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本質は言葉にならない |
11月4日 |
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9時半起床。
8年前まで住んでいたアパートに出戻りすることになり、気がつけば玄関ドア
の向こう側には大量の布団が積み上げられ、「こんなにたくさんの布団がこのア
パートに入るか、せっかくマンションを買ったのにどうしてこうなるんだ」とう
なされる、というディープな夢であった。予知夢にならないように今日も頑張ろ
う(^^ゞ
午前中はTVで将棋を観ながら少々お勉強。
授業の準備の準備、くらいのものなので気楽に進める。ここで英語の話題を今
日も少しだけ。日本語の意味になるように空欄に英単語を1ついれる問題。空所
補充英作文なんて言いますね。
「それがどのようなものか私は知りたい」
= I wonder what it is ( ).
即答できる人には、「だって、そういう構文じゃん」という感触だろう。
即答できない人にとっては、「どう考えればいいのだか」というところだろう
。前者に理由を説明するのは易しくて、後者に答えの導き方を説明するのは面倒
。必要なネタは4つくらい?
1、be 動詞の使い方
2、疑問詞または関係代名詞の使い方
3、補語になる語(句)の種類
4、解答になる単語の知識
基礎的なことが身についているかを試すのにピッタリの設問かも。「授業の準
備の準備」って何だろうね。設問の正解は like 。
お昼を過ぎて外出。
予告通りに独り用の鍋を買いに行く。4軒みてまわる。1〜2人用の鍋は「6
号」というらしい。ガーデニングの鉢と同じで、共通の規格がJISか何かで決
められているのかも。僕はもう1まわり下のサイズが欲しいけれど、置いてなか
った。
ずいぶんと値段に差がある(ピンキリという比喩がある)。
1〜2人用だと安物が多いのか、1,000円から3,000円くらい。4人用くらいに
なると3,000円から2万円くらいまであるかな。昨日書いたように、家にある大き
な土鍋は1,000円で買った。8年くらい前であったにせよ、すごい安物だったのだ
ろう。
外出前に古い鍋をチェックしてきた。
昨日の「表面が剥げてきて」というのは、「釉(うわぐすり)が剥げてきて」
が正しい表現だった。だから今回は釉のかかっていない鍋にする。洗いにくいと
いうのが欠点だとは思われる。
ちょうど先日、金券を貰った。
クレジットカードのポイント交換で1万円ぶん。モノに換えるのが普通なのだ
けど、適当なものが見当たらず、モノを増やしたくもないし貧乏だしと考えて金
券にしたのだ。気分よく暮らすには手間もかかるけど、ちょっとのお金は必要だ
。結局、伊賀焼の6合鍋で2,500円のものに決めた。使うのが楽しみ(^^)
帰宅途中にスーパーに寄って、魚を買う。
マンションのエレベーターホールで、どこかの家への来客らしき3人組とすれ
ちがう。「セキュリティが3重になってるんか〜」などと話している。何のこと
だろう。そういえばそうなのかな。以下検証。
1階の集合エントランスがオートロックなのは当然だ。
ちょっと面倒なのは、カギを装置にかざさないとドアが開かないこと。これよ
り不便なのはカギを差し込まないと開かないシステム(旧居はそうだった)。こ
れより便利なのは、富豪または貴族の方々がお住まいになるマンションにしか装備されてい
ないが、カギを持っていればドアが開くシステム。高速道路のETCと同じ仕掛
けなのかも。
今はないはずだけどもっと便利なのは、
住人の体に「ひらけゴマ」のチップが埋め込まれている
ことだろう。
近未来かも、と思わなくもない。僕が死ぬくらいまでにはそうなるのではない
か? だって、50年前にはピアスしている人なんかいなかったはずじゃん。ヒト
の身体は「便利に届く」という条件さえ揃えばいくらでも利用されるものだろう
。嫌な話だが。
それはともかく、エントランスを抜ける。
これでセキュリティその1を通過したことになる。エントランスを抜ければエ
レベーターホールがあり、エレベーターがある(なかったらどうする?)。これ
が曲者(くせもの)。ボタンが押せないのである。正確には、「↑」のボタンを
