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「こたえられない・・・・・・」 9月21日


  腹が痛くて目が覚めた。
  こういうときはイッツ・トイレ・タイムということで(こんな英語はないので 覚えないように)駆け込むと、便器がない。なんじゃあそりゃあ。聞けば工事中 で、オマル(但し洋風)で代用しろという。なんじゃそりゃあ、と2回目に叫ん だら目が覚めた。ステキな夢ね、うふっ。

  7時前起床。
  いつものような朝食を済ませてPCの前に座ると地震。7時55分、震度2。こ ええなあ。地震があるとTVをつけるのが習慣になっている。アナウンサーとい う人種は明らかに揺れているときも平気な顔をしている。あれは特殊な訓練でも 受けているのだろうか。あるいは特殊な注射を打たれているとか。まさかな。そ れにしたって、少しくらい動揺の色が見えてもいいと思うんだけどね。

  雑用を済ませてから整骨院。
  腰痛レベルは1。特に理由はなくてもそうなる。先生は「はてな?」という顔 をしていたけど。その足で銀行へ。通帳記入。ローン本体と、利息の支払いは別 に記載されるんだね。知らなかったのかよ俺。管理費や修繕積立金はまた別の記 載。修繕積立金というのは、10年くらい後で改修工事などをするための費用で、 毎年値上がりしていくもの。毎月ウン万円です。


  いちど帰宅してからお昼前に昼食を取りに出る。
  居酒屋のミックスフライランチ。入った瞬間に「ああこれはやや外したな」と 思った通り、なかなかのハズレ具合。安っぽい造りの店内でお琴の音楽が流れて いるなんてハズシの典型だよな。フライの1つが舌ヒラメでこれが珍しいくらい ですか。店を出てからビジネスホテルの1階に併設された食堂だと気がついた。 ま、1年に1回は使いましょう。帰宅して読書。


  『散歩のとき何か食べたくなって』池波正太郎を読了。
  時代小説の大家(たいか=すごい人)である著者による、食に関するエッセイ 集。しみじみとした良書。

  池波先生と言えば、その恐るべし名作シリーズ「鬼平犯科帳」や「剣客商売」 で知られている。
  いま知ったのだが、「おにへいはんかちょう」はPCで一発変換できるほどで ある。小説家の名前ならともかく、これだけ長い書名が変換できるほどの高名な 固有名詞は珍しい。司馬遼太郎の「坂の上の雲」ですら一発変換はできないのだ 。
「それほどに、有名だったのか・・・・・・」
という想いがする。

  それはさておき、僕は池波先生の本を初めて読んだ。
  僕は時代小説を全く読まないから当然なのだが、本書はエッセイ集ということ で手に取った。池波先生の特徴として、食の描写が異常にうまいということを聞 き及んでいたからである。

  先生は日本各地で散歩して、どこに行っても何かを食べる。
  長野県は上田の蕎麦屋をおとずれて。

>この店の入れ込みへあぐらをかいて、ゆっくりと酒をのむ気分は何ともいえな い。
  合鴨とネギを煮合せた鉢や、チラシとよぶ天ぷらなどで酒をのむわけだが、旅 の気分も手つだって、まったく、
「こたえられない・・・・・・」
のである。

  本書はグルメガイドではないし、古い本(昭和52年発行)である。
  だから、これを読んでそこに描かれたものを食べにいく、というわけにもいか ない。そのかわり、先生の描く食の世界を味わうことができる。もう少し正確に いえば、先生の文章がもつ、
「間(ま)を味わうべき・・・・・・」
本である。

  この、唐突な独白のあとには欠かすことなく「・・・・・・」と改行がともな う。
  文章表記としてはかなり珍しいもので、しかしこの珍妙な記述が食だけでなく 食にまつわる世界をみごとに描き出している、というのは池波素人の僕だけが持 つ感想なのかどうか、わからない。そもそも、このタイトルを読むだけでも面白 そうじゃないですか。

「食べたくなって・・・・・・」

しまった、エッセイ好きの人におすすめ。


  午後はヒミツの花園を少々。
  それにしても暑い。もうお彼岸に入ったと聞いている。昨日も今日も真夏日の ようだ。朝夕が涼しくなったのは間違いないにしても、ちょっと今年は夏が長す ぎるような気がする。まあ、よく晴れてよく布団が干せるからいいけれど、この 時期にクーラーをつけるのもねえ。

  すばやくプール。
  若い奥様の感想は省略して帰宅し、2回目の昼食は焼ウドン。そろり市川校へ 。今日から3週目に入るので、ヒートアップさせていきたい。秋に萌えないで、 何が予備校か、何が予備校講師か。あ、燃え、です(^_^;)

  Cクラスの授業はきわめて順調。
  文化祭シーズンがほぼ終わったこともあるのだろう、出席率も良かった。そし て何より、生徒様の授業への集中力もぐっと上がった。ここで学力も上がったと 書けば立派な偽善者にはなれる。仮定法?

  この空気を継続させることが重要だ。
  授業後にも「前回は文化祭で休んだのでプリントを下さい」という生徒様が殺 到(これはこれでどうかと思う面もあり)。また「1学期のイディオムのプリン トをコピーさせてください」という生徒様も多々。あるいは「今日から先生のク ラスなんで初期設定プリント3枚組を下さい」という生徒様も少々。授業内の辛 口トークの効果がテキメン、ということでもある。僕個人としては1学期にやや 苦労の多かったCクラスを克服したことになるし、逆に順調だったQクラスに手 入れをする2学期になりそうだ。


  帰宅して夕食。
  新居のダイニングテーブルに腰掛けて、ゆっくりと酒をのむ気分は何ともいえ ない。サワラの西京味噌漬けやイクラのしょう油漬け(今日は大根オロシととも に)やホタルイカの燻製などで酒を呑むわけだが、授業が好調だった気分も手つ だって、まったく、
「こたえられない・・・・・・」
のである。

  ことばが乗り移るほど、影響力の強さを語るものはない。
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