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諦めたら、それは老い 6月17日


  8時58分起床。

・借りたシャツはちゃんと汚れを落としてから返却しようねと言われてブラッシ ングをするが、それに飽きて配水管を掃除する。水アカがひどいなあ・・・

という夢だった。汚れ系の夢は体調アップのあかし、だって昨晩寝たのは午後11時ですから!!


  将棋の名人戦第6局2日目。
  永世名人にリーチがかかった羽生挑戦者の封じ手開封からスタート。ここで決 めなければ厳しくなる3勝2敗。今夜には決着するはず。山形県の天童市で行わ れている。地震は大丈夫なのかな。

  観戦と朝食を10時に終えて、昨晩読み終えた本の感想文をまとめておく。


  『老化で遊ぼう 』赤瀬川原平・東海林さだおを読了。
  昭和12年生まれの2人による対談集。
  赤瀬川は10年くらい前のベストセラー『老人力』、東海林は4コマ 漫画『アサッテ君』で知られる。なかなかおもしろい。

  ちょうど僕の親の世代である。
  僕も年をとってきて、たとえば今の高校生ぐらいと話すと時代のズ レを感じる。俺が高校生のときはポケベルなんてなかったんだぞと言えば、 「ってか、ポケベルってなに?」と思われるといった具合だ。

  時代の進歩のスピードがそれだけ速くなっているわけだが、戦前生 まれ世代の話となると、全く違った種類の感慨を持つことになる。
  物心がついた頃に戦争が終わり、その後の強烈とも言える復興・進 歩に戸惑い続けてきた世代なのかもしれない。子どものころには冷蔵庫がなかっ たのに、下手をすると(しなくても)孫とケータイメールをやり取りしなければ ならないくらいなのだ。


 僕たちの世代って激動の人生でしたよね。わら草履履いて蝋石と石 盤持って学校に通ってたのが、鉛筆と消しゴム使うようになって。
 井戸水汲んで運んでたのが、蛇口からお湯が出るようになって。電 話かけたりファックス送ったり……。
 対応するのをやめるのは、大雑把に言って電子製品からですね。
 これだけの変化にずっとついてきたけど、遂に刀折れ矢尽き……つ いていけなくなってきた。

  対談としておもしろいのは、第5話「性に目覚めて五十余年!」。
  対談時に70歳くらいということもあって、このくらいまで年をとれ ばここまでアケスケに話せるものなのか、と感心させられた。全10話の 最初の3話が鼎談(ていだん=3人で話すこと)方式で、これらが今ひとつ。鼎 談の「鼎」ってのはね、と説明を始めると

「だからさ、いつの時代の話なんだよ?」

と思われるのでやめておく。軽い読み物としてオススメ。


  お昼にかけて今日の授業準備の確認など。
  たった5日間のブランクではあるにせよ、授業の流れがよどんでしまうのが怖 いから。準備はし過ぎてもし過ぎることはない、と書ければカッコイイが、実は そうでもない部分もある。これは前にも書いたからパス。

  1回目の昼食は家でカップラーメンとライス。
  前者は『ごくせん』(だったかな?)という高価なもの。別にって感じ。ライ スが余っていたのでやむを得ずこういうツマラナイ昼食になった。あまり機嫌が 良くないようで、外出する気分にもなれない。

  午後には2年生の定例試験を解いた。
  長文の単語が異様に簡単な気がする。じっさいに授業をすると、「なんでこん な単語の意味をメモるかな?」と思うけれど、低学年というのはそういうものな のかも。このあたり、僕自身が低学年のときに全く勉強をしていなかったので、 感覚が鈍っているみたいだ。

受験学年の授業が自分の基準

になっているから、これから数年で新しい基準を構築していきたい。一朝一夕に 良くなるなんてことは絶対にない。そんなことを夢見る年齢は、もう遠くなって しまった。


  その他、午後はあれこれ雑用だの仕事だの。
  プールはさぼらなかった。機嫌を重視してサボルとキリがない。幸いなことに 今日は雲があっても雨は降らないくらいの天気で、さぼる口実もない。自分を甘 やかしてはいけない。すでにプール通いは9年目に入ったけれど、100%の習慣 にはなっていない。気力と意欲と実行だけが継続を支えている。運動嫌いの人間 は、そのくらいの覚悟をしなきゃダメだ。距離700M、体重64.4キロ。

  半袖で出勤。
  授業は今ひとつ冴えなかったかも。関係詞の面倒なところで、文法演習で時間 を食ってしまったため。いくらライブ授業最上位のHクラスでも、関係詞だけは 文法説明中心の授業が必要だったかも、と反省。夏講か、授業に余裕が出る秋に また扱おう。生徒様は、推薦した問題集などで自習を進めてください。

  今年度は徹底的に指名しながら授業をしているので、こういう当然のことに気 付かされる。
  説明にはある程度の「完成」があるけれど、

授業には「完成」はない

ということが今さらながらによくわかった。もちろん年季を積めば「授業の完成 度は高くなっている」と思いがちだけど、実は「説明の完成度が高くなっている だけ」ということがあるはずだ。ヌイグルミを相手にしていればそれでいいのだ が、生徒様はヌイグルミではない。彼らはいつも若くなっていき、我らは常に老 いていき、

格差は広がるばかり

だ。学習者が指導者の目の前にいて、その逆も常に成り立つというのが、教わる ことと教えることだ。十二分に自分に言い聞かせたい。帰宅時には半袖では寒か った。


  夕食。
  昨日のマグロは色が悪くなっていた。どす黒い、なんていう昔の形容詞を思い 出してみたりして。クンクンしてみるが、それほど悪くなっているとも思えない 。このあたりが

食中毒になるかどうかギリギリのライン

なのだが、食べてみた。賞味期限は今日までということだが、これはこの梅雨時 にはアテにできない。あくまで自分の判断だ。

  幸いなことに疲れていない時期で、疲れる予定もない次期で、多少悪くても体 が対応してくれるだろう。
  言い換えれば、食中毒だの食当たりだのは、食べる人の体調にも左右されると 見ている。絶対性より、からだの免疫力との相対性ではないか、という思考実験 にして人体実験である。以上の記述に責任は取れませんので、真似するなら覚悟 を決めてからどうぞ。


  0時55分からのTVを待っている。
  もちろん将棋名人戦の結果である。出勤前の午後4時過ぎには「やや羽生良し 」と見えたのだが、このレベルだとまだ不安はある。不安のほうが大きいくらい だ。勝ちきるって大変なことなのだ。結果についての感想文はまた明日の日記で 。ごきげんよう。
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