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自己肯定は欠かせない

10月21日

  ９時半起床、朝風呂。
  いつものようにＴＶで将棋を観る。渡辺竜王と島八段の対局。明らかな作戦負けをした渡辺が対局には勝つ。作戦勝ちしているのにシッカリ負けるのは島八段の得意技かも。

  放送時間の枠より早く終わったときには、感想戦の模様が放映される。
  今日は20分ほど放送時間を余して終局した。普通は解説者と聴き手の女流棋士が加わって、対局者と４人でやるもの。ところが、渡辺と島は２人が盤側に参加する前に感想戦をモリモリ始めてしまう。へんなの。感想戦は誰でもやるものだけど、この２人は異常に感想戦を好むらしい。

  お昼ごはんは昨日の鍋物の残り汁で雑炊。
  エノキと卵を入れて。廃物利用でこれだけ旨いメニューというのも珍しい。文句のない秋晴れで、湿度は30％くらいみたいだ。風も弱くてさわやか。干し物も順調すぎて笑いが止まらない。ヘンな比喩だ。

  まだまだ続く部屋の整理。
  新居のナンバー１不満点がどうやら決定した。収納が少ないことだ。買うときにも「ちょっとそこがな」と思っていた。見事に的中したということ。それだけモノを減らして生きられると考えればいいだろう。

  自己肯定って、けっこう大事だ。
  模試の偏差値が悪かったら「これは流れの向かない模試だった」、離婚したら「じつにせいせいした」、コマ数が減ったら「時間がたくさんあってうれしい」、美男に生まれなかったら「うざい女に追われなくてすむ」、彼氏と別れたら「新しい出会いがきっとくる」、などなど、いくらでも思いつける。共通点は、過去をなかったことにして、未来には良いことだけが起こると信じることだ。そればっかり考えているとバカみたいだけど、悲観的な人生よりはいいだろう。

  ということで自己肯定としての書斎の整理。
  もう捨てるべきものが減ってきている。悩んだのは未使用の封筒や便箋だ。今はレターセットっていうのかな。若い頃はたくさん手紙を書いたからゴッツリ買いこんでおいたけれど、この10年くらいはほとんど使っていない。絵葉書などもゾロゾロ。

  コミュニケーション過小が当たり前になったこの時代で、手紙ほど「重い」ものもないだろう。
  もちろん長所はたくさんあるのだけど、そういう付き合い方をしなくなった人のほうが多いと思う。僕もそうだ。メールですらどんどん短くなっていく（日記はえんえんと長くなっていくが）。手紙は「思いのたけ」を吐き出すものでもあるけれど、今の時代には「思いのたけ」なんていう概念がなくなってきたのかもしれない。だいたい、「オモイノタケ」なんていう言葉は高校生に通じるだろうか？

  東山魁夷の絵葉書が大量に発掘された。
  50枚は軽くあるな。そのいくつかを２つの写真立てに入れて、本棚に飾ってある。いちおうは季節感にあわせて入れ替えているつもりだけど、実際は半年くらい放置しているような気がする。

  魁夷が好きな画家である、ということは何度も書いた。
  「プロフィール」で将来の嫁の写真のとなりにあるのが、魁夷の絵である。もちろんポスターだけど。嫁と横に並べるくらい好きだから、絵葉書もたくさん買っている。展覧会があると必ず買っていると思う。

  そこで先の写真立ての２枚を入れ替え。
  「白い馬のいる風景」とよばれるシリーズの１枚を入れたものは、ダイニングに置くことに。写真立ては緑の透明なフレームで、そばにポトスの鉢があるから緑が並んできもちいい。なかなか絵になる。絵だけど。

  少々だが書斎にスペースができた。
  大きな本棚さえあれば（すでに２つあるんだけど）もっとスッキリするのになあ、と恒例の仮定法構文。あれやこれやと捨てたり入れ替えたりしていたら腰が痛くなった。天気の良すぎる日曜日、外出する気にはなれない。ひきこもり大いに結構（自己肯定）。読書。

  『レンタル彼氏』酒井あゆみを読了。
  元風俗嬢の著者によるルポルタージュ。
  ホスト遊びではなく、「男買い」をする女性へのインタビュー集。ちょっとつかみどころがなかった。

  女性が男性を買うのである。
  逆ではない。この場合の買うとは、えーと、お金を払ってセックスをしてもらう、のことです。健全なる高校生の皆様、すいません。それが世の中というものなので。たぶん犯罪ですからね。財団法人に勤務する28歳の女性はこうしてインタビューを締めくくります。

＞「『そろそろセックスをしたいなぁ～』と思うときがあるんですね。なんか、セックスしてないと女が終わるような気がしてるのもありますね。充実したセックスでなければならないんです。自分じゃ自分を抱きしめてセックスできないし。だから出張ホストに抱いてもらうの」

  ウリセンバーと呼ばれる、もともとはゲイの集うバーで男を買う。
  インターネットで「出張ホスト」を検索して連絡を取り、男を買う。お泊りコースで４万円、２時間コースで１万円くらい（けっこう安いようなｗ）。セックスをしない場合もあれば、擬似恋愛の状態になって入れあげてしまう場合もある。具体的な、ハッキリ言えばすけべえなセックスの描写をする人もあれば、そこはアイマイにぼかす人もいる。

  インタビュアーである著者はどちらかと言えば男買いに否定的な見方をしているようだ。
  本当にそう思っているのか、インタビュイーから本音を引き出すための演技なのか、僕にはよくわからない。あまりよくわからないけれど、全体的には男買いをする女性の個々のケースをうまく引き出しているように思える。ただ、読み終えて「それがどうしたの」という気分も少し残る。たくさん本を読む人ならば、こういうのを１冊くらい混ぜてもいいのかな、くらいの個人的評価です。

  早い時間に夕食。
  サワラの西京味噌漬け焼き、カブの浅漬け、湯豆腐など例のごとし。陽が沈むとぐっと寒くなる。もう秋も中盤だ。

  昨晩から、夜だけ床暖房を使い始めた。
  何でもこれがあればエアコンやストーブが不要、ということである。床から部屋全体を温めるということですね。我が家の場合はガスが燃料（？）。リビングダイニングは11畳くらいで、ホットカーペットのように「Ａ面・Ｂ面・両面」を選べるようになっている。まさに今もリビング（Ａ面）で使っているのだけど、これって

「本当に空気まで暖まるんですか？」

という感じ。

  確かに足元が暖かいから気分はいい。
  ストーブみたいに倒すこととか紙を近づけてしまうこととかバランスボールを溶かしてしまうこととか（懐かしい日記はここ）、心配しなくていいから安全だ。床下だから場所を取らないし、エアコンや石油ストーブのように空気も汚れない。何と比べているのか知らないけど、燃費も良いらしい。

  でも、空気が暖まったような感じがないんだよな。
  温度は22℃に設定していて、Ａ面しか使ってなくて、まだ外がそんなに寒くないから、そう思うんでしょうか。もっとあったかくなるんですよね。なりますよね？　うん、きっとなります。ならないと、困ります。高かったんだよ俺的にこのマンション。頼むよ。

  では皆さんで件名を確認してください。
  明日も皆さんが良いお仕事やお勉強を達成できますように。

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