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借金返済、のち逃亡 6月6日


  9時半起床、寝坊。

・北海道のローカル線は「根治駅」で折り返した。スイッチバック駅のように運 転手と車掌が入れ替わる必要があって、10分ほどの停車。駅舎にいってみると、 体育館のような待合室にはパチンコ台が並んでいる。ほとんどはゲーセンにある オモチャ同然で打つ人はいない。トイレを使うと地元ヤンキーがたくさんタムロ していて不気味だった。まる。

という夢だった。「まる」ってのは何なんだよ。

  寝坊と書くのは、将棋名人戦のTV放送が9時からあったため。
  7番勝負第5局の2日目。羽生挑戦者が3勝、森内名人が1勝で、羽生は永世 名人(通算5期獲得)にリーチをかけている。封じ手を含めて1時間で3手すす んだ。外出。


  整骨院に続いて銀行に行く。
  親に借金を返すための振込み。ちょうど1年ほど前にマンションを買った。も ちろんローンを組んだわけだが、ローン残高を少しでも減らして利子を減らすた めに借りたのだ。弱っちいことである。

  人によっては、

「いい大人が親から借金するなよ」

となるかもしれない。
  こう言う人って、親から譲り受ける予定の遺産があることがほとんどのようだ 。お金持ちってことですね。僕は親から遺産相続する予定も意図も全くないので (そんなゆとりはないと見ている)、充分に頼っておこうとしてい る。もちろん親には少々の利息をつけて返済しておいた。


  それとは別に99万円おろし、それを持って別の銀行に行って自分の口座に入れ る(辻強盗に襲われないように注意)。
  給与振込みの銀行と引き落とし専用のメインバンクが異なるため。前者の銀行 からは住宅ローンを借りているため、しばらくはこの手間が必要になる。さらに 郵便局へ行く。

  今度はもう1人の親に借金を返すため。
  あれ、郵便局の口座同士だと、振込み手数料がかからないんだね。最初にAT Mで振り込もうとしたら

「金額が多すぎる、窓口でやれタコ!」

と機械に言われてしまった。機械のくせに。窓口に行ったら、書類を書かされた だけで(印鑑不要、身分証明と暗証番号が必要)振込み限度額を上げてもらえた 。よかった。しかし、今日1日で給料の×ヶ月ぶんが失われてしまった。


  昼食は怪しい系のラーメン屋。
  新居に越した直後から気になっていたのだが、入る勇気がなかったのだ。店先 にはこういう看板。

・名物ラーメン 320円
・自家製ギョーザ 320円
・日替わり定食 450円

入れないでしょ、怖くて。320円ってどういうことだよ。何が出てくるんだよ。

  非常に狭い店だった。
  カウンターには4つの椅子、小上がり席にも4人座れるか。小上がり席の下に はラッキョウか梅干しをつけているらしい6リットル入りくらいのボトルが並ん でいる。田舎のお勝手みたいだ。「お勝手」というのは台所(キッチン)の古い 名称です。

  古びてはいるが、汚くはない。
  キッチンには業務用ではなく普通の家庭用冷蔵庫がある。店員はあばあさん1 人。先客は2人。1人はすでに日替わり定食を食べ終えたところで、もう1人は 注文を終えたばかりのようだ。ためらわず

ラーメンとギョーザ

を注文。サイは投げられて、ルビコン河は渡っている途中で、月背景予告も出た 。あとは大当たりを待つだけだ。食あたりかもしれない。

  先客の日替わり定食が先に出る。
  豚肉のしょうが焼きか何かのように見える。味噌汁も小鉢(何かの煮物?)も 漬物もついている。450円としてはリズナブルにも見える。味がどうか、という最 大の問題は抜きにして(-_-)

  ラーメン到着。
  10分くらいかかった。隣の日替わり定食親父が食べ終わらんとするタイミング で、彼はラーメンも一緒に注文していたようだ。あわせて770円だもんなあ。お味 はそれほど悪くない。おばあさんは茹で上がりのタイミングを注意深くみていた が(2回も試食していた!)、かなり柔らかい麺だ。旨いかと聞かれれば

ノーと言える予備校講師

になるが、まずくはない。320円だし。

  ギョーザ到着。
  これはそれなりのレベル。具のお肉と野菜の味がきちんと感じられた。皮はパ リッとしているし、及第点かと思う。320円だし。再訪したいかどうかは難しいが 、無理に避けるようなこともないかな。


  午後の話題は省略。
  将棋は午後4時時点で羽生がいかにも良くない。永世名人へのプレッシャー とは別に、作戦負けしているように見える。できれば盤とコマを使って僕も並べ たいが、その時間はない。今日は梅雨の中休みでよく晴れて暑いくらい。

  ポロシャツで校舎へ。
  授業は、出席率以外は順調。今日から最下位レベルのLクラスでも演習を設け るようになった。受験の合否はほとんど夏の前に決まっているから、

事実上は最後の仕込み

に入ったと言えるかも。受講している人には何となくニュアンスがわかるだろう 。


  講師室に戻ったら、某高級幹部が校舎に来ていた。
  ほんの3ヶ月ほど前に対面しているのだが、頬がゲッソリとこけている。痩せ ましたね、というレベルではない。どうしたのかと訊いてみると、××の問題で 多忙すぎるとか。そうか、そうだろうなあ。僕にはサラリーマンの経験がないか らわからないが、あの職種って2種に分かれるだろう。

1、過労になるほど働く人
2、昼間にパチンコ屋にいるようなお利口

  善悪はない。
  どっちもどっちだと思う。サラリーマンになるというのは、人に使われること と使うことを自分で選ぶことかと思う。どちらもイヤだと思えばイバラの道で、 選んでもイバラの道である。それでも健康を害するまでいくとどうかな、とは思 う。某高級幹部にも「体を大切にしてください」とナマイキを言っておいた。


  喫煙室へ。
  某講師と古文講師Sがいた。とりあえず質問する。

僕「おいおい、××××(某高級幹部の愛称)が来てるけど、誰か呼んだのか、 呼ばれたのか、呼び出されたのか?」
S「先生じゃないんですか?
僕「俺、何にも悪いことやってないぞ。チョークも投げてないし、暴言も吐いて ないし、ヤバイことも書いてないぞ、今年は」
S「いろいろ思い当たることがあるじゃないですか」
僕「だから、ないって話だって」
S「なくたって、あるんじゃないですか、あることないこと?」
僕「ないことないこと、あることあること」
S「ぜんぜんダメじゃないすか
僕「ズラかる(逃げる)一手だな」
S「とりあえず僕も関係ないっすから」


  即去りして帰宅。
  夕飯のメインは薄切り豚バラとネギの炒め物。3行レシピでもいこうか。

1、フライパンに油とニンニクの千切りを入れ、豚バラをざっと炒める。
2、肉の赤みが消えたあたりで斜め切りしたネギを投入する。
3、塩・コショウ・紹興酒・ミリン・しょう油で味付けしてネギが柔らかくなっ たら完成。

  豚バラから味が出るのでシンプルに料理できる。
  中華のコツは盛り付けにもある。大きな皿の中心に小さく盛るか、小さな皿に コンモリと盛るか。今日は後者にしてみた。台湾の中華料理店で出てくる小皿料 理の1品のようになった。0時40分から放映される将棋名人戦の結果を待ちなが ら、この日記を書いている。
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