予備校講師でわるかったな!





各ページのご案内はコチラ 

proflile 自己紹介

diary 日記

essay エッセイ

bbs 掲示板
  

Copyright (c) 2004 
takeshi nobuhara All Rights Reserved. 

後悔には意味がない 9月16日


  3に3を掛けると9だ。
  同じ数を掛け合わせることを累乗という。この例の場合、3のことを何と呼び ますか?

  ずいぶんと悩んで「虚数= i 」と僕は答えた。
  おれ、数学が苦手なんだよな。これでいいのかな。いや待てよ。虚数って実在 しない数じゃなかったっけ。3、ってどうみても実在するよな。掛け合わせて16 のなるのは4か。4も実在するな。おかしい。虚数じゃないぞ。何だっけ・・・ ああ数学をもっとちゃんと勉強しておけばよかったのに。

  と悩んでいたら目が覚めた。
  まだ7時だ。どういう夢なんだよ。わざわざ別の例を考えているってのもバカ っぽいし(-_-)


  風は強くても天気は良さそう。
  何年かぶりに(汚ねぇ)タオルケットを洗濯する。汚れが目立たないから、つ い干しただけで終わりにしちゃうんだよね。カーテンほどではないにせよ(ヒマここ)汚れは激しく、2度洗い。ついでに風呂にお湯を張って入浴。夢の正解は 「累乗根」だったはず。たぶん・・・。

  8時半からHPの作業を少々。
  ずいぶんと暑くてエアコンをつける。日曜日なので10時になったらTVもつけ る。僕が習慣的に観るTV番組はこの将棋講座→対局だけ。じっと観ているのも 何なので本を読みつつ。


  『本の読み方』平野啓一郎を読了。
  小説家による読書術の提案書。サブタイトルに「スロー・リーディングの実践 」とあるように、速読ではなく「遅読」をしようではないか、という内容。僕に とっては平凡。

  たしかに、著者が指摘するように速読のススメのような本は多いし、速読でき ることに価値を認める人は多いだろう。
  しかし現実に速読をしている人とか、速読ができる人なんてほとんどいないし 、速読ばかりが流行しているわけでもない。速く読むことに対するアンチテーゼ としての「スロー・リーディング」という提案の価値はあるけれど、まあ大まか に言えば、イマドキ本なんか誰も読んでいないのである。そうでしょう? 皆さ ん、今年は今まで何冊の本を読みましたか? 30冊も読んでいたら、かなりの「 読書家」と呼ばれるんじゃないかな。

  ヘンな絡み方はともかくとして、全3章の本書でよかったのは第2章の「魅力 的な『誤読』のすすめ」である。

>本を読む喜びの一つは、他者と出会うことである。自分と異なる意見に耳を傾 け、自分の考えをより柔軟にする。そのためには、一方で自由な「誤読」を楽 しみつつ、他方で「作者の意図」を考えるという作業を、同時に行わなけれ ばならない。(ゴシック本文ママ)

  書く立場からすれば、あるいは話す立場でも構わないが、自説を相手に理解さ せるのはそれほど難しいことではない(但し、納得させるのは難しい)。
  本書にも数箇所で出てくるように、「一般論→逆接→以下主張」という論の進 め方が典型的・古典的手段で、しかも一度知ってしまえば使いやすく、有効な方 法である。受験生なども、このワンパターンの論じ方を現代文や英語の読解に利 用しているだろうし、現実に有効だろうし、もちろん僕もそういう書き方を好ん でしている。

  そしてまた一方で、書く立場からすれば「どうやって誤読させるか」もテーマ になる。
  誤読と言っても文章がわかりにくいということではなく(花子は太郎を愛して いると言ったように思えた←思ったのは誰?)、書かれたものを読者ごと違った 方法で解釈させる書き方である。それぞれの読者がそれぞれに楽しく誤読できる ようでありながら、書き手が書こうとしていることは一点しかない、そういう文 章の書き方があるはずだ。何となくであるけれど、本書の著者はそういった「誤 読の幅」を広げて欲しいと訴えているような気がする。

  遅読のススメというより、読書のススメと考えるべき本だろうか。
  というわけで、僕にとってはそれほど大した本ではなかった。図書館で借りら れてラッキーというくらい。しかしまた一方で、読書術のような本に興味がある 人には一読の価値アリ、ってところでしょうか。


