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貞淑な美女に決定したい 12月19日


  5時過ぎに目が覚めた。

「やっぱり5二金だった!」

と思ったのは夢だったのか、目が覚めてから思ったことなのか。外はまだ暗いだ ろうと本を読むが、眠気は訪れずに6時起床。それでもまだ暗い。

  昨晩の竜王戦のことである。
  僕のような初心者よりちょっと指せるレベルでこうなんだから、プロなんか夜 に眠れなくなってしまわないのだろうか。いや、実際には消化能力が高いはずだ から、そんなことはないんだろう。夢はベツとしても、僕だって仕事のことを寝 起きに考えることはない。

  朝食を済ませてから、ふたたび竜王戦サイトを訪問して、並べ直してみる
  並べ直すというのは、棋譜を再現して勉強すること。素人考えでも、やはり5 二金じゃなかったか、最後の質駒の金を取るべきだったんじゃないか、と検討す る。まったく、

こんなことをしても何の得にもならない

というのに。でも、それが趣味ってことで、好きだってことなんだよな。


  いつもとほとんど同じ行動の1日。
  整骨院。70歳くらいのおじいさんが受付のお姉さんに油を売っている(ムダ話 で時間をつぶすこと)。おじいさん、毎日ヒマでね、ということ。

じいさん「毎日が日曜日だからさ!」
お姉さん「あーステキな響き・・・」

僕のほうに話をふってこられると困ると警戒する。この1週間くらいは僕も(い い年こいて、だからと言ってじいさんでもないのに)同じ状態だからだ。無事に 危険を回避できた。


  プール、スーパー。
  昨日までの将棋のことが頭から離れない。具体的な局面ではなく、なぜ羽生が 負けたかということ。第4局と第7局の逆転劇を、なぜ羽生が許してしまったの かということ。

  指運(ゆびうん)の問題だろうか。
  同じ条件に見えるけれど、実は結果的に最善手になるように指がうごく運のこ と。タイトル戦を争うような棋士に実力の明確な差があることは少ない。残り時 間に追われて、自分の頭ではなく指を信じて指すことは誰にでもあるはずだ。あ る意味では偶然というか神の領域とも言える。

それでなぜ羽生が2回も負けてしまったか?


  どうしてもわからない。
  1日中考え続けた。誤解のないようにしておくと、羽生が勝てるはずだったと いうことでは全然ない。羽生がタイトル戦で負けることはよくある。強い人ほど よく負けるのが勝負の世界だ。事実、いままでの日記でも、羽生が負けて残念だ ったとは何度も書いたけれど、結果に納得ができないといった感情が翌日まで残 ることはなかった。

  でも、今日ばかりは、

負けることが決まっていたのか、それはどうしてなのか、理由を問うことに意味 があるのか

と考えることを止められなかった。
  はじめから決定していたことだったのか。それならば将棋を指す意味があるの か。その結果について、当事者でもない僕のような1ファンがこうして思いをめ ぐらすことの意味は何だろう。

  クロールで泳ぎながら考え事ができるようになってきた。
  それだけ余裕が出てきた。結論はもちろん出ていない。しかしこれ以上考えて も意味がなさそうだし、読者様も飽きるだろうから、将棋の話題はここで終わり 。来年の棋王戦または王将戦のときまで封印します。


  ヒミツの花園も弁当(ホタテご飯)も読書も快適に。
  もちろん布団干しも全開。考え事にとらわれていたせいで、仕事はしなかった 。読書感想文です。


  『不実な美女か貞淑な醜女か』米原万里を読了。
  日露通訳者として知られた著者による、通訳の実情エッセイ。
  僕がことし読んだエッセイ(ざっと120冊くらい?)の中では最上か、ナンバー 2か。文句なしにトップレベルのエッセイと断言できる。

  著者が56歳の若さで亡くなったというニュースを聞いたのは、2006年のことだ った。
  寡聞にして知らなかったが、通訳としてもエッセイストとしても人気のある人 だったらしい。僕は基本的に存命の書き手の本を読むようにしているから、「い つか機会があったら読んでみよう」と思う程度だった。たまたま新古書店で目が あったのが、処女作の本書である。

