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いつものように |
11月17日 |
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旅行した日の日記は、だいたい同じトーンになる。
良いところも悪いところもあったけど、全体として良かった、帰ってこれて良
かったということである。旅行はたとえどんな種類のものであっても、
日常と非日常をまたぐ体験
になるから、感想文が同じようなものになるのは当然なのかもしれない。同じ感
想を得たくて、人はまた旅に出るってことですね。
きのう『スタンド・バイ・ミー』という映画のことを書いた。
が、この映画を僕が観たのかどうかは定かではない。高校生くらいでもすでに
そうだと思うけれど、年齢を重ねると体験したことと伝聞したことがごちゃ混ぜ
になって、
体験したつもりになっていること
が増えてくる。人は記憶を自分勝手に構成する生き物だなんて話にすると、やや
こしくなるからやめる。
『スタンド・バイ・ミー』ごっこというのは、鉄道の軌道上で遊ぶこと。
だいたいは線路に片足を乗せてたわむれることだ。きのうの僕は列車が来るは
ずもない廃線跡でそうしていたけれど、この映画でどういう状況だったかは記憶
にない。田舎のローカル線でのことだったと思うにしても、確信はない。ただ、
鉄道の軌道上で遊ぶというのは、
何かの象徴なんだろうなあ
と思うのは確かだ。線路というのは固定されて絶対に動かないものだ。そして、
線路はどこかに必ずツナガッテイル。皆さんもそういう機会があったら試してみ
てください、ぜったい楽しいから。
8時起床、たっぷりとした雨。
2日分の新聞を通読してから授業準備のチェック。3日間も完全に英語から離
れていたので、単語が目に飛び込んできて困る。英語に限らず(といっても他に
は日本語しか知らないけれど)、読めているときは視線が流れ、読めていないと
きは視線が立ち止まる。和訳ではなく、だいたいの意味を知っている単語を見た
瞬間に、
「え、この単語ってなんて訳すんだっけ?」
と感じるのが読めていない場合だ。受験生の場合も、レベルに差はあれど、この
時期だとこういう不快感を覚えることがあるかと思う。そういうときは、まあと
りあえず読み続けてみるか、
気にせずに単語集の復習
あたりに手をつけると良いと思う。そんなのはスランプではないから気にしない
ように。
終日、腹しぶり。
土曜日から3日連続で食べ過ぎかつ運動不足だからだろう。旅行中ってのは基
本的に便秘になるからね(デリケートな私)。授業が始まるまで、できるだけモ
ノを食べないようにして過ごした。授業がなければ夕飯まで絶食をしたかったく
らい。わかりやすい例を挙げると、
ウオッシュレットもお尻に突き刺さる感じ
っていうんですかね。今日もお上品な日記なのね!
雨がまったくやんでくれない。
しかも強烈に寒い。12℃くらいじゃないか。プールをサボるのは良いとして(
良くはないが仕方がない)、整骨院も明日に延期すれば良いとして、食材がない
のは困る。やむをえず厚着をしてカサを差してスーパーへ。上記のごとき腹具合
なので冴えない買い物になった。
床暖房の上にゴロリとして読書。
『働きすぎる若者たち 「自分探し」の果てに』阿部真大を読了。
ケアワーカーの過労・低賃金問題を論じたもの。
1冊を通したテーマが不明瞭につき、愚書。
このタイトルで、どういう中身を想像しますか。
団塊ジュニアとかロストジェネレーションの問題を扱っているのだろうなあ、
と想像はつく。ちらり立ち読みすると、
>『13歳のハローワーク』なんてまったくの冗談なのだ
という趣旨の文があったので買ってみた。なるほど、確かにあれってリアリティ
が欠如した「みんな、夢を見なよ。僕は責任取らないから、OK?」って本だも
んな。
ところが、全4章のうち3章がケアワーカーの話。
それ自体は別にいいけれど、サブタイトルの意味はナンなのと思う。とってつ
けたような第4章が「ロスト・ジェネレーションが団塊世代の老後を食い尽くす
」ときた。あのね、
だから本全体で何が言いたいの?
文章のトーンや抽象度も第3章までと第4章でガラリ変わって、これが同じ本な
のかと思わされてしまう。タイトルのつけ方という問題も含めて、出版社はちゃ
んと仕事をしろ、バカ。
雨の中で出勤して授業はワセヨビ。
体験受講の生徒様がいらしたのでチョイ緊張したかな。せっかくの機会なので
、今までの復習を中心にして授業を展開した。たとえば、and のつなぐものとか、
辞書を引く前に指示形容詞をちゃんと考えろ、とか。
しかし、そんなんばっかでは体験受講もつまらないだろう。
だから普段からいる生徒様に質問をふってみた。えーと、こんな感じの英文だ
ったかな。
> employer の側には「申し訳ない」という気持ちはなく、そして depart していく
employee の側にもそういう気持ちはない。
もちろん depart は知らないだろうし、動詞の employ もキツかろうね。ちゃんと黒
板に「〜を雇う」と書いてから、生徒様を指名してみた。
僕「もしかして、employer か employee の意味、わかっちゃったりするかな?」
生「たぶんですけどぉ」
僕「間違っててもいいから」
生「 employer が、雇う人」
僕「ほぉ、なぜ?」
生「たぶんですけどぉ」
僕「いいんだよ、君たちは生徒なんだから。間違えてナンボなの」
生「比較級?」
僕「え?」
生「いや、だから、er だから・・・」
僕「あの、な。比較級ってのは、形容詞とか副詞の話なのな。えーと、taller と
か。これ、employ は動詞なのな。しかも、『〜を雇う』って先に教えているのな
(@_@)」
いやしかし、これにはビックリしたな。
不意を突かれるというか、青天の霹靂
(へきれき)と言うか、予想してなかった僕がバカというか。それでもなおかつ
、自分の意見を明示したということは評価したい。教える仕事をやって20年近く
になるが、
受け身になっているだけの生徒様に実力が伸びる人はほとんどいない
というのは事実である。積極的になったから必ず伸びるってもんでもない、とい
う但し書きは加えておきたいにしても。
雨の中を帰宅して夕食。
メインは豚バラ肉と白菜とシイタケの煮物。鍋料理も考えたが、今後増えてい
きそうなので自重した。塩・コショウ・酒をふってコンロにかけるだけ。フハフ
ハと楽しめる味になった。
他には、少なめにコマゴマと。
練習中のゴボウのキンピラ。ハマチ刺(まずかった)。ジャガイモをタンザク
に切ってレタスとサラダ。残ったそれは平皿にあけて、塩コショウをふり、とろ
けるチーズをのせてレンジで30秒加熱。これはバリウマ。ジャガイモは
バター・マヨネーズなどの油にマッチする
食材なのだが、腹具合とダイエットを考えての「とっさの献立」だった。こうい
ったことを日々積み重ねていくことで、日常のお惣菜の種類が増やせる。
夜もまだ冷たい雨。
床暖房の温かみを感じながら食後の日本酒。寝室に干した洗濯物が乾かないこ
とを気にしながら、この日記を書き上げた。今日が終わって、2学期も残り3週
間。カウントダウンの季節が始まったと書いていいんだろうね、件名のように。 |
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