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愛妻のいない日記 5月29日


  8時半起床。
  べったりと雨。昨日あたり、早くも四国地方は梅雨入りしたとか。関東もあと 1週間くらいなのかもしれない。湿度が上がり、温度が上がり、つまり蒸し暑く て僕がいちばん嫌いな季節が始まろうとしている。なんだか

安っぽい純文学

みたいな書き出しでウンザリする。読者が(^_^;)


  午前中はエッセイ書き。
  最近は日記がエッセイ化しつつあるのか、エッセイをあまり書かないからそう なるのか、タマゴが先かニワトリが先かという

使い古された慣用句

みたいな記述でウンザリする。僕が。日記の長文化に歯止めをかける試みをして いる最中だからちょうどいいかも。お昼前後に仕事も少々。


  雨が続くのでやむなく昼食を作る。
  この1年くらい倹約の日々が続いている。すると家メシが多くなってしまう。 すると食事がしけたものになる。すると滅入る。だから昼食は外食を基本にして いる。ゆえに

接続詞のゴイが不足した文章

になってしまってウンザリする。この繰り返しはここまでで。

  パスタ。
  缶詰めのミートソースを使う。そのままでは面白くないのでエリンギとニンニ クを刻んでオリーブオイルで炒め(薄く塩コショウ)、そこにミートソースとケ チャップと赤ワインを少量加え、パスタをからめて完成。下品なナポリタン風に なって悪からず。ナポリタンはフランス語に由来する外来語。使用頻度が落ちて たような気がする。あと10年くらいで死語に近くなっていきそうだ。


  午後は部屋の整理。
  書斎にあるイスを移動する目的。実際に座ることはなくて、バランスボールが 上にのっている。さらにその上に普段着をのせることが多く、なんとなく雑然と した感じになって困っていたのだ。書斎用の立派な椅子が到着する日が近くなっ たので、

もっと書斎らしくしたい

と考えていたのだ。

  もちろん不用品の処分。
  細かくてどうでもいい系のモノを捨てて回る。灯油のポリタンクなんてものま であった。灯油ストーブはすでに処分したから持っていても無意味。何やかやの 空き箱も処分。もう少し心を強くして、モノを減らしたいと思う。

  無事にイスは物置部屋に移動できた。
  イスがあった場所に物干し器具を移動。これは晴れていればベランダ、雨なら 室内で使うものなので、今日のような天気の日にはジャマモノになっていたのだ 。書斎はだいぶスッキリして、新妻じゃないや新しい椅子を迎えられる体勢にな った。読書。


  『愛妻日記』重松清を読了。
  官能小説集。
  「え、重松で?」と思う人が多いだろう。わかりやすい説明を「文庫版のため のあとがき」から引用します。

>全六編。すべて「官能小説」にジャンル分けされるお話である。セックスのこ とばかり書いて、書くことで探った、六組の夫婦の物語である。
  二〇〇三年暮れに単行本が刊行されたときの評判は、じつに悪かった。「裏切 られた気がする」と長い抗議の手紙をもらった。同世代の男性に「こんなもの子 どもに読ませられないじゃないか」と面罵された。「図書館で子どもが間違って 借りたらどうする」とも言われた。重松清のなにを信じて裏切られたのかは知ら ないし、そもそも僕は子どものためにお話を書いたことなど一度もないし、本は やはり書店で買っていただきたいものである――なんてことは言わずに、その場 では「すみません」と頭を下げるだけだったものだが、単行本刊行から三年半を へて、文庫という新たな装いで再び書店に並べていただくことに決めたのが、僕 の答えである。

  正直なところ、僕はこの小説家が好きではない。
  直木賞の『ビタミンF』が(たしか)そうであったように、いわば「家庭小説 」ばかりだからだ。家庭を抱える中年男(30代後半から40代後半)が、その重さ に耐えかねて、それでも耐えるしかなくて・・・という状況設定ばかりである。

  もちろんそれぞれにうまく描いているな、と思わされることはある。
  そうでなければ、「好きではない」と書いておいてこうして読むことはないだ ろうからだ。それでも重松清という小説家が嫌いだと書くのは、僕自身が自分で 選んだ家庭を持たないこともあれば、家庭というシステムが描かれる小説を好ま ない、というだけの理由かもしれない。正確に言えば、重松清という小説家が嫌 いなのではく、むしろ好きで、嫌っているのは重松清が書く小説なのかも。

  それはともかく、感想文。
  そもそも官能小説というジャンル自体をほとんど読まないので比較はできない が、意外におもしろかった。官能小説である以上はエロい描写がうまくなければ いけないし、その描写が必要になる動機(あるいは主題を裏づけする記述)がし っかりしていなければならない。全六編ともにかなり屈折した心理が背景になっ ているのが気になるにせよ、

「お、さすがシゲマツ、ただのエロじゃないな」

と思うに足る本だった。

  ところで最後に、上記引用の「読者のご意見」について。
  読者というのはずいぶんとまた下らない意見を言うものなのだな、と感心した 。小説が状況設定やストーリーに大きく依存しているのは認めるとして、という より普通の読者がそこに面白みを感じるのも認めるとして、状況設定やストーリ ーの下に隠されているものを探さない程度の読み手が、恐れ多くも著者に苦情を 言うというのがすごい。世間一般の読者は

その程度の読み込みしかできないもの

であろうが(中年男の悲哀が描かれていればなんでもいいのか?)、著者に感想 なんか寄せるなよってところか。

  もちろんシゲマツはプロのモノ書きとして、そういう意見を否定などはしない 。
  だからその場では頭を下げておくわけだ。そしてしかし堂々と文庫化する。小 説家なんていうヤクザものが、読者ごときにヘイコラしているだけではしょうが ないじゃないか。僕が今後シゲマツを愛読することはないと思うけど、この気概 でがんばって欲しいものです。高校生以上なら軽くオススメ、くらいかな。


  珍しく夕方にヒミツの花園。
  夕方までずっと雨。この日記の冒頭に書いたのは一般論で、今日は窓を細く開 けておいたら寒いくらい。雨は夜にはやんだようだ。在宅だから関係ないけど、 やっぱり梅雨が近いのかな。

  夕食。
  昨日の続きでモンゴイカ(別名コウイカ)を食べる。安売りだが冷凍モノなの でどうかなと思ったら、おいしくなかった。細切りなのでソーメンのタレをつけ てワサビを溶かして食べるが変わらず。一部を納豆に混ぜ込んでイカ納豆にして 食べるが変わらず。やはり日本産じゃないときついかな。

  もう1つのメインは豚シャブ。
  冷シャブにするには寒すぎて、温シャブには暑すぎる。茹でて放置したところ をキュウリと一緒にポン酢と豆板醤で食べる。それなり。モモ肉って美味しくな いのかしら。行動量が多い割に冴えない一日だったかな


追記:会員ページ「語る」中級その他編「不明単語の処理方法その1(暫定版) 」をアップしました。
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