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村田、よく打った |
10月12日 |
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7時に目が覚めたときには、まだ酔いが残っていた。
昨晩は帰宅して日記を書いているときに酔いが回ってくる感じだったので、仕
上げビールなどは呑まなかった。すると、思ったよりも店で呑んでいたのかもし
れない。2度寝して9時起床。朝風呂。
昨晩の飲み代の話。
ところで、今の「飲み代」って読めますか。日常では「のみだい」と言ってい
るけれど、辞書的には「のみしろ」と読みます。もしアンケートを取れば、
「え、『のみだい』だろ?」
という人が多いだろう。辞書は現実をうつす鏡ではないし、正しさというのが一
般の人々の主観によって決まる例だと思う。
話を戻す。
S君がメニューを見ながら言ったのは
「う〜ん、やっぱちょっと高いんですね」
ということ。焼き鳥の「250円」を指差しながら、
「これよりちょっと高いくらいがメインって店に行くことが多いすね」
とも。まあ大学生の場合、300〜500円くらいのツマミが中心の店が普通だろう。
理由は単純で、若い人ほどよく食べるから。
お金の問題も多少はあるけれど、呑むときに大人はあんまり食べないものだ。
ただ、僕に限らないけれど、予備校の講師同士で飲むとよく食べる。授業のあと
だと食事代わりという面もあるから。ちなみに、昨晩の飲み代は8,000円。
ちょっと高かったかな、という感じ。
焼酎はボトルを入れてあったので計算外。2人でビール3杯、つまみ7品だっ
たはず。そのなかに牛刺しだのアンキモなどという高価なメニューが含まれてい
たからだろう。S君はアンキモを生まれて初めて食べたとのこと。そりゃそうだ
よね。
10時から朝食を取りながらTVで将棋を観る。
午前中はダラダラ過ごした。二日酔いは全くない。ただダラダラしたかっただ
け。エッセイ書き。7月の旅行について今さら書いている。きのう公開したエッ
セイの画像が冬景色だったので、なんだこりゃと思った人もいるだろう。ブログ
ではないので速報性を軽視している。
お昼過ぎに外で昼食。
吉野家の牛丼。80円引きのセールだったせいか、けっこう混雑していた。僕と
同じように、たかが80円の節約を狙った人が多いんだろう。味噌汁をつけて350円
とはリズナブルだ。
帰宅してヒミツの花園。
朝からよく晴れて、午後から少し雲が出た。空気は乾いていて、洗濯物は洗濯
機1回半ぶんくらいが乾いた。布団も干せた。ちょうど良い気候なので、衣替え
の第一陣もスタートさせた。ちゃんと秋になった。とぎれとぎれながらも、本も読めた。
『「お買いもの」のいいわけ』堀井和子を読了。
日常のさまざまな買い物(例:しゃもじ、茶碗、桃、日焼け止めクリームなど
)について語るエッセイ。
目次にかかげられた写真は良いが、文章はピンとこない。
この手の本の著者は女性がほとんどだ。
日用品を買ってみて、あれが良かったこれが良かったこれはイマイチだったと
つれづれに語るもの。だいたいは
「高くはないけど良いものに囲まれて暮らす私ってシアワセ」
というトーンで、わりにワンパターンである(そもそも発想がプチブルなんだよね)。みなさんも真似してみてねではあ
く、みなさんも自分の良いものを見つけてね、というトーン。上品で読みやすく
て、何も残らない。
本書も類にもれず。
冒頭の写真つきエッセイで雑誌か何かに連載されていたような気配だが、明記
はされていない。そういう「たくさんある連載ものの1つ」ならソコソコのレベ
ルにあると思うが、こうして1冊を読み通す価値はあまりないと思う。残念。
夕方から東京へ。
信じてもらえないかもしれないが、件名のとおり神宮球場へプロ野球を観にいった。しかも独りで。セリーグ最終戦、我が横浜ベイスターズとヤクルトスワローズである。6位確定と5位確定のチームである。詳しくは後日のエッセイに書く。
とても面白かった。
たぶん「よびわる日記」で野球観戦の話題を書いたことはないから、生で観戦するのは最低でも4年半ぶりである。野球を生で観ることのコーフンを思い出した。
群集の中の独りぼっち
という状況も良かった。ベイスターズの良いプレー(ほとんどなかったがw)を観ても喜びを分かち合う連れはいない。これはけっこう、かなりさみしい。3塁側のややレフト寄りの高い位置にある座席から、いちども席を立たずに最後まで観戦した。
もちろん、目的があった。
我が横浜ベイ、今年も圧倒的な弱さである。あまりにも弱くて日記で言及する気にもならなかったくらい。勝率は3割ちょっと。プロじゃないだろう。イチローの打率よりは良かった、では話にならない。むかし、やっぱり横浜かヤクルトが勝率3割くらいという記録を作ったはずだが、負けず劣らずの成績だ。ここまで弱いなんてアリ?
しかし、良いところもあった。
内川の首位打者、村田のホームラン王。それで圧倒的最下位という問題は置くとして、問題は、そして今日の目的は村田だ。巨人のラミレスとホームラン王を争っているのだ。今日の試合が始まる前の状況。
・村田45本 (残り1試合)
・ラミレス45本 (全試合終了)
すでに村田はホームラン王を確定している。
横浜は国産(日本人選手)の大物打ちをやっと育てることができたのだ。なんと80年代前半に活躍した田代選手以来である。もしできれば、今日一発を加えて単独でキングになってほしい。僕がきょう神宮まで来たのは、その瞬間を観るのが目的だ。
結論。
3点ビハインドでノーアウト1・2塁で村田の第3打席。それでなくても4番打者としては一発が期待される局面で、
村田のホームラン!
46号で単独トップ確定。ヤクルトファンからも歓声と拍手が上がる一発だった。
この一発を観るだけで、入場料の2,000円は完全にペイできた。
見られるという保証がない状況で、見たいものを見ることができたのだ。こんなことが、TVで味わえるか? 記録媒体で味わえるか? 何かが起こる前の、そして起こるとは限らず、起こってしまったあとの空気を、生で見る以外に吸う方法はあるのか? この試合で唯一、僕が声を上げた瞬間だった。泣きそうになった。
結果は順位通りにヤクルトの勝ちだった。
ヤクルトには今日が引退試合の選手が4人いて、いちばん注目されていなかった小野選手という人が、なんと8回裏に代打ホームラン。これで勝ち越して勝負を決めた。ヤクルトファンは嬉しかっただろう。引退セレモニーを試合後にやっていたようだが、もちろん僕は見なかった。
球場から信濃町駅まで歩こうとするが、間違えてイチョウ並木を抜けてしまう。
結果的に青山一丁目駅から銀座線に乗って帰宅した。簡単な食事を取り、この日記を書く。野球観戦をエッセイにしようと書き始めるが、終わらず。書きたいことがたくさんあったからだ。良い1日だった。
村田さん、おめでとう。
どんなに弱くても、僕はずっと横浜ベイスターズを応援するよ。
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