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そう簡単にはいかない 1月23日


  9時20分起床。

・固定資産税を納めるためには事前の申し込みが必要で、納税者は犯罪者同様に 扱われる。夜の11時20分になっても僕の順番は回ってこない。指紋を取られて、 審理が行われようとしたのは夜の12時過ぎ。もう終電がないじゃないか。こんな 不平等があるのか。

という夢を見ながら2時間くらいウツラウツラしていたらしい。


  もうすぐ新居の6ヶ月点検
  住んでみてから気がついた施工ミスなどを直してもらうもの。このあとに1年 、2年点検とあるらしい。どこまで無料修理なのか不明だけど、言うだけ言って みるつもり。

  どうやら、接着剤を使った部分にミスが多いようだ。
  引き戸のレール部分の上部が剥がれ落ちてくる、というのが最大の瑕疵(かし =キズのこと)。これは確実に直してもらえるだろう。今はセロテープで固定し ているという有様。他には、貼り付け部分の壁材に剥がれかかっているところが 数箇所。

  床板が浮いている部分もある。
  入居して2ヶ月くらいで浮き上がってしまった。特に問題があるわけでもない が、あまり長く時間が過ぎるともっと面倒になるだろう。他には、ペンキのはが れ。これはどこまで直してもらえるものなのか。何かで僕が引っかいたことが原 因かもしれず、難しいところ。そういう「おかしくないか?」という箇所を指摘 した文書を投函する。点検は来月で修理は再来月。


  お昼ごはんにはスパゲッティを食べた。
  麺を茹でてレトルト。午後は読書。

  『読ませる技術』山口文憲を読了。
  エッセイストによる文章指南本。
  その指南の適切さというより、語り口調の文章の面白さが光る。

  この手の「文章読本」が好きだというのは以前にも書いた。
  だいたい下らないのだけど、だいたい読んでしまうのだ、という話題だったは ず。女優でありエッセイストでもある壇ふみの解説から。

>「文章読本」とうのは、正直言ってあまり役に立たない。私はしょっちゅう「 書けない」病に悩まされているので、なんとか救いを求めようと、その類いの本 をけっこう渉猟しているから知っている。ひとつでも「なるほど」と思えること があれば、上の部類なのである。
  だが、この『読ませる技術』は、違った。

  最後の1行の後ろには「本書は素晴しい」ということが書いてある。
  僕はそこまでは思わない。本の解説に「まあこの本、あんまり面白くないけど 読めば?」なんてことが書かれるわけがないので、5割引くらいで読むべきだか らでもある。じっさいに、そうかこうやって書くといいのね、と学びを得たとこ ろはかなり少ない(逆に言えば、確実に少しはあった)。

  しかし、文章はおもしろい。
  副題が「書きたいことを書く前に」となっていることからわかるように、本書 の一貫したテーマは「書きたいことではなく、読者が読みたいことを書け」であ る。著者がおもしろいと思っていることなんか、読者には面白くないんだよ、と いう戒めである。僕もお腹が、じゃなくて耳が痛い。

>私も読む側に回ったときはそうですが、読者というのはじつにわがままで気ま ぐれです。おまけに嫉妬深くて、猜疑心が強くて、上げ足取り。三十枚の原稿の 中にたった一行、自分の気にいらないことが書いてあると、それだけで全否定で す。「ケッ」という気分になる。

  この短いくだりのなかで、著者は文章を書く立場から読む立場へと変化してい く。
  ほんの一瞬だけペルソナの交換を入れて、この本の読者に「一般的な読者は実 はどう思っているか」をサッと提示する。「ケッ」という嘲りがこの本の読者に も届く。その5行ほどあとに、著者は再び本来の著者の立場に戻る。

>(最初に1万人もいた読者が最後まで読んでくれる読者として残るのはプロで ある私の場合でも二千人)その点、アマチュアのみなさんはもっと不利なんです 。家族を除けば、あとは知り合いだけが頼りでしょう。それではすぐにゼロにな ってしまう。ですから、私なんかよりずっと読者のことを考えた文章を書かなき ゃならないんですよ。

  読者のワガママさ、というのは僕もよく実感する。
  たとえば、上記の文章に関して

「『ペルソナの交換』という言葉は本来そういう意味ではない」

なんていうメールが来たりするのだ。著者である僕からすれば、そんなことはど うでもいいのだが(読み飛ばせよ、お利口)、読者様からすれば看過できない問 題であるらしい。だってほら、いまの「看過」って言葉だって、「俺が読めない 漢字を使うなよ」って思った人がいるでしょ?