押してもランプがつかない=作動しないのである。ここでもカギをかざすことが
必要になる。
これが2つ目のセキュリティで、最近は増えてきたようだけど、少し珍しいの
かな。
「どさくさ紛れの侵入者」を防ぐシステムらしい。それでもまあ、一緒に乗り
込むことは可能だろうが・・・。あとは各戸の玄関の鍵だから、セキュリティは
確かに3重であった。さっきの訪問者たちは、きっとこのエレベーターのシステ
ムのことに言及していたのだろう。この話題の続きはまたそのうち。
部屋に戻って昼食。
さきほど買ってきたタイ料理のナレシゴン(ナシレゴンだっけ、チャーハンみたいなやつ
)弁当。なかなか美味。腹ごなしに読書。
『ゆっくりさよならを
となえる』川上弘美を読了。
のんびりゆったりとしたエッセイ集。著者は小説『センセイの鞄』
で知られる
小説家と書けば、全人口の5%くらいには通じるだろう(実際に読んだのはその
1割くらいだろうけど)。
裏表紙の紹介文にひかれて買った。
>「いままで一番多く足を踏み入れた店は本屋、次がスーパーマーケット、三番
めは居酒屋だと思う。なんだか彩りに欠ける人生ではある」
あれこれの雑誌に書いたものを寄せ集めたエッセイ集なので、統一
感がないか
も、というのが不安だった。
しかし最後の「あとがき」に著者が書いているように、「こうやっ
て並べてみ
ると、どの文章にも通底する何かがある」と思われる。じっさい、どのエッセイ
でも著者は本を読み、ぼんやりと何かを考えている。
エッセイというより、古きよき随筆に近い。
いわゆる第3の新人たちが、せいぜい昭和50年代くらいまで書いて
いたような
、落ち着きのある文章である。読みやすく、特別な結論もなく、それでいてし
っ
とりした一芸としての「随筆」を書く作家は少なくなってしまった。時代の
要請
もあるし、作家の質が変化してきたこともあるのだろう。
「古本屋街へ」という文章はこうして始まる。
>終点まで私鉄に乗って、それから地下鉄に乗りかえて、古本屋の町へ行った。
今日は本を見てまわろう。
本を買うというよりも、本を見ることを目的にした著者は、あには
からんや、
たくさんの本を買ってしまう。以下のように終わる。
>十何冊の本を背負い、コーヒーも飲まず、いそいで地下鉄に乗って、部屋に帰
った。買ってきた本を積み上げ、背表紙をゆっくりと撫でた。疲れた足をもみ、
はなうたを歌った。それから、ていねいに、緑茶を淹れた。秋の午後の日ざしが
、明るい。
どう、ということはない。
著者はひたすら本を読み、時間だけが過ぎていく。その記述に深い
意味がある
のかないのか、読者にはわからない。ただ、本書を読んでいると、僕は個人的に
僕自身と著者に通底する何かがある、と思ってしまう。読書好きの人にやわらか
くお奨め。
夕方はヒミツの花園。
朝から文句のない晴天で気分が良い。布団干しをせずにいられようか、わざわ
ざそれに言及する必要を感じなくても書かずにいられようか、否。窓を開けたま
までもいられるくらいの暖かさ。それってどんなもの? 要約すれば小春日和。
5時過ぎにはもう暗くなる、寒くなる。
風呂をわかしている間に上記の感想文を書く。日記はふつう食後に書くから酔
っている。別に日記を書くには差し支えないくらいの酔い方だけど、本の話題に
触れるのはおっくう。だから、感想文はたいてい先に書いておく。僕はスーパー
が1番で書店が2番だな。日記には書いていないけど、今日もチラっと書店をの
ぞいてきた。
夕飯。
またサバが入手できたので、先日「一膳」で公開したしめさばを作った。正確
な記憶がないけれど、12月に入るとそういうサバが入手しにくくなったはず。命
短し恋せよ乙女、旬は短し作れよしめさば、気がつけば婚期を逃し独りサバをし
める秋の夕暮れ。それってどういうこと? 旨かったの。
ビールは季節限定のキリン『一番搾り とれたてホップ』。
毎年この季節だけ発売される、いわゆるプレミアムビール。定番ものより1割
くらい値段が高くて、そこそこ美味しい。悪く言えば軽すぎて、よく言えばかな
り爽やかな飲みごこち。それって何に似てるの?
本質を示す言葉は、どこにもない。
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