  通訳のありとあらゆる事情。
  翻訳とどう違うか(同じか)、現実的に何が困るか、どういう現場に接するか 。説明的な内容が続くのに文章にリズムがあって、勢いよく読ませる。読者の興 味をそらさない緩急自在ぶり、そっと挿入される笑えるエピソード、真摯な言葉 。まちがいなく1流のエッセイストである。


  感想文をエッセイにすることなんて僕にはできない。
  内容が濃すぎるし、うまく伝える力は僕にはないからだ。ここでは、ある部分 だけ引用してみよう。専門的な内容の同時通訳が必要とされる国際会議では、あ らかじめ通訳者に台本のようなものが用意される。

その原稿で下準備をしておくから、

同時通訳が可能なのである。しかし、原発言者がそういった原稿を無視して猛ス ピードでしゃべり倒すという現場もあるらしい。

>日本で開催されたある会議で、発言者がそんなふうに文章をすさまじいスピー ドで棒読みしていくのに耐えかねて、日本人フランス語通訳者D氏が同時通訳ブ ースから飛び出ていって発言者に殴りかかり、胸ぐらをつかまえて、
「おい、お前、通訳のことを少しは考えてしゃべれ」
と怒鳴りつけた事件があったが、私ども同業者には、痛いほどD氏の憤りがよく わかる。私など、この種の発言者に時折殺意さえ抱くことがあるほどだ。

  ふしぎなタイトルも良い。
  「不実な美女」とは原発言に対して正確ではないが意味の通りやすい通訳のこ とで、「貞淑な醜女(ブス)」は正確であるのは間違いないが意味が伝わりにく い通訳のことである。もちろん「貞淑な美女」を著者も追い求めているが、

そんなこと簡単にできるわけないだろッ!

というのが著者の基本的スタンス。言葉を愛する全ての人に自信を持ってオスス メします。


  夕方に銀玉店へ。
  無収入だから、明日のお菜を買うだけは稼いでこないと。毎日が背水の陣とい うのはツライ。1台目、1,000円で13回転。死亡。玉が跳ねすぎているのでもう少 し様子を見るかと思ったところ、500円で奇数図柄。よっしゃ。

そして――人類の補完が始まる・・・

はエヴァだっけ? 今は遊パチのエヴァもほとんどなくなったから覚えてない。

  10連荘(@_@;)
  ああビックリした。どうせイカサマだよね。ぜんぜん「お宝画像」なんてない じゃん。これ、ゲーム性はいいけどアグネスは勘弁してほしい。その後ギッコン バッタンで、2時間足らずで勝ち逃げを決め込む。13,500円勝ち。より面白いで あろう負けた話にならなくて申し訳ない。これで明日も買い物ができる。助かっ た。


  夕飯のメインはブリと白菜の煮物。
  いまひとつのデキ。ブリは旨かったんだけど、調理が良くなかったかも。要検 討。サブにモヤシのナムル。新作、というほどでもないけれど3行レシピ。

1、モヤシを茹でる
2、1にキムチとメンマとごま油としょう油と砂糖を加えてあえる
3、食べる

なんでそんなにヒンパンにメンマが出てくるのか、と思う人もいるだろう。独り 暮らしだと、瓶詰めのメンマが開封1週間で使いきれないんだよ。2行ではない か、という読者も無視。

モヤシを固めに茹でるのがポイント

ね。他には3日前のアジの干物の残りとか。


  日本酒は石川県珠洲市の『宗玄 特別純米』。
  常温でグビリといくと、コクがある辛口で丁寧な造りを感じる。奥能登の酒蔵 なのに、酒米は兵庫県の山田錦。精米歩合は55%で、これはたしか吟醸を名乗れ るはずだが。

  ヌル燗に移行する。
  香りに甘みが出て、飲むとコクと辛さが維持されている。整然とした、A型の 人みたいな味というのか。統制とか秩序とか丁寧とか、感想文に漢字がならぶよ うな味。礼儀正しく、誰にもハズシが少ない酒で、オススメしやすい。


  さあ、もう考えるのをやめよう。
  長い連休もたいがいに後半戦に入り、授業モードにどうやって戻していくかを 考える時期だ。
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