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もう1人の「健」を目指して 6月7日


  10時半起床、寝坊。

・8人いるから4卓できるじゃんと2人麻雀を打つ。どうも面白くないと思った らパイの代わりに小さな苗を使って田植えをしていたからだ。じゃあ将棋のコマ を使えば一挙に解決じゃんと思ったところ、っていうか4人に2卓作ればいいの ではないかと・・・

という夢だった。意味わからないにも程があるよ。すいません。


  昨日の将棋名人戦の話題を少し。
  森内名人の勝ちで7番勝負は森内の2勝3敗。先手番有利に進むこの両者の対 局らしい結果だった。

防御主体の「鉄板流」

とも呼ばれる名人が珍しく早めの攻撃に出て完勝した。今回ばかりは羽生絶対支 持の僕からしても、森内の強さがよく見える将棋だった。

  羽生は次の先手番が決戦になると思っているだろうか。
  「4つ勝ち抜け」のルールで先に3勝して星2つのリードだった。次に負けれ ば逆転ムードになることは明白だし、どうしても第6局が天下分け目になるだろ う。僕の希望はあっさり羽生勝ちで、悲観は最終局までもつれ込んで、その後に

>さすがの羽生でもプレッシャーを意識したのだろうか

と日記に書くことだ。森内、許さん!


  朝食は日本ソバにブナピーとネギとタマゴを入れて。
  授業準備にとりかかり、お昼過ぎに昨日の読書の感想文をまとめる。以下の通 り。


  『ドサ健ばくち地獄(上・下)』阿佐田哲也を読了。
  『麻雀放浪記』のもう1人の主人公と言えるばくちうち「ドサ健」を主人公と したばくち小説。
  ギャンブル小説というジャンルを超えた名作と言える。

  著者の最高傑作は『麻雀放浪記』であることに異論はない。
  それは4部作。僕は1→3→2→4の順に好きだが、一般的には1が最高で後 はオマケと考える人が多いだろう。その4冊は実家に置いてきてしまったので手 元にない。もう少し余裕ができたら再読したいが、今日は本書の感想文にうつる 。

  最初に読んだのは、中学2年生のときだ。
  感動した。人生ってこうでなきゃと思った。オトナどもの下らないキレイごと なんか嘘っぱちだと思った。詳しく語ればキリがないので、以下の文章を読んで 頂こう。先に背景の説明を軽く。

  利之助とは慎重な守備中心の打ち方を信条にするばくち打ちである。
  20人ほどの主要人物の中で、最後の4人に残ったほどの名ばくち打ちである。 それでも負けは徐々に込んでくる。


>ドサ健なら、べつの打ち方をする。しかし健も、自分の打法を中途半端にさせ ないという点では、まったく同じ信条を持っているのである。これまで、死屍累 々をした中を、やっと生き残ってきた。その方法を簡単に変えるほどのゆとりは ない。ばくちというものを自分流につかみ、そのつかんだものにすがって戦って いるだけである。
  ばくちは、相手との戦いではない、自分の信条にどれだけ機械的になれるか、 という戦いなのである。ドサ健には、利之助のそういう姿勢が痛いほどわかる。
  そうしてまた、利之助がその低姿勢から立ち直る気配を見逃すまいと、じっと 眺めている。


  僕の生き方の重要な一部と同じである。
  多感な時期に読んだこともあって、この考え方を自分の身体にしみこませて生 きてきた。きっとこれからもそうだ。自分のペースを守るが、また同時に、相手 が立ち直る気配を見せたらきっと叩いてやろうと身構えている。そしてまた、自分が不調でも 自分の決めたことは破らない。じっと我慢する。守りさえすれば、きっとチャ ンスはある。用心深く、利己的な発想と行動だ。

  もしオススメするとすれば、ギャンブル小説だと思わずに読める人だ。
  麻雀の話題は出てくるが、ルールなどを知る必要はない。そんなものはただの 具体例で、書かれているのは人の生き様である。この物語は、誰も幸せにならず に終わる。救いなんていうものはない。だから、人は自分に救いを求めてもがく のだという仮想体験をしたい人だけが読めばいいと思う。文句なしに傑作である 。


  昼食調達に外出。
  きょうも梅雨の晴れ間で蒸し暑い。いやな季節だなあ。スーパーのお好み焼き (シーフード)なんていうゲスなものと、日清カップヌードル(ミルクカレー) なんていう意味不明なものを食べる。ダイエッターにあるまじき炭水化物の2重 食い。寝坊のせいで行動量が異様に少ない。風呂に入ってから出勤。


  授業は順調。
  実戦ゼミもQクラスも出席者は常に出席という良い流れになってきた。よく読 めば、じゃなくて、よく読まなくても当たり前のことなのだが、

授業に出たり出なかったり

という生徒様がいちばん扱いに困るのは事実だ。

  前回のルールを使って次の段階に上げていくのが予備校の授業だ。
  前回の授業を欠席した人に優しい授業であれば、それはサギだ。継続して出席 している生徒様を小バカにする授業と言い換えてもいいだろう。いつも使う比喩 で申し訳ないが、1回完結を積み上げていってゴールが来るのはクルマの教習所 くらいのものだろう。言い換えると、今日の授業は先週の復習であり、

同時に来週の予習のガイダンス

である。そうでなければクラスを1つに決める意味がないじゃないか。他クラス で解決できるとすれば、その程度の授業ということである。うわー熱いな(^^ゞ


  Qクラスは特に良かった。
  先週の今日書いたように、少人数を良いことにバンバン指名しながら進めてい る。指名は生徒様に嫌われるから、去年は避けた。しかし今年から復活させた。 ロコツなアンチテーゼの実践である。詳しくは書かない。

  入試の当日は、全員が100%指名されっぱなしだ。
  自分で考えた意見を提示しないと、解答欄には何も書けない。入試当日は、自 分の力だけで諸問題を解決しなければならない。よく、

「力がないから今はそれは無理だ」

という人がいるけれど、世間知らずもいいところ。卒業生は以下のくだりをよく 僕に聞かされたはずだが、そういう人には、

力をつけてから入試当日がやってくるという保証がどこにあるのか

と質問したい。順境のときにどうするかではなく、逆境のときにどうしのぐか、 それのほうがはるかに「生きる力」と呼べるのではないだろうか。どうかね。


  夕飯には肉豆腐。
  他にはモロキュウとか茹でアスパラとか生レタスとか。ビールがすごく旨くな ってきたが、まだ今は350ML缶1つで我慢。生活苦は続いているし(酒の中でい ちばんビールが割高です、税金のせいですが)、体重管理の問題もある。何かし らで自分を縛っておくのは大切なことかと考えている。

  そのわりに、食後は日記を書きながらウイスキー『山崎12年』をロックにして 盛り上がっていたりするんだけどね。
  このウイスキーは、良い1日を過ごせたときの、自分への報酬にしている。自 分なりのシステムって、すごく大事だ。本当だよ(^_^)/~
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