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シーナの話を聞いた 11月24日


  目的地は有楽町線の豊洲駅である。
  千葉県民のみなさんはご存知のように、有楽町線は千葉からの電車にほとんど接続しない。乗り換え駅そのものも東京メトロの各線のなかでは格段に少なく、不便な線である。東武東上線と西武池袋線(だっけ?)に乗り入れているから、

埼玉県民御用達

の地下鉄といっていい。


  西船橋駅に着いて、武蔵野線に乗り換える。
  ここから東西線に乗り換えたほうが運賃が安いはずだし、直線距離的には近いはずなのだが、上記のように乗り換え駅がほとんどない。京葉線乗り入れ(東京方面行き)の武蔵野線は、本数が少ない。よくわからんが、

平日の昼間で1時間に2本

である。京葉線沿線というのは、基本的に過疎地かと思われるダイヤだ。東京行き快速に乗る。

  市川塩浜着。
  え、これ快速だよな。どうしてこんな駅に止まるんだろう。出発してすぐ、左手(海側)に自転車の墓場が見える。市川市民の放置自転車を集積したところだと思われる。なかなか壮観。

  新浦安着。
  どこが快速なんだよ。マンションがたくさん見える。同じ浦安市民でも、東西線浦安駅付近とこのへんの住民では、郷土意識が違うだろう。前者は荒くれ者の漁師町で、後者は新しき街。40年前には海の底だったはず。

  舞浜着。
  着く前にTDRの火山が見えた。ディズニーの世界というのは「お前らいいかげんにしろ的な虚飾の街」なのだが、ここまでくると全てを諦めたくなる。巨大な冗談としてのモニュメントという副題をつけたくなる。


  葛西臨海公園駅も止まって、やっと新木場。
  いつになったら本題に入れるのかこの日記。ここでようやく有楽町線に乗り換え。2つ目が豊洲駅。地上に出ると大きな交差点。空が広い。低層住宅がほとんどなく、マンションばかりだ。建設中のものが多いウォーターフロントの街らしい。

  交差点にあるラーメン屋に入る。
  その名も『豊洲ラーメン』。入店した瞬間に「こりゃダメだ」とわかる系。隣の吉野家と悩んだだけに、落ち込みは大きい。味噌ラーメンに半ライスと半餃子で880円。おそろしくまずかった。


  徒歩5分ほどで『がすてなーに』に入る。
  東京ガスの宣伝パビリオンのようなものらしい。入場無料。子どもが小学校2年生くらいまでなら、家族連れの半日レジャーに使えるかなってところ。キレイだし、空いてるし、駐車場もあるし。

  目的は作家・椎名誠の講演である。
  毎日新聞とウィズガスCLUBのコラボによる「食育フォーラム」とやらの一環らしい。毎日新聞で応募したら当選したため。なんだかよくわからんが、毎日新聞のサイトにはこんな記事があった。

>毎日新聞社は22日から12月にかけて、東京など全国4都市で「食」移動支 局を連続開催する。食に通じた文化人を講師に「食育フォーラム」(ウィズガス CLUB協力)を開き、「食」の情報を発信する。日程と内容は次の通り。


  さて、シーナのお題は「旅の食卓」である。
  まあシーナのことだから適当な話なんだろうなあと、かえって期待した。入場するとプログラムを渡される。引用。


13:30 開演/講師紹介
13:35 講演
14:05 コーディネーターとの質疑応答
14:10 ご来場の皆様との質疑応答
14:30 終了

  シーナに質問できるのか。
  あのバカおとっつあんに何を質問するべきか、シーナは何を答えるのか考える。僕が座った席は演台から12メートルくらい。アピール次第で質問できるかも。会場は200名くらいで満席のホールで、8割くらいの入り。

  シーナ登場。
  驚いたのは、すごくスタイルがいいこと。メタボからは程遠く、あの世代(1944年生まれ)にしては足が長い。筋肉質のからだが遠目でもよくわかる。スラッとしていて力強い。正直、かっこいい。声はTVなどで聴くよりも低い。


  話は焚き火から始まる。
  会場が東京ガスということで、「焚き火の話じゃ、ガス(の話題)にならなくて悪いんだけど」という前ふりから。

  話はおもしろかった。
  すごく、ではない。間の取りかたはソコソコ、ユーモアは遠慮がちに、立ったまま、身ぶり手ぶりも入る。僕はシーナのエッセイをほぼ全て、しかも30年近く読んでいるので、知っている話が8割くらいだった。それでもやはり、肉声で聴けるというのはファンにとって楽しい。

  講演は55分続いた。
  質疑応答はどうなるのかと思ってハラハラしていたけれど、シーナは初めから1時間弱を喋りきるつもりだったらしい。ネタは旅の話がほとんどで、特に食事にこだわった部分はなかった。話は焚き火で終わった。

「というわけで、うまく焚き火の話で終われて良かったです」

一同拍手でお開き。


  いやしかし、これちょっとヘンじゃないか。
  シーナは「ここは東京ガスの建物だし、主催者もガス関係だから、ガスとか火にからめて話をしないと」と思っていたようだ。冒頭の発言からもこれは明らかである。しかしシーナは、そもそも

演題が「旅の食卓」であることを忘れていた

と思われる(@_@;)

  主催者としてはどうなんだろう。
  どれほど好意的にみても、食育とは関係ない。食に関する多様性を伝える講演者としてシーナを招いたのだろうが、シーナはどう考えても食の話を中心に据えなかったし、話すつもりもなかったみたい。僕としては面白かったからいいんだけど。


  外に出れば雨がチラついている。
  海沿いにある公園を歩く。豊洲はモノレールじゃなくて新交通『ゆりかもめ』の始発駅でもあるから、いわゆるベイエリアである。駅前と同じように空が広く見える。傘をさして雨のふる海を見るのは寂しくてよい。

  徒歩3分くらいのところに商業施設があるので行ってみる。
  ああなんだ、これが『ららぽーと豊洲』なんだ。まだ建設中の建物もあるようだが、本家である千葉(南船橋)のららぽーとも昔はそうだったなあ。

  中に入ると、コンセプトは千葉のそれとだいたい同じ。
  吹き抜けがあって、レストランがあって、そこそこ安い店がある。それでも土地柄なのか、千葉のこれよりも入っている店の値段というかレベルは少し上かな。

  驚いたのは、

「ペット同伴OKゾーン」

というものがあったこと。
  屋外にはドッグランもある(雨の中で走らせているんだ、これが、見ているんだ俺がw)。しかし屋内でペットOKという商業施設はちょっと珍しい。なんとカフェにもペットOKというところがあった。ふつうの店でもそうだが、飲食店でそんなのアリかね。お金持ちの犬連れファミリーで混雑しているようだった。みにくきものは偽善系プチブルなり。


  雨が強くなっている。
  千葉に帰るにはアクセスが悪いので、バスに乗ることにした。錦糸町行きは混んでいるようだし、さすがに遠いようなので、門前仲町行きを選んだ。10分ちょっとで駅に着いた。やはり、千葉と東京のアクセスには東西線がいい。

  なんだかすごく疲れた。
  冷たい雨もあったし、都会の空気を久しぶりに吸ったこともあるのだろう。今日はこのへんで。
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