予備校講師でわるかったな!





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楽勝! 8月30日


  5時44分起床。
  夜中も雨が降ったりやんだりだったようだ。1回目の朝食にはソーメン。卵焼 きを添えた。今日もタイミングよく雨を避けて出勤できた。2回目の朝食のマッ クについては忘れたい。今日で終わるのだ、こういうツライ時期が。しかしこの 忙しい最終日だというのに、昨晩の読書感想文を書き上げてしまったりもする。


  『下流大学が日本を滅ぼす!』三浦展を読了。
  ベストセラー『下流社会』の著者が、下流化した大学や大学生の現状とその改 善策を語るもの。
  語りおろしということもあって緻密な論が展開されるわけではないが、読み物 としてなかなか面白かった。

  この手の「下流本」はもう飽きたから読まない、と1年くらいに書いたかもし れない。
  本書は語り口調という柔らかさもあり、大学生を論じるものということで読ん でみた。一応は大学生を作り出す(というお手伝いをし申し上げ奉る)仕事をし ているから、何かの参考になるかもという考え。「はじめに」から。

>文章力がひどく低下していて卒論が書けない、なんていうのは相当高度な悩み である。いわく、授業で「目的」という言葉を使ったら、学生が「目的って何で すか?」と聞いてきた。文字を読む力がないのでマンガすら読めない。

  極端な例だとは思う。
  大学生全体の5%にも満たないと思われる。が、現実に予備校の教壇にたって お話もうしあげると、「うわっ。このことば通じてねぇな」と思うことがよくあ る。英語の授業なので日本語に訳すしかなく、たぶんしかしその訳語が通じない 、というシーンだ。

  たとえば、equivalent という形容詞。
  辞書的には「同等の」とか「対応する」となるけれど、こんな日本語が通じる だろうか。危惧は、

「『対応する』って動詞じゃねぇのか・・・」

と思われること。クレームに対応する、とかね。まあ確かに「対応する」だけ聞 けば動詞に決まっているのだけど、いま読んでいる英文に出てくるんだから形容 詞の訳語だってわかると思うんだが、これは要求ラインが高いかな。抽象概念を 理解できない人が増えたので、こういう日本語が通じないのだ。そう考えれば「 目的」ということばが通じない大学生がいても不思議ではない。

  第4章の「『大学貧乏』の登場」も興味深い。
  親御さん(おやご=親のこと)が経済的にどれだけ苦労してご子息を大学に入 れているのかよくわかる。ここに挙げられたケース・スタディーを高校生が読ん だら、もう恐ろしくて予備校の授業なんか欠席できないと思う。

  詳しい感想文は後日に。
  多少は無茶と思えるものながらも改善策が提示されているし、極論が多いとは いえ、大学生の現状もよくわかる。そもそもシンプルに読みものとして面白い。 「下流大学」生になってからでは遅いから、高校生以下の人が読むべき本だと思 うけど、そうか、文字が読めないから意味がないのか。それでもまあ、「よびわ る」を読むくらいの知性があれば、きっと楽しめると思う。


  このタームのまとめ。
  『大学別V』は僕の立場からすれば順調だった。今年なんども書いてきたよう に、Qクラスのレベルをかなり下げて授業をしてきたのだが、この講座でやっと 例年のレベルにまで上げることができた。スピードもそうだし、濃さもそうであ る。いちばん授業準備には苦労した。昨年度踏襲のテキストだというのに、3回 も4回も読み返したと思う。

  また一方で、生徒様側からしてどうだったのか、という疑問は残る。
  ちょっと難しかったかしらね。1年間の流れで、この講座が最初のピーク。2 学期からのQクラスはそれほど難しくない。自分の能力がテキストの予習でハッ キリと現れてくると思う。それだけに、授業内の演習を増やして、

さらに負荷をかける

つもりではある。テキトーに勉強してテキトーに合格できる大学に行ってもらい たくはないからだ。


  『大学別T』もそれなりには順調。
  出席率は例年通りに低調。予習率の低さ(予習者は5割にも満たないだろう) も例年通り。ここ何日か書いたように、

講師はだた授業をするだけ、生徒様はただ受講するだけ

という流れで定着しつつあるような。そこで「予習してこい!」なんて説教する と欠席率が上がるだけなので、初日はともかく他の4日は流しておいた。そうい う意味で順調だった。それでいいのか、という自問はあるし、以下にもその思考 を書いたが、削除した。

