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どこまでも偽善者 12月29日


  通勤電車はガラガラだった。
  ついおとといまで自動肉挽き機に放り込まれたカタマリ肉のようだったのに、 余裕で座れるほどだった。そんなにみんなで同じ日程で働く必要があるとも思え ないけれど、そういうものか。

  朝食は今日もドトール。
  3日間で3種類のミラノサンドを制覇してしまった。Aが生ハムとローストビ ーフ(じゃなかったかな)で定番、Bが海老とアボカトで季節変わりくらい、C がミートソースのハンバーグで、これがもっとも短いサイクルで入れ替わる。く らいだったかしら。


  昨日の続きで某講師に夕食の献立を質問すると、「3日連続で吉野家でした」 とのこと。
  疲れ果てて考えるのが面倒というところだろうか。「けんちん汁に変えたけど 、あれって豚汁から豚肉を取り除いただけじゃないすか」とも。そうなのかな、 味噌汁しか飲んだことがないからわからない。いや、味噌汁って「食べる」って いうべきなのか。汁だから「吸う」なのかな。わからない。

  10時50分から休憩時間。
  4日間ともパンをオヤツに食べた。朝はガッツリ食べられないし、消化がいい のか、90分2コマもお腹がもたないのだ。ちなみに、夕方の5時20分からの休み 時間にも何かしら食べる。移動のときに昼食を取ってはいるのだが、以下同文。 食事3回・オヤツ2回というのはどうなんだろう。まるで成長期のようだ。


  2年生は無事に終了。
  講習生にあわせて復習内容を多くすると、意外に従来からの正会員にはウケが いいように見える。受験学年ではないということもあるし、それほど完成したレ ベルにもないということもあるのだろう。

  今は少人数だからいいとして、人数が増えたときにどうするか、が問題になり そう。
  プレップという最上位クラスがあるとはいえ、あれはウイングネットが中心で (生授業がある校舎もあり)、あまりレベルを下げて授業をするのもまずい。来 年度に向けて考えておこう。授業は非常にうまくいったと思う。ところで、今年 の冬期講習はなんでアンケートがないんでしょう?


  さくり校舎移動。
  前のタームの最後の4日間も移動だった。電車の中で少しでも昼寝できるのが ありがたい。たぶん毎年書いているように、5分だけの昼寝は意外に脳をスッキ リとさせる。


  Lクラス。
  なかなか戦いが起こらない、といったところ。最下位クラスなのでそれなりに テキストの問題は「易しい」とされるもの。そういう問題は得てして単語や熟語のような知 識勝負の設問が多く、良い意味のゴマカシが利かない。現実に、

「いくら何でもおめぇ、こんなん知ってるだろうが」

という問題がほとんどなのだけど、実にキッパリと知らないようで困る。

  知らないというのは知らないだけで、知ってしまえばすぐに追いつく。
  だから、知らないことをあんまり責めるわけにもいかない。幸いなことに出席 率は今日も100%なので、出席しているうちに「覚えてしまう」ものが増えてくれ ればいい。すごく少なくても、何もないよりはマシだ。希望に似ている。


  Cクラスはまずまずか。
  選択肢プール型(複数の空所に一気に選択肢が与えられていること)の長文空 所補充6問は、全問正解の生徒様がけっこういた。いろいろとインチキな手管( てくだ)を教え込んだ甲斐があったような気がする。 split apart なんていう表現 なんか覚えてなくても、ちゃんと正解は出せるのだ。あ、ここは受講生にしかわ からないか、すまん。

  しかし、並べ替え問題は論外。
  これがなかなかねえ。日記にも何度も出てくるように、僕自身この設問が好き なこともあって、かなり丁寧に教えてきた。しかしもちろん、蒔いたタネは必ずし も成長しないことでわかるように、うまくいかない。生徒様もしんどいが、こっ ちも我慢。中堅大学では差がつくところでしょう、とだけ書いておく。


