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オリジナリティを探して |
10月18日 |
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このところ、布団で寝ている。
ベッドではなく、書斎の床に引いて寝るのだ。腰痛のためである。日常生活で
はそれほど痛みを感じないのに、起き抜けだけは相当痛む。どうしたもんかいな
と整骨院の先生に訊けば、
>寝てるあいだに痛むってことは、ベッドですかね。ほら、内臓って重いですか
ら、ベッドの腰のあたりがへたって来てるのかも。痛みが落ち着くまでベッドや
めてみたらどうですか
と言われたため。今日で5日目、少しは良くなったのかなあ。でもやっぱり寝返
りがほとんど打てない。
9時半起床。
TVで将棋を観ながら雑用を片付け、お昼前から授業準備。将棋が早く終わっ
たし、感想戦も面白くなさそうだったし。PCとワープロを別々の机に用意して
、過去問だの過去プリントだのを広げる。25日(日曜)実施の『攻略センター英
語』の仕上げである。
「せんせい、何回宣伝すれば気が済むんでしょうか?」
今週の水曜日あたりに最後の1回かな(^^ゞ
午後3時まで没頭。
センターの場合は過去問というか対象がハッキリしているから、紛れや誤解の
少ないプリントにする必要がある。基本的に、プリントには
授業で説明できること・問題集等に載っていること
を一切書かない主義だ。例を挙げるとカドが立つが、おもしろいので挙げると、
「叙述用法専用の形容詞一覧」とか、ゼッタイに載せない。問題集でも学べるこ
とは、問題集を見ろという方針。だって、市販の問題集って
予備校の授業料の1%以下くらいで買える
から、予備校で似たようなプリントを配るのって、サギだと思うんだよね。1コ
マ1,500円とか2,000円とか払ってもらって、「この先生はプリントがいい」なん
て言われたら、素人丸出しだよね。
だからと言って。
今日作ったプリントに完全なオリジナリティがあるわけもない。それこそ市販
のものが山積みされていて、どれを読んでもキンタロウアメみたいに同じことが
書いてあるから(何しろ研究対象が全国統一だもんなあ)。ただ、これはイベン
ト系の一発講座なので特別扱い。初顔あわせの生徒様もいらっしゃるだろうから
、「これはいつもの話だが」というトークが使えないし。もっとも、少しだけ普
通ではないことも盛り込んでおいた。
それにしても困ったものだ。
07年、08年と大きな変更があって、09年が基本的に踏襲。安定しそうな出題形
式とも思えないし、だからと言って根拠のない予想もできないし。せいぜい2003
年度あたりまでは
「これが出たらこのパターンで」
という説明も可能だったけれど、今は不確実性の時代ってヤツでそうもいかない
。まさか90年代の出題例を指摘するってのもヤリスギだろうし。生徒様が過去問
をさかのぼるにしても、そこまでは行かないだろうからねえ。
作業は上記のように2つの机で同時進行した。
PCでは会員ページのセンター速報解説を読んだ。自分で書いたのに「あ、そ
っか、この年度のこの問題はあの年度のあの問題とリンクがあったのか」なんて
発見をして楽しむとか。2005年度分から5年分もあるので、忘れている内容もあ
った。
いっぽう、ダイニングテーブル。
こちらはワープロを置いて、以前のプリントの改訂で済む作業をした。このテ
ーブルは拡張すると
横幅が150センチ(奥行きは85センチ)
になるので、過去問だの過去プリントだのを並べて作業できるから良い。こうい
った編集に似た作業をするときは、作業机が広いほど良い。机を広くつかうのは
とても重要なことだ。
創造というのは、混沌した場所から生まれるものらしい。
創作者は混乱した状況から整然とした情況を見つけて、民衆に提示する価値の
あるものを作る。綺麗なオフィスというのは、つまらない量産品を売る店舗であ
る。だから、今日の僕がやっていたのは創造ではなく作業だ。もしできることな
ら、
作業の中に創造を見いだす
人間になりたいと思うけど、道のりはまだ長いみたいだ。それでも、もう10年近
くこのスタイルでやってきているので、何かの成果を出せるかもしれないという
淡い期待または希望もある。世間がそれを評価するかどうかは別問題であるとし
ても。
ま、とにかく3時過ぎに完成。
これで具体的な授業進行をイメージするくらいしか準備はなくなった。外出し
て遅すぎる昼食は魚介のレッドカレー。辛くて甘くて旨かった。ずっとPCの前
に座っていたから、少し活動しておかないと体に良くない(または太る)。
続いて書店へ。
1週くらい前に来ていたことを忘れていて、収穫ナシ。世間は日曜日のようで
混雑している。目的もなくスーパーを散策して、日本酒を1本だけ買って帰る。
もう4時半ですかと思いつつ夕飯の下ごしらえ。このところ
人に会うことが多くて人疲れ
していたから、誰とも接しない時間が心地よい。読書。
『謎とき 村上春樹』石原千秋を読了。
村上春樹の小説を論じたもの。
早稲田大学における講義をもとにした文章で、「これだから学究の徒というの
は困るナ(一般人は象牙の塔に登らない)」と思わせるところは多々あるが、全
体にひじょうに面白かった。
文学研究を一般の人も読めるレベルまで落とした本と言ってよいだろう。
『風の歌を聴け』から『ノルウェイの森』までの、初期の5本を扱っている。
新書1冊で5本を論じるわけだから、内容はシンプルで読みやすい。春樹の本が
出ればとりあえず買っておく、くらいのハルキストでも充分に理解できる内容(
共感できるかどうかは別問題)。詳しくは後日にエッセイで。
暗くなってから1時間ほど昼寝。
9時過ぎから夕食となった。メインはサンマのマリネ。ちょっと珍しいかもだ
が、もちろんレシピを入手して作った(ソースは新聞だ)。サンマを茹でて、オ
リーブオイルで焦がしたニンニクをベースにしたタレを作った。レシピにはなか
ったが、夕方作って、冷まして冷蔵庫に入れて寝かせておいた。
これが、いやはや絶妙なデキ。
こういう食べ方もアリだなと感心したくらい。茹でたサンマは脂が抜けている
けれど、わざわざオリーブオイルで補い、それをさらに酢にからめたことになる
。料理とは実に奥が深い。
1日晴れ。
雲はまったく見えなくても、秋晴れらしくなくて南風が強かった。洗濯物はよ
く乾いたし、それなりに布団も干せた。悪くない。日記の半分が仕事の話という
のは、きわめて異例なことかもしれない。あれ、よく読むと仕事の話じゃないの
かな。 |
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