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『ソクラテスの口説き方』&『ああ〜ん、あんあん』  
  

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ああ〜ん、あんあん 2月14日
しつこいエッセイが好きだ。基本的に小説読みである僕だけど、エッセイも好きだ。

  信原先生の好みの作家といえば村上春樹であるのは誰も知らない周知の事実ではあるが、僕は彼のエッセイもほとんど全て読んでいる。春樹本人は「エッセイは片手間仕事というか何と言うか・・・」みたいなことを書いていたけど、かなりしつこいエッセイをたくさん書いている。この人は元々エッセイストなんじゃないかなあと僕は思う。あるいは二重人格なのかもしれない。
村上朝日堂はいかにして鍛えられたか』他

  定番だが、椎名誠もたまらない。週刊文春連載の「新宿赤マント」のシリーズが非常に面白い。椎名本人も認めているように「あそこに行った。うまい魚介類があった。したがってビールがうまい。また旅に出た」という話が永久に繰り返される。彼の行動を読んでいると、僕ごときの忙しさなんていうのはたいしたことないんだなと思わされる。だから元気がないときに読むエッセイだろう。
ひるめしのもんだい』他

  東海林さだお。この人は毎日新聞朝刊で連載1万回(!)を突破したほどの有名な漫画家。食に対する造詣が深い。ただしいわゆるB級グルメ以下の話ばかりである。日常生活で接する食べ物への洞察はあまりにするどい。コシあんとツブあんのどっちが旨いか、などなどかなりどうでもいいような話をえんえんと読める。人生の発展・人格の向上などには全く役立たないが、食に対する敬意を取り戻すためには最高のエッセイである。 丸かじり(シリーズ)』

  最近読み始めたところでは、土屋賢二。御茶の水女子大学は哲学の教授にして学部長らしいが、その肩書きからは全く想像のつかない爆笑エッセイ。「女房が私を不当に扱う」「私の助手は私を尊敬していない」という2大テーゼで大学教授の日常が描かれる。新進気鋭にして在庫多数であるのは間違いないだろう。人生を真剣に考えよう、などと少しも思わないときに読むのが一番であるが、電車の中はやめておくべきだ。 ソクラテスの口説き方

  最後に、このエッセイのタイトルである。著者は室井佑月。まだ最初の数ページしか読んでいないが、先行きが不安である。男性である僕が、なんかモゾモゾするようなしないような内容である。新しい作家と出会うのは難しい。
  言っとくけど、本当にどれもしつこいからね。覚悟してから試してください。
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