  うまく書くというより、下手に書かないようにという指南本。
  僕にとっては、「充分に」学びのあるものだったよ。


  朝からずっと雨が降っている。
  天気予報では雪になると言っている。エアコンで外気温を測ると(測ってない か)3℃。おいおい。もう雪になっていいだろうと眺めていても、雨のまま。眺 めていても雪に変わりはしないだろう。地面近くの温度で雪か雨かが決まるわけ でもなし。

  プールはさぼることに。
  プールは自転車で5分くらいのところにあるので、歩けば15分。このシリアス に冷たい雨の中で往復30分の徒歩はきつい。雪になってしまえば、むしろ自転車 が使えるのだけど。運動不足になっていけない。対策を取らねば。

  腰回しダイエットでもやるかな。
  オイッチニィ、ニィニィサン、シ! と独りで腰をクネらせるのだが、これで いいのかどうか。それ以前に、ひょっとして、アホなのでは。遠くから誰かが見 たら、ただの頭のおかしいオジサンである。たぶん誰も見ていないと思う。こん なんじゃ運動にならんぞなと思っていれば通勤開始時刻になった。


  センター試験も終わって、講習の最後は「私大演習」。
  今日はQクラス対応の講座。これが今週と来週の水曜日で4回完成。LとCク ラスは今週末にまとめてやることになる。2年生をのぞけば、僕の今年度の授業 は残り12コマということだ。

  センター試験の結果についてアンケートを書いてもらった。
  これは毎年、たぶんもう8年くらいに渡ってこの時期に取っている。自分が担 当した生徒様の平均点を見ることはもとより、

実際の現場の感想

を知りたいからだ。失礼して引用。

>(リスニングの) capitals が「大文字」ってイミをみんな知ってるのかどうか と思った。

  これは「パスワード」の問題のこと。
  たしかに、センター試験のような「あらゆるレベルの受験生が集う」試験で、 解答の直接の根拠となる単語としては厳しいと思う。偏差値65の生徒様が集うク ラスで、秋以降に

「覚えておいたほうがトクだね」

とするくらいかな。ちなみにこれを書いてくれた生徒様は筆記試験が182点(200 点満点)。常識的に、ちょっとそりゃないよと思ったのは当然だろう。一般化す るのは少し危険ではあるにせよ。


  このように、個人的な意見に価値がある。
  個人というのは名も知らぬ誰かということではなくて、ある程度まで(それこ そ)個人情報を知った人の意見だ。こういう文脈や背景を持った人が、こういう 感想を持つのだな、という価値のこと。

  新聞の世論調査やアンケートなどが、心に響いてこないのはそのためだ。
  どこの誰とも知らぬ30代の会社員が、

「福田さんは慎重居士だけど、なんか物足りないですね」

と言うとか。それはもちろん1つの意見だし、なるほどねとは思うけれど、読み 手の僕にコミットしてこない。ちっとも実感がないのだ。名も知らぬ誰かの名言 よりも、よく見知った人の平凡な意見に面白さを覚える。


  筆記の点数は例年並みだったか。
  平均で152点。最高は190点だったかな。大まかに言えば、「この生徒様は大丈 夫だろうな」というところが無事に180前後程度を出して、「大丈夫かな?」と不 安視していたところが130前後で逆ブレイクしたというところ。センター試験は

中堅層にとってマギレの多い試験

であり(理由は省略)、このあたりのゴマカシ方、シノギ方を研究する必要があ るかも。リスニングの話題も省略。授業はほぼ順調に終えた。


  帰宅時にも雨が続いている。
  雪になるどころか、温度は少し上がっているように思える。明日から寒くなる ということだろう。切干大根と油揚げの煮物などが夕食。わりに地味。今年度の 残りは1週間。


追記:センター試験(英語:筆記)速報をアップ中。
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