予備校講師でわるかったな！

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	若い女性とお話する話	2月14日

  僕は女の人とお酒を飲むのが苦手である。正確に言えば、お酒も女の人も別々に存在する限り非常に高い敬意を払うのだが、この２つがセットになると腰が引けてしまう。古臭い表現で「（酒を）飲む、（博打を）打つ、（女を）買う」というのがあるが、こういうのが男性の楽しみの表現として的確なのかどうかよくわからない。だいたい、「買う」なんていう表現は言葉狩りの現代において許されるのだろうか。だって、「乞食」とか「床屋」ってあんまり書いてはいけないんですよね？

  さて、お楽しみのキャバクラ訪問記である。お楽しみの「訪問」ではないので注意していただきたい。
  キャバクラというのはキャバレーとクラブをくっつけたものらしい。キャバレーというのは60年代くらいから存在したらしい。非常に曖昧な僕の知識では「バニーガールが出てきて、客は酒を頼む。ステージがあって、そこでちょっとだけセクシーなダンスが見られる」ものらしい。幼児期の暗い夢のように、これが正確な描写なのかどうかはわからない。クラブというのもよくわからない。90年代前半からうまれた「クラブ」（クにアクセントがある）では、なんかしらないがダンスをして男性が女性を口説く社交場らしいが、これはキャバクラのクラではないだろう。だからたぶん、ホステスとお酒を飲む大人の遊び場のようなものらしい。オトナと表記すると急にワイセツになるので注意されたい。「らしい」が異常に多いけどしょうがない。
  「キャバクラ」は僕のＰＣに単語登録されていない。ちなみに携帯電話ではしっかり変換される。ちなみに携帯で「つたや」と入力すると「ＴＳＵＴＡＹＡ」と出てくる。ここから考えるとキャバクラは世間で認知されてはいるが、ポリティカリー・インコレクト（信条的にはあんまり良くないこと）な単語ということになる。あるいは若者は普通に使う言葉なのかもしれない。ウブな僕ですら、意味がわからなくても使っているわけだから。この２つのパラグラフが僕の前知識。

  人生で５回目くらいだろうか。まず、高校生にきちんと説明しなければいけないのは、キャバクラはいわゆる風俗ではない、ということだ。「ああ～ん」とかそういうのは、ない。ピンクサロン、いわゆる「ピンサロ」になってくると違うらしいが、とにかくキャバクラではエッチな状況は生まれない。では、そこで何が行われるのか？　

  お断りしておくが、僕はキャバクラ偏差値３７くらいで、経験が乏しい。だから経験豊富な人が読むと「ちっ、ちげーよ」と思うかもしれないが許していただきたい。ではキャバクラの定義、いってみようか。

「キャバクラとは、女の人を横に座らせお酒を飲みながら話をする飲み屋」

である。本当にこれだけなのである。お酒はウイスキーまたは焼酎の水割りが多いようだ（自分で注文したことがないのでわからない）。おおむね２０代前半の女性が（ちょっとだけセクシーな格好をしている。間違ってもバニーガールみたいなのが出てくるわけではない）横に座り、お酒を作り（氷を入れて混ぜるだけ）、タバコに火をつけてくれ（吸わない人はどうするのだろうか）、世間話をする。

  本当にしつこいのだが、僕はほぼ初心者である。比喩を使えば、動詞は知っているが、自動詞と他動詞はわからない受験生くらいである。
  問題となるのは（なるんだよね？）女性である。基本的には、綺麗というか可愛いというか素敵な人が多いと思う。一度だけ銀座の店に行ったことがあるが、そこはさすがにレベルが高かった。本当に素敵な人が多かった。２回くらい本八幡（千葉県市川市）で行ったことがあるが、そこはやっぱりアレだった。
  やっぱり客商売だから、どこかの予備校の先生と違ってお客様にガンを飛ばすようなことはしない。客の機嫌を見て話をしてくれる。話題は一般的には豊富なようだ。質問をすると「何それ～、ちょー知らなぁ～い」などと言うことはない。自分が知らないなら客に話をさせるように誘導してくれる。簡単に言えば、客にいい気分になってもらうのが仕事みたいだ。

  僕は人見知りが激しいので、正直にいって初対面の女性と話すのが非常に苦痛である。そこで取るべき作戦はお姉ちゃんに話をしてもらうことである。先日の場合は、とにかく質問することにした。だって、喋るの面倒なんだ。どういう客がいいか、どういう客が困るか？
  良い客の定義は様々だった。指名してくれる客（指名されるようになると、ステージと給料が上がるらしい）、飲んでくれる客、笑わせてくれる客。要約すれば儲けさせてくれるか、楽しく仕事ができる環境を提供してくれることになる。わかりやすい。
  悪い客の定義は言われてみれば当然のものだった。僕は「からんでくる客、暴れる客、騒ぐ客」といった迷惑な奴を想定していた。しかし、誰もが（３人にしか質問していないけど）最初に口にしたのはこれだった。

「触る人。肩とかならいいんだけど、お尻とか。すごくイヤ」

  結論。キャバクラとは意外に健全な店である。
  感想。これって、楽しいのかなあ。

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