつろげる場所で人様にもくつろいでもらう(少なくともそのように見える
)のは気分が良い。
僕自身の寝室と、お客様に眠っていただく部屋が離れた場所になった。
僕は自分の家だからどうでもいいとして、お客様からすれば眠るときくらいは
独立した部屋を与えられたほうがラクだろう。四の五の言っても、お泊りという
のは客が気を使うものだからだ。このあたりも今のところは引越しして成功。
朝食。
僕はフレンチトーストでお客様にはチーズトースト。彼は料理をしない人なの
で「よくそんなにチャチャっと作れますなあ」というけれど、料理というのはた
だの日常営業行為なもので。本人の希望でチーズトーストにはトマトケチャップ
を使わなかった。味見できるわけでもないから自信はない。まあ僕が食べるんじ
ゃないからいいか(それでいいのか?)。
客人、11時に帰る。
掃除と洗濯はやはり大変だ。朝から大雨で昼は曇り午後は霧雨とバラエティー
に富む梅雨の空。明けるまでもう少しなのか。暗い空の下で、本当は蛍光灯の下
でコツコツ予習。休み時間に読書。
『羽生』保坂和志を読了。
タイトルの羽生は将棋棋士。著者は芥川賞作家。
今さら羽生を語った本に興味はない。羽生の考えているもの、目指しているも
のを言語化するのがとても難しいと僕には思えるからだ。しかし本書を読んでみ
たのは著者に興味があったから。本来はもちろん小説家なので本書のような「亜
流」から入るのはズルイんだけど。
本書の単行本は1997年に出版されている。
その前年に羽生が史上初の七冠を達成している。文庫化されるまでに10年もか
かったということは、隠れた名著なのかもしれない。本文に入る前の「文庫版の
ためのまえがき」から引用。
>本書は、「棋士・羽生善治」についての本だけれど、「将棋の本」ではないと言
った方がいい。実際、九七年に出版されたときにも、一般の新聞雑誌ではいろい
ろ取り上げてもらったが、将棋界では一部の棋士の大絶賛を除いて黙殺に近かっ
た。
このあとに自讃とはいえ本書がどれだけ核心に近づいたかという説明がある。
羽生が将棋について考える事例を用いて、人が考えるという行為の説明にたど
り着くことを目指した(そして部分的には成功した)ということである。タイト
ルとは裏腹に、羽生ではなく人間を語ろうということなのだろう。では読みます
。そして感想。
くだらん。
僕の頭が悪い可能性も高いけれど(実際に悪いのだが)、きわめて曖昧で意味
がわからない。
書いてある文字が読めるのに、そこで書きたいことが理解できないとでもいう
のか。果たして本書がなぜ「新聞雑誌ではいろいろ取り上げて」もらったのか、
本書のどこに「一部の棋士の大絶賛」が集まったのか不思議である。
あるいはひょっとして、良書なのかもしれない。
将棋のルール程度の知識は必要だが、著者が書くように将棋の戦術本のたぐい
ではないから、読める人が多いだろう。「読める」という表現に皮肉が入ってい
るわけだけど、「ほう」と思った人はちょっと立ち読みでもどうぞ。この著者は
意外に小説が面白いのかなあ、いつか試すかも。
2時過ぎに昼食を取りに出る。
何となくで選んだラーメン屋で失敗。油ギトギト系だったのだ。胸が悪くなる
。夕食までのつなぎ飯のつもりで胸焼けしていてはしょうがない。お腹が痛くな
るくらい。そう言えば、この3日は夕食が全て外食だった。シャブシャブ、イタ
リアン、焼肉と肉中心だったし、もちろん呑みすぎている。野菜や豆が不足する
から、お腹もおかしくなるだろう。ついでに整骨院へ。帰宅。
ウダウダしながらも予習を続ける。
目星がついた。明日から3日間は何の予定も入れていないから、僕の開講日で
ある21日になるまえに8割くらいは決着できるだろう。最初のタームが1日2コ
マなので、そこで100%に持っていくか、多少は後ろにズレ込むくらいになりそう
。良いペースではないが、最悪からは程遠いペース。
夕方に実家へ。
野菜を中心とする家庭料理をご馳走になる。キムチチゲ風のスープが旨かった
。豆腐も食べられたし。新居の話を少々。両親を招くのは早くてもこの夏か、下
手をすれば秋だろう。慌てることもないし。
転居祝いのつもりなのか、母親にアレコレと貰った。
お盆と花瓶と瀬戸焼の皿のセット。お盆は日常に必要なものではないが来客時
にあると便利かもと思っていた。昔の家は台所と食事場所が離れていたから、お
盆が必須アイテムだったということだ。たしかに、対面カウンターキッチンのよ
うに台所と食堂が隣接するようになったのはここ20年くらいのことかもしれない
。台所というのは汚れ場だし。
花瓶も持っていなかった。
自分で花束を買うことは絶対にない。植物を鉢以外で育てる趣味はない一方
で、何かの機会で花束を頂くことはある。そのたびに「うちには花瓶がないんだ
っけな?」と思っていた。たいていは洗面器だの巨大なボールだのパスタ鍋(←
何とかならんのか)などに入れていたわけで、これで少しは文化的な生活になり
そう。場所のコストという問題をクリアするのが難しいにせよ。
瀬戸焼の皿は5枚セット。
藍染で唐草模様、10×20センチくらい。ものすごく重い。量ってみたら1枚220
グラム。造りがしっかりしているというか、高価というか、扱いにくいというか
、壊れやすそうというか。使いにくいからこそ普段から使ってあげて、良さを引
き出してあげたい。
小雨の中を帰宅。
明日からの3日間はヒキコモルくらいのつもりで予習をすることになる。何の
かんのと出歩く時間が多くて、落ち着きのない生活が続いている。せっかく新し
い環境に移ったのだから、腰を据えて在宅することも必要だろう。とは言っても
、明日はこなすべき用事が4件ほどある。なかなか疲れるな。
追記:エッセイ265「テツわる山陰編その3」をアップしました。
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