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一歩千金、荷物じゃない |
11月11日 |
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人生は荷物だ。
生まれたときは手ぶらだったのに、年を取れば取るほど多くなる。転ばずに歩けるようになったとき、自分の荷物を持つことに快感を覚える。小学生になればランドセルを背負う。中高生になれば、通学用カバン以外にカバンを用意することもある。どんどん荷物は増えていく。
ある時期に、荷物を減らすこともある。
たとえば、大学に入ったときとか。荷物が少なくて済む現状に、自由を感じることもある。荷物は束縛だったのだと気づく。でも、やはりしばらくすると、
再び荷物を多く抱えている自分
に気がつく。それがイヤになって荷物を減らそうとすることもあるけれど、社会の縛りが許してくれない。
たとえ話ではない。
中年になれば荷物が増えるのだ。家族。配偶者。子ども。持ち家。家の中にもモノが増えてくる。たとえば書籍のように愛着を覚えたり持つこと自体に興味を覚えるモノもあるにせよ、否応なく荷物は増えていく。
それらなしでは自分が維持できない。
ほら、そうだろう。あなたがいま座っているパソコンの周りにも、意味があるのかないのか、たくさんのモノが集まっているだろう? それはあなたという人生の荷物なのだ。
7時前起床。
今日も昨日と同じような秋晴れ。コピー&ペーストしたみたいな快晴。スーツで出かければ朝晩こそ寒いにしても、昼間は快適というくらいの気温。いつもと同じ朝食を食べて出勤準備をする。
そうね、今日は荷物が少ないのです。
木曜日はウナギから市進に直行する曜日だが、今日は市進の休講日。さすがに手ぶらとはいかないがウナギに必要な荷物なんてたかが知れている。着替えだの櫛だのコロンだのテキストだのが含まれない荷物は軽い。そう言えば、
市進の2学期はすでに残り4週間
になっている。ワセヨビのほうは浪人生が3週間、現役生は5週間。秋も終わりに向かって転がっていく。
ウナギの花園、出勤。
いやぁ、その後の予定がないと思うだけで楽チンチンね。あ、チンが1つ多かった(どうして僕は大人になれないのだろうか?)。もっとも、職務はいつもと同じようにこなす。特に気合いを入れるなんてこともない。どういう状況でも、体調でも、気分でも、
いつも同じパフォーマンスを発揮する
ように気をつけている。お金と引き換えるのだから、それが普通だと思っている。
残業6分で退社。
荷物も移動もないからラクだ。寄り道せずに帰宅。将棋の竜王戦をTV観戦するため。平日の夕方4時から6時までの中継で、この時間に在宅できるのは珍しい。ちなみに、将棋のタイトル戦でTV中継があるのは竜王戦と名人戦のみ。
羽生が明らかに不利。
3一玉という新手が今回も不発なのだろうか。歩切れが解消できない。広瀬王位の解説は地味で少し眠たい。いつもは他の棋士が画面に登場することが多いけれど、今日は北海道での開催なので、現地に棋士がいないのかもしれない。放送は18時で終わり、ネット観戦に切り替える。
19時29分、しかし羽生の逆転勝ち。
94手目の7五金が地味な勝着だったか。結果論でも、これで得た1歩が大きかった。金を8七に滑り込むようでは勝負にならないと僕は見ていたが、逆転まで行くとは思わなかった。渡辺の2四歩はハッキリ遅かった。終局後の羽生のコメント。
>ひとつ勝ってホッとしました
羽生にしては珍しい。僕はだんぜん羽生を応援している。この1局で流れが変わればいいね。
授業準備。
家で夜に働くのは極めてマレ。銀玉屋に行くには時間が遅いし、夕飯は夕方に自宅でカレーライスを食べた。8時前というのは半端な時間。おかげで2学期ぶんの準備はコンプリート。9時に仕事を終えて、家事雑事入浴。
休肝日にするつもりだった。
が、気分良く1日を過ごせたし、仕事を含めた用事も捗ったから、軽く呑むことにした。羽生も勝ったことだし。自家製なめたけオロシ、納豆、ゆで卵のしょうゆ漬け、キムチと水菜。こういう軽いオツマミはすぐ食卓に並べられるから嬉しい。ダイニングで読書しながら食べて呑む。
リビングに移動して日記。
日本酒のヌル燗を呑みながら。おつまみは
ツナ缶にネギとマヨネーズを加えたもの
で、大葉に巻いて食べる。しょう油を少しだけ垂らすと美味しい。料理が苦手な独身男性でも簡単に作れるのでお試しを(カロリーは高いと思うが)。これから久しぶりの夜の読書ができる。予定通り、今週は軽いフットワークで動けそうだ。抱えるべき荷物がないから。
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