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けなすのは簡単 |
9月11日 |
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早朝の体調が良い。
力強さとか、剛直とか、豪腕とか、強度とか、前田慶次の朱槍とか、屹立とか
、堅固とか、そういった名詞で喩えたくなる感じである。20代前半くらいまでの
人だと、
「え。オサーンって、そんなことを気にするの? 日常じゃないの?」
と思うだろうし、僕より年上の人だと、
「ほう、そうか。それは幸いだな。だが、もうすぐだぞ」
と思うかもしれないし、読解力の優れた人だと、
「のっけからスゴイ話だな」
と思うかもしれない。夏の疲れもだいぶ取れてきた、ということだと僕は思う。
こういった状況を的確に表現する方法はあるけれど、ここ『よびわる』は女子
読者の多いページ(たぶん)。
さすがに直接的な書きかたは避けておきたいと思う。それなのにワザワザ書い
たのは、アレは欲とは関係のない生理現象であるという認識が、あまり(特に女
性には)広がっていないのではないかと考えているためだ。会話例としては、
♀「バカスケベヘンタイ!」
♂「しょうがないだろう、朝なんだから!」
というものがある。出典は指摘しない。
一般に、欲というのは体だけから発生するものではない。
もちろん体に起因するけれど、それを明確な欲というかたちに変えていくのは
、我ら人間のスバラシキ脳みそである。僕自身がそうであるように、異性の欲が
理解できないというのは、欲というのは
それだけで孤立して存在しているのではない、
という事実を意識できないからだろう。だから、早朝の好調というのも、別に欲
とは関係がない。体調が良くなって良かったなあ、という日記的感想文だ。
身体と脳の関係というネタはこの日記に頻出である。
僕にとってきわめて重要な人生のテーマかもしれない。もっとも、
「だからってあんた、一応は先生って呼ばれてんだろうから、その例はちょっと
あんまりなんじゃないか」
という感想はアリかもしれない。ただ、凡庸な一般論を繰り広げるより、手で触
れるような具体例を引いたほうがいいかな、と考えている。日記なんて、多少は
異常なほうが読んでいて面白いと思うのだが。
9時23分起床。
朝食の果物は巨峰。高いけど美味しいよね。お昼にかけてルーティーン。泳ぐ
とか、安売り商品を狙うとか。量販系酒販店で安売りが始まったというチラシを
見たので馳せ参じた。今日もやっていることが主婦くさい。時間はあるがお金が
ないっていうところかな。
昼食には1度だけ入った中華料理店で五目チャーハン。
なんで
繰り返して使っていなかったのか
思い出すことができた。『美味しんぼ』にあったように、チャーハンってけっこ
う味のバロメーターになるかも。とてもベチャベチャしていてマッタリしたお味
。もう行かないんだ。午後は読書など。
『全日本荒唐無稽観光団』綱島理友を読了。
日本各地のマイナーな観光地を訪問するエッセイ集。
下らないエッセイは数多いが、その中でもピカイチの愚書。
狙いとするマイナーな観光地は良いのだ。
「刑事博物館」とか「きのこ会館」とか「カミナリ風呂」とか「金沢忍者寺」
とか。何これ?と言いたくなるどうしようもない観光地は多いし、そういうひど
さを味わってくる旅は楽しい。自分で行ったら腹も立たないくらい下らないから
著者に代わりに行ってもらうというのは、読書のというより読者の楽しみの大切
な1つである。
だが、いかんせん文章が下手。
珍しいものを見ているならそれを淡々と描けばいいのに、珍しい珍しいヘンだ
ヘンだと連呼してしまう。小学生の作文指導の基礎に、
「悲しいときは『悲しい』という言葉を使うな」
というものがある。そのものを表す言葉があるときに、その言葉を敢えて避けて
違う言葉で表現する、ということである。言葉をずらすことで、悲しいことを読
者に伝えるわけだ。この著者はフリー編集者を経てエッセイストになったそうだ
が、ホントかそれと言いたくなるほど文章が下手だ。
なかでも酷いのは、珍しい地名を持つ場所を訪れる話。
下呂(げろ)温泉。南蛇井(なんじゃい)。大歩危(おおぼけ)。後免(ごめ
ん)。羽合(はわい)温泉。大麻(たいま)。及位(のぞき)。半家(はげ)。
たしかに珍しい地名だと思うし、この中には難読駅名として有名なものも含まれ
ている。が、書いてあるのはこういうこと。
>しかし、この下呂温泉というフレーズも、声に出して言うと「げろおんせん」
ってことになり、なんとなくスゴイ。ゲロの温泉、考えただけでも気持ち悪い(
そんなコト、勝手に考えるな! つーの)。
あのね、中坊のブログじゃないの。いやしくもプロが書くことかコレ。
ほかにも、旅モノを書く資格がないと思われる記述がたくさん。
たとえば、電気機関車に牽引された列車が
「発車するたびに激しい振動がする」
が
「これは列車の構造上の問題のようであった」
なんて書いてある。常識だろそんなこと。牽引だから、機関車の力が列車の後ろ
のほうに伝わるまでに、連結器のブレが増幅して伝わるものなんだよ。だから揺
れてから動き出すの。現代でも寝台特急はそういうものなの。ま、僕がテツ見習
いだからかもしれんが、そんな基礎を知らんで鉄道の話を書かないでくれ(-_-メ)
夕飯は今日もコマゴマと。
一応のメインはシメサバ。スーパーで物産展もどきをやっていて、試食してか
ら買ったもの。半身で700円という高価なものだけあって、旨かった。脂身が多い
のと、保存料が入っているのが欠点だろう。もう1ヶ月くらいすれば、自分で作
る季節になる。
自家製ゴボウの味噌漬け。
これは「一膳」になる予定なので日記には書けない(漬けて3日目で完璧なデ
キに)。同じタッパーに、今日の午前中に漬けておいた葉ショウガも良いデキだ
った。他には茹でインゲン、モズク酢、水菜とゴマのサラダ、鶏スペアリブの昆
布煮など、いつものメンツで。
今日は書くことがあんまりなかった。
アイデアをひねり出そうと思って、食後酒はウイスキー。待望の『サントリー
山ア12年』だ。ふだんは『10年』にしているけれど、人生も行き詰っていること
だしとゼイタクしてみた。
食が細れば人生も細る
という人生観による。呑んでみれば、やっぱバニラ香が『10年』とはずいぶん異
なる。高い酒って違うんだなと思いながら、この件名を痛感して恥じるばかりで
ある。 |
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