  Cクラスの授業を終えて階段を下りていると、生徒様♂が声をかけてくる。

「ありがとうございました!」

ふだんは僕のクラスではない生徒様だ。ふだんの授業にいない生徒様には、授業 中に非常な注意を払う。挙動はほぼ全て見ている、とまでは言えないが、演習の デキや解説時の表情などもチェックしている。授業の流れに乗れているかどうか を知るためだ。もっとも、残念ながら講習中だと名前までは覚えきれない。

  そう言えば、彼には昨日も同じようなアイサツを頂いたと思う。
  ありがとう。でも、僕はゼンゼン体育会系ではないので、ふつうに「さような ら」とか「失礼しまーす」とかで構わない。よく誤解されるようだが、僕は完全 な文化系軟弱男子である。合理的で事務的であることが職業上では大切だと思っ ている。と書いたところで、熱心な「よびわる」ユーザーにしか理解してもらえ ないだろう。


  午前中の雨はやんだ。
  しかし校舎を出る時間にはまだポツリポツリ。ずいぶんと暖かい。数日後に温 度が急激に下がるパターンだ。帰宅の電車で本を読む。

  『デキる人は「喋り」が凄い』日本語向上会議編を読了。
  タイトルは少しアイマイ。
  トークの技術を語るものではなく、編者からわかるように「正しい日本語」を 説く本。この手のものは下らないのが定説なのだが、たまには宗旨替えも良かろ うと買ってみた。

  ほとんど知っていることばかり。
  しかし「言葉もの」の本は僕の好きなジャンルでもあり、良いところもあった 。ちょっと長くなるので後日にエッセイで。よほど日本語力に自信がない人か、 僕のようなヘンな趣味の持ち主にはオススメくらいかな。


  帰宅して塩チャンコ。
  おととい消費期限の切れた油揚げも投入。1週間前に買ったゴボウも投入。う まいのなんの。やっぱり野菜を食べなければいけませんな。

  ヌル燗は宮城の『一ノ蔵 山廃特別純米 円融』。
  「一ノ蔵」はメジャーなメーカーで、僕も何種類かを呑んだことがある。普通 の純米酒は旨かった記憶があり(普通のスーパーでも売っています)、今回はそ れより明らかに上の「山廃仕込み」である。大まかに言えば、原料が同じでも作 るのに手間がかかるということ。しかもこれは「環境保全米」なるものを使って いる。農薬を減らし、殺虫剤の使用はナシということ。細かいルールがあるはず だが知らないので省略。

  で、お味。
  旨い。辛口で雑味が非常に少ない。しかし、旨いのだが、完成度が高すぎる。 もっと旨い酒はいくらでもあるだろうし、これをかなり上位にランクする人もい るだろう。それでも、面白くない。喩えれば、

「いいところのお嬢さん」

のようなのだ。

  繰り返すが、完成度は高い。
  日本酒が甘くて悪酔いするものだなんて誤解している若い人に呑んでもらいた い。でも、つまらないのだ。もっと、ハメを外して欲しいのだ。服の趣味が良く て、いい匂いのする香水をつけて、話題も豊富で知的なんだけど、手は握らせて くれない、みたいな感じなのだ。たまには、とつぜん「ふざけるんじゃないわよ 」とか言って欲しい。そういう酒だ。いや、本当に美味しいんだけどね、あえて 苦言。


  例年の僕は今日29日が仕事納め。
  しかし今年は昨年と事情が変わって、明日30日がそうなる。2年生の講座は4 日完成で、今日で終わった。3年生は4日完成講座と8日完成講座が混在してい て、僕がいま担当しているのは8日完成。ハンパなことに、後半の始まり(つま り第5回だ)が年内にあり、残りは年明け。

  今日の3年生の授業の最後にこう言った。

「明日も授業があるからね、休まないように!」

4日完成の講座が今日で終わった生徒様もいるだろう。悪気のない、ちょっとし た誤解で1日分の授業が失われてしまう恐れがあるからだ。

  というのは偽善で、もちろん明日から早起きする必要のなくなった僕自身に呼 びかけたのだ。
  おいおい、いい話になってないじゃないかよと思ったそこのキミ。よく読めて ますね(^_^)/~
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