  11時半に将棋が終わったので外出。
  老舗らしいウナギ屋さんで「サービスうな丼」。たぶん40年くらいやっている 店らしく、小汚いというより汚い。小上がりの座布団はくたくたにクタビレテい て、厚さ5ミリくらいなんじゃないか。メニューに冷やっことかドジョウ鍋とか 卵焼きとか、いかにも通が昼前からイッパイやってそうな感じ。もちろん僕は昼 間にはアルコールを呑まない(旅先だけが例外)。

  肝心のお味はよろしかった。
  量というかウナギ本体はケチケチしたもの(焼き鳥を串から抜いたような切れ 端ばかり)だったけど、サービスうな丼は普通のうな丼より3割以上安いからこ んなもんでしょ。肝吸いもちゃんとついてきたし。


  各種買い物。
  手土産を買うのだ。少しお値段高めの日本酒は、宮城県の「まなつる 特別純 米 ひやおろし」に決める。「ひやおろし」というのは春に仕込んだ酒に火入れ をしないまま秋に出す、ということだったと思う。生とどう違うのかは知らない 。まあとにかくそういう雰囲気の「ちょっといいお酒」だ。

  さらに花屋さんへ。
  女性がいる家にお邪魔するとき、花を持参する、これ基本。よほどひどいもの を選ばない限り、喜ばれる。しかも、かなり。嫁取りに結びついていないのだが ・・・と独りツッコミしていないで。

  小さな鉢に植え込んだアレンジメントを希望。
  1軒目でリンドウのみの綺麗なものがあったが、花の種類が1つというのは危 険である。相手の花の好みがわかっているときはいいが、ごくまれに「この花だ けはイヤ」という女性がいるのだ。これは女性だけに見られる特質で・・・と書 きたかったけれど、およそ男というのは花の種類を知らないものだ。例文。

男「おお、このバラ綺麗だなあ」
女「それ、ガーベラなんだけど(-.-)」
男「ガードル??」
女「さいてー」

  それともう1つ危険なのは、花言葉の問題。
  意外な花に意外な(たいていはマイナスイメージの)意味があったりして、ひ どい目にあうことがある。もっとも、花言葉というのは出典が色々あって、どれ が正しくてどれが間違っているということもないのだが、女性への贈り物は慎重 に選ばなければならない。

  店を変える。
  鮮やかな赤のケイトウ(鶏頭って書くのかな)があったけれど、ちょっと色が きついか。訪問予定の女性には初めて会うので、冒険はしにくい。もう1軒みて みるか。しかし暑いな・・・。

  3軒目。
  バラとカーネーションとリンドウとガーベラなど(他はわからんw)を組み合 わせた赤・ピンク系のセットを発見。目があったので即決。はなやかでいて青系 も混じっているから落ち着きもあり、ちょうどいいだろう。予算と色と大きさの 頃良いものを発見できて満足。今年はお金がなくて買い物を楽しむことがほとん どないから、意外に楽しかった。


  汗ダクで帰宅して午後はのんびりと。
  長くなっているので記述は省略して、早い夕方に知人宅を訪問。彼らは新婚さ んである。けっ。新婚さ〜んいらっしゃーい、じゃなくて、お邪魔しまーす。

  と、ここまでは外出前に書いておいた。
  今は日付が変わったあたりで、当然のように泥酔している。焼肉だのワインだ のドラ焼きだのをご馳走になった。ここで感謝申し上げる。というつもりはない 。個人的な用事と、それにまつわる感謝は、一般の読者に関係ないからね。ニヒ リストにしてリアリストで、もう1つは18禁のギャグなのでやめておく。そのく らいの理性はあるので(^^ゞ


  悪辣な冗談はともかく、のんびりとした時間を過ごせた。
  他人のこととはいえ、新婚家庭はいいものである。当事者が自分であることが 何より大切だけどね。

  結婚しているのは、しないよりも良いことである。
  それは間違いない。また同時に、そうであると信じることも要求される。自己 否定よりも苦しいことはないからだ。こういう思考を、人は負け犬の遠吠えと呼 び、あるいは童貞や処女の無知と呼び、またあるいは真理と呼び、離婚した者た ちは喝采をかなでる。もちろん僕はここで選択肢を1つも与えられない。

  特別な結論はない。
  ただ、経験するものだけが知ることがあるのだなと、経験したことのないもの が見るべき夢はあるのだなと思う。いかなる意味でも、ネガティブでもポジティ ブでもない。夏はどれほど暑くても、いずれは秋に道を譲る。しかし、独りよりはきっと 温かい冬が来るだろう。幸せが宿りますように。

diary 日記  
これまでの日記はコチラ