  と、ネガティブなことを書きながら、もちろん良いところもあった。
  ちゃんと頑張っている生徒様は、ちゃんと下位クラスにもいることである。自 分の能力の限界に近づこうとして、歯ギシリしながらかんばっている人もいる。 偽善だと思っていただいて構わないが、実際に多少は偽善なのだが(書くなよ、 俺のバカw)、

足りない能力でフル回転

している人って、好きだ。別に受験生でなくてもいい。僕自身もそういう人間で 、足りない能力を補うためにもがいている。これには自信がある。こういう自信 って情けないけど、それでも大事だ。


  昼食は中華弁当。
  たぶん20日も同じ校舎で昼食を取った。18日くらいは同じ店のそれ。そこそこ 旨いし安いけれど(500円だぞ、いまどき)、付け合せが毎日同じというのはきつか った。オリジン弁当だと付け合せすらないから、まだマシではあった。


  この夏のまとめも。
  授業のことは散々書いたので、個人的に。2004年(80分119コマ、90分30コマ= 計・・・計算は苦手だw)のとき以来のコマ数だったので、非常に疲れた。今年 は90分110コマだから、2004年比では80%くらいなんだけどね。この数年の落ち込 みが激しかったし。

  何が疲れたって、精神的な面。
 充分に気をつけたことはあるにせよ、体力は問題なかった。2002年から2007年 までは、途中に1週間弱の夏休みがあった。でも、今年は

5日間→1日休みが7連続

ということで、息がつけなかった。1日2コマのタームも2回あったから、やは り体力面や生活面ではラクできたのだろうけど、ちょっと厳しかった。残り日数 を数えることはゼッタイにしなかった。そんなことしてたら、気力が持たないも の。

  とは言っても、この状況は来年以降も続くだろう。
  講習期間以外はヒマヒマなことだし、むしろ、これだけコマがあったことに感 謝したいくらい。予備校講師って忙しくなきゃダメだなと思ったのも事実だし、 いっぽうで休むことも必要だと思ったのも事実だ。

  このあたり、絶妙なワークライフバランスの例を実現したいという気概もある けれど、なかなか難しいだろうな。

  いつか、

「予備校講師って、こういう働き方をしなきゃ!」

と自信をもって書ける日を迎えるべくがんばりたい。まだまだ実現は遠いし、そ もそも実現はムリかもしれないけど、目指すのは大切なことだ。諦めるには若す ぎるし、夢見るだけには年を取りすぎたと思う。まあとにかく、今年は疲れたね 。


  無事に終了。
  さすがに講師室にも「やっと終わりだ」というムードがただよう一日だった。 某講師に、

「最後の授業ではガッツポーズしなかったんですか?」

と訊かれたけれど、あんな少人数じゃあ恥ずかしくてできないよ、と答えておい た。10年前の僕だったら、そして10年前の状況だったら(こっちは主語略すね) 、やっていただろう。


  帰宅時にも雨を避けることができた。
  人様の話をうかがうと、この1週間はあちこちで豪雨の被害が出ているようだ 。でも、10キロも離れると「特に強くは降ってなかったなあ」なんてことがしば しば。たまたま僕は被害にあっていないだけというトコロだろう。

  郵便受けを見ると直前講習の依頼書が。
  開封。う〜ん、しぶいね。でもこれって妥当かな。今日はもう疲れたのでまた そのうち。スケジュールは9月中旬までには公開する予定。ええ皆さん、しっか りとコマ減ですからご安心を(^_^;)


  夕飯は高めのスーパーで買ってきたお惣菜のセット(1,050円)。
  たまには独りで飲みに行こうかと思っていたけれど雲行きは怪しく、そもそも 独り呑みなら自宅のほうが好きなため。わりに普通の味。たまには手間をお金で 買うのもいいでしょうか。

  そうだ、やっと長い夏が終わったのだ。
  久しぶりのウイスキーは恒例の『山崎12年』をロックで。この日記を書きなが ら、本当に長かったなと思う。こういう夏を、あと何年続けられるだろうかとい う不安にかられる。生徒様は、明日(31日)の定例試験をちゃんと受験するよう に。

やれることはちゃんとやっておく

ことが何より大切だ。やっておくべきだった、なんて嘆くより「やったのにダメ だった」というほうがはるかに良い状況じゃないか。がんばろう。でも、僕は明 日から5連休させてもらいますけどね(^。^)y-.。o○

みなさん、夏講お疲